【明慧日本2024年2月11日】山東省女子刑務所には約12の監房があり、それぞれが独立した建物である。一見すると、刑務所全体が一つ一つの高層建築物で埋め尽くされており、そこに5000人以上が収容されている。新しく入所すると、まず暫定的な監房に行き、服を全部脱いで囚人服に着替える。そしていくつかの日用品、洗面用具、靴、カップなどを受け取り(これらは自分でお金を払って買わなければならない)、異なる監房に分かれる。そして全員が、血液検査と健康診断を受ける必要がある。
以下では、6年前(2018年)の山東省女子刑務所(済南女子刑務所)で、法輪功学習者(以下、学習者)がいかに迫害されたか、その実態を明らかにする。
「監禁室」での拷問
第11監房は、学習者や他の宗教の信者を違法に監禁する場所で、3階建ての小さな建物で独立したエリアとなっている。各階は左右に分かれており、左側(西半分)には「監禁室」として使用される小さな部屋がある。右側(東半分)にはホールと集団監房があり、通常、各室にはベッド6台(上下の2段ベッド)、12人が収容される。初めて入所すると、まずは西側の小部屋に監禁される。新規の「改心」しなかった学習者も、ここに監禁される。監禁室は幅が約2メートル、長さが4メートルで、中には6つの大きな箱が置かれている。3つの箱は1つのセットで、ベッドとして使用される。箱の蓋を開けると衣類を収納できる。トイレも部屋の中にある。
ここでは、あらゆる行為の報告と承認が必要である。食事や飲み物、排泄、睡眠、座る、立つ、歩くなどすべて報告が必要で、報告する際は必ず「私は罪人の×××です、私は×××をしたい...」と付け加えなければならない。つまり、最初に必ず「罪人」であると言わなければならない。多くの意思の強固な学習者は、自分が罪人であるとは認めず、要求通りに報告しなかった。そのため、個人の自由はますます制約され、刑務所の中の刑務所にいるとも言われた。
刑務所は、「改心」プランを策定した。つまり、事前に学習者の習慣を調査し、学習者によって異なる対策を研究して「改心」させる。つまり、学習者ごとに異なる拷問方法を採用した。
監禁室では煉功が許可されておらず、煉功すると肉体的な苦痛に晒される。ある日、「値番(当直)」が学習者が煉功していたのを見たとする。すると値番はすぐに走ってきて、その学習者の足を両足で踏みつけ、身体全体の体重をかけるように立ち上がり、学習者の手を壁に向かって投げつけた。学習者の手はセメントの壁に投げつけられ、やがて腫れあがった。そして「煉功はだめだ! お前は家に帰りたくなくても、私は帰りたいんだ!」と叫んだ。「値番」は刑務所側が指定した特定の囚人で、専属のスタッフとして昼夜で交替する。
刑務所は、連座的に迫害した。学習者の「改心」を値番の管理任務とし、「得点」がつくと値番は早期に刑期を短縮して家に帰る機会を得る。成績が良くないとポイントはもらえず、罰せられる可能性もある。早く帰りたいため、値番は学習者を許さない。刑務所側は囚人に学習者を看守させ、悪事を働かせる。中には20代の殺人犯もおり、背が高くてがっしりとした体格の麻薬取引の犯人などもいる。これらの囚人の刑期は長いことが通常で、ほとんどは利己的で、減刑のためには倫理観や良心を完全に捨て、刑務所の「転化」プログラムを手助けする。
最初は、裏切り者や「協力者」を利用して学習者を洗脳し、毎日2人以上の邪に悟った者が学習者に歪んだ理論や邪悪な主張を注入するようにして、強制的に「転化」させる。暴力も加えられた。例えば、学習者の手を掴んで強制的に書かせた。時には、数人で手を押さえながら書かせた。時には、学習者を誘導して「短い文だけ書けばいい」と言うこともあった。しかし一度書くと、後で多く書かされる。やはり強制的に拷問して痛めつける。学習者が一度や二度妥協しても、迫害は止まらない。
監禁室では、毎日のように法輪功を中傷するビデオが流され、視線はテレビに釘付けにされ、罰立ちまたは罰座の姿勢を維持される。朝から晩まで見続けなければならなかった。そして「感想」や「思想報告」を書かなければならない。見ている最中に疑問を提起することはできず、自分の意見を述べることもできない。学習者は再生された内容が嘘であると分かっていても、真実の言葉を発することができない。真実を言おうとすると、叱りつけられて苦しめられる。再生されたビデオは、学習者を「転化」しようとするだけでなく、修煉しない他の囚人にも何度も何度も洗脳を繰り返すことになる。こうした邪悪な嘘を信じ込んだ囚人は、学習者を変わり者と見なし、さらに狂気じみた苦痛を与える。
監禁室では、学習者は「転化」や法輪功を中傷する「五書」と呼ばれるものを書かなければならない。転化せず、法輪功を中傷しない学習者は、さまざまな手段で苦しめられた。罰座、罰立ち、寝ることを許さない、トイレに行くことを許さない、身体を洗わせない、他の囚人に殴られる、侮辱、隔離されて誰とも話すことを禁止されるなどの拷問を受ける。
ある学習者は、「転化」しなかったとして3年間隔離された。3年間、他人との会話を禁止されていた。転化しない学習者には、様々な隔離が用意されている。2階では、いくつかの戸が常に閉じられており、そこには信仰を堅持している学習者が収容されていたという。また、学習者が刑務所外の監禁室に収容されることもよくあることで、そこはもっと恐ろしく、環境はより悪劣である。
刑務所には頻繁に見学者も訪れるが、これらの暗い監禁室や小屋は見せられないし、刑務所も、こうした残酷な迫害手段を人前に晒すことはしない。こうして罪悪は、11番区で毎日のように静かに、そして密かに繰り返された。
「転化」しない学習者は、罰立ちや罰座にされる。罰立ちは朝から晩まで、姿勢は常に軍隊の立ち姿勢を強制される。手は体の両側に置かれ、体はまっすぐでなければならない。ほとんどの時間をこの立ち姿勢で過ごさなければならない。数日もすると脚が腫れ、両足は大きな饅頭のように腫れ上がる。足はひとまわり太くなり、しゃがむこともできない。
学習者は、「聯号」と呼ばれる看守の役割を担う受刑者とだけ話すことができる。他の人と話すことはできない。これらの「聯号」は、学習者に同情するどころか、侮辱することさえある。邪悪な小部屋の中では、「聯号」が言葉で侮辱する。「聯号」は他の監区から異動してきた受刑者で、通常、学習者に冷酷非情である。
この監区に異動するには、一定の条件が必要だという。他の監区では奴隷として仕事しなければならないが、11監区は専門的に「転化」思想教育を行い、体力的な労働はしない。学習者には、中国共産党の嘘や、法輪功を中傷する記事やテレビを見せ、洗脳する。これは実際、学習者にとってより残酷な精神的苦痛である。刑務所内では、この監区を「精神病監区」と呼ぶ人が多いと言う。
拷問のイメージ図:小さな椅子に長時間座らせされる |
罰座とは、学習者を小さな椅子に座らせ、手を太ももに置き、上半身をまっすぐにし、視線を前に向けさせる拷問である。朝から晩まで、その椅子から離れることは許されず、学習者の中には、臀部が腐ってしまう者もいたという。毎日、体は極限の負担に耐え続ける。このような拷問が長く続いていた。
罰立ちや罰座を受けてもまだ「転化」しない学習者は、さらに激しく拷問される。例えば、寝ることを許さず、監視されない小屋に閉じ込め、床に木板を敷いてベッド代わりにし、二人の「聯号」に見張られる。学習者には毎日2〜3時間しか寝ることを許さず、疲れて目を閉じると、「聯号」にすぐに起こされ、押し付けられ、毎日極度に苦しめられていた。
学習者がトイレに行く回数も、厳しく制限される。「聯号」の気分で許可されるかどうかである。拒否されれば、我慢しなければならない。時には1日に1回か2回しか許されないこともあった。学習者は、自分のズボンに尿をもらすことを余儀なくされ、トイレに行かないために食事を控えることもある。その後、「聯号」は事実を歪曲し、学習者が自分で食べないと言い張り、それを理由に迫害を激化させ、給食を停止することになる。
数日間飢えた後、学習者は灌食の拷問を受ける。灌食される学習者は、12監区(監房医療施設)に送られ、そこでパイプを挿されて強制的に注がれるか点滴を受ける。連続的に点滴を打たれながらトイレに行かせられず、尿をもらすしかない。他方、足が負傷して歩けなくなった学習者は、歩行してトイレに行くことを強要された。床に座ってトイレまでゆっくりと移動する学習者もいた。刑務所側の目的は、意思の堅固な学習者を苦しめることだ。
学習者への持続的な拷問手段には、生存にあたって基本的に必要なこと、食べる、飲む、排便、排尿、眠る、そして座る、立つ、歩くなどの要素が利用される。手段は残忍かつ巧妙で、これらの拷問手段のいくつかは、監視された状況でも拷問とは見抜けない。目的はただ一つ、学習者を苦しめ、耐え難い状態に追い込むことである。
中国共産党は、学習者が70〜80代の高齢者でも手を抜かず、違法な逮捕や有罪判決を行っている。修煉によって本来健康な体を維持していた多くの高齢の学習者には、刑務所に送られるとさまざまな病状が現れ、不治の病になっても釈放されなかったこともある。釈放後、すぐに亡くなったこともある。服用する薬は刑務所側が指定したもので、薬を拒否すると、刑務所側が時折、こっそりと食事に混ぜたこともある。ただし、具体的に何の薬が混入されていたかは分からない。
集団監房での洗脳拷問
建物の東半分には、集団監房とホールがある。ホールは、集会や学習、活動に使用される。初期の「転化」が進むと、集団監房に送られる。各監房には10人以上が収容され、監房長が1人いる。何人かの「聯号」もいるが、ほとんどが邪に悟った者で、学習者を拷問する手段は非常に残忍である。特に刑務所の規則を利用して学習者を拷問するのが得意で、例えば、物品の配置がきれいではないとか、配置がルールに違反したとか、窓の外を見たとか、他の人を無意識に一瞥したとか、隣の人と話したなど...すべてが拷問の口実になる。
日常の言動から問題を見つけ出し、これを口実に学習者を罰する。立たせる、寝かせない、規則を書かせる、自己批判を書かせるなど。合格しなければ、何度でも書かせる。書かせたものは交代制で担当の警察が読み、全員の前で謝罪や自己批判を強要し、監房の仲間同士で互いに告発させることもある。監房長によってトイレや洗面所に閉じ込められ、他の監房メンバーを密告させ、その人がどれほど悪いかを書かせることもある。学習者は、彼らに従わないと「転化」が不完全と判断され、さらに洗脳の拷問を強化される。
11監区は、虚偽の魔の巣でもある。ある日、「転化」したある学習者にビデオがうまく再生できなかったため、何度もやり直させた。すると、その学習者は「転化は間違っていた。転化は無効」と言い出した。
しかし、作成された嘘のビデオは、刑務所の他の学習者を欺くのに利用される。強制的に「転化」された者が書くものはすべて、刑務所の要求に従って書かれ、内心の真実を表現することは許されず、嘘をつかざるを得ない。なぜなら、真実を話すことは拷問されること、時には命の代償を支払わなければならないことを意味するからだ。中国共産党による虚偽は、11監区で最大限に発揮されている。