母を救出する過程における修煉の体得(二)
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 【明慧日本2024年8月21日】(前文に続く)

 振り返ってみると、救出の過程で「結果を求める」気持ちが芽生え、捨てがたい情と強い私心を持っていたことに気づきました。潜在意識の中ではまだ他人に依存し、期待しており、「アムネスティ・インターナショナル」やあらゆるレベルの政府が母を釈放するよう圧力をかけることを期待していました。この考えは間違いで、逆ではありませんか? 私は修煉者として自分の果たすべき役割について考えていませんでした。人々が私たちに頼っているのです。今、私は母のことをきっかけに、大法の素晴らしさと迫害の実態を伝え、人々を救うべきなのです。そして、その過程で執着を取り除き、自分を向上させるのです。

 母は不当に刑を宣告されて1カ月後、省の刑務所に連行され、4カ月以上音信不通でした。弟は何度も電話をかけたり、手紙を書いたりして問い合わせ、刑務所に面会を求めましたが断られました。

 ある日、私は師父の新しい経文『なぜ衆生を済度するのか』を学んでいた時、世の中の人はみな師父の肉親であることを思い、刑務官に手紙を送ることを思いつきました。

 手紙を書き始めた時、4カ月も母の消息が全くなく、面会も許されないことに、心の中にはまだ少しの恨みがありました。私はたかぶらずへつらわずという基調で手紙を書きました。「80歳近い母に家族が会えないのは人情として心苦しいことです。法律上、刑務所には受刑者は家族に会うことができるという規則があると知っています。受刑者の人格も尊重され、法的に保護されています」

 「母は法輪大法を修煉して心身ともに恩恵を受け、家族や親戚も大法の素晴らしさを知っており、多くの人が大法の修煉に入りました。この数年、母は何度も拘置場に収監されましたが、母は自分の信念を放棄しませんでした。母はカナダやアメリカに行ったことがあり、大法が国外で大々的に広まっている状況を見ました。外国では自由に公園で煉功することができ、パレードも許され、特にパレードの時、警察がパトカーで道を開けてくれる光景を見て、母は、『法輪功は世界中で修煉することができ、どの国も素晴らしいと言っているが、中国でだけは弾圧されている』というメッセージを必ず中国に持ち帰りたいと言っていました」

 同時に、私は手紙の中で警官らに善意を持ってもらい、最後に「大法を大切にすれば、幸福と平安を天から与えられます。人生には予期せぬ出会いがあると言われますが、母の件を通してあなた方と良い縁が結ばれるかもしれません。私の母と監禁されている大法弟子に公正な待遇をしてほしいと心から願っています。法輪功修煉者の母とその他の大法弟子に対するあなた方の優しさと善行は、きっと天の恵みを受けると信じています」と書きました。

 この手紙はほとんど一気に書き上げました。手紙を書いているうちに、私の中の恨みはなくなり、優しさに満ちてきました。私は母のことだけでなく、刑務所内の他の大法弟子や刑務官のことをも考えていました。一字一句が心から伝わってきました。

 手紙を書いた後、私はすがすがしい気持ちになりました。その日、活動拠点で母の救出を求める請願書に署名を集める時、驚くほど効果がよく、多くの人が続々と来て署名してくれました。ある観光客は私の話を聞いた後、同修が持っていた母の写真が貼られた看板を受け取り、他の観光客に「この80歳のおばあちゃんは真・善・忍の修煉のために刑務所に送られました。『真・善・忍』は全世界のすべての人が守るべき道徳であり、すべての人がそうなれば、私たちの世界は大きく向上するでしょう」と呼びかけました。彼は看板を持って私を誘って一緒に写真を撮り、自分のFacebookに載せて、中国共産党がどれだけ悪かを見てほしいと言いました。

 翌日の月曜日の朝、弟が中国から電話をかけてきて「刑務所から連絡があり、9月に母の見舞いを打診された」と伝えて来ました。「善意は伝わるものですね。書いた手紙はまだ出していませんが、私の基本的なところを正し、少しの善意を持つようになり、『私』のためから他人の為になったことで、状況は変わった」と思いました。私は手紙を送りました。翌日、弟からまた電話がきて「9月まで待たなくても、今週末には母を見舞に行ける」と言われました。

 日曜日の早朝、私はいつもどおり煉功しに公園へ行きました。弟が母に会って帰っていると思い、電話をしようとしましたが、悪い知らせを聞くのが怖かったのです。何かあれば弟から電話が来るはずなので、煉功が終わってからにしようと思いました。そこで、思い切って煉功を始めたその瞬間、師父が私の情の物質をたくさん取り除いてくださったと感じました。結局その日の坐禅はとても静かで、最後には気持ちが落ち着いて、何とも言えない穏やかさでした。自分の中から「大丈夫だよ」と聞こえて来たようで、それから「すべて放下する」という一念が感じられました。煉功が終わって電話を取ると、最初に伝わってきたのは「お母さんは元気だよ!」と言う弟の声でした。

 この1年余の心性の試練を経て、たゆまぬ学法を通して、私は強くなりました。どのような状況であっても、師父と大法に対する固い信念は保たなければならないと痛感しました。以前は自分を修めることがよく分かりませんでしたが、今は何かあった時に、まず内に向けて探し、そして、魔難に対しても新しい認識を持つようになり、それを恐れることがなくなりました。すべての魔難は師父が私たち自身の根基と耐える能力に基づいて按排されたもので、すべて私たちのために敷かれた天に上る階段なのです。

 三、同修たちの献身的な支援

 母を救出する過程で、徹夜で横断幕を作ってくれた同修や、風雪の中で看板を掲げて署名を求めてくれた同修、中国の公安、「610」組織、刑務所に救援の電話をかけてくれた同修、刑務所に手紙を送ってくれた同修、アムネスティ・インターナショナルに行って真実を話して助けを求めた同修、中国領館前の記者会見を呼びかけた同修、あらゆるレベルの議員に手紙を書いて送った同修、議員事務室に行って真実を伝え署名を提出した同修、法理の認識上から交流してくれた同修、また神韻推進期間中に私を励まし、協力して神韻を広めた同修など、同修たちの献身的な支援に対する感謝は、言葉で言い尽くせません。

 1000枚以上の母の救出を求める請願書に、数万件以上の署名が集まりました。2024年5月10日、カナダ下院議会で、ケベック州のピエール・ポール・ヒュース連邦議員が議会に提出し、請願書を読み上げました。6月19日、カナダの外務大臣はこれに対して書面で回答してくれました。

 母を救出する経験の中で、私は師父の『なぜ衆生を救い済度するのか』の経文に対して更に深い理解を得る事が出来ました。世の中の人々はすべて師父の身内であり、法輪大法の素晴らしさと迫害の実態を伝える大法弟子の様々な努力は、皆、人々の良識と善の心を呼び覚ましています。大法弟子たちは本当に一つの体であり、師父を手伝って衆生を救う過程の中で、互いに助け合い切磋琢磨し合って、共に精進し向上して参ります。

 同修たちの献身的な支援に感謝いたします!

 師父の慈悲なる救い済度に感謝申し上げます!

 (2024年カナダ法輪大法修煉体験交流会での発表文より)

 (完)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/8/9/480602.html)
 
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