【明慧日本 2024年9月12日】オーストリアの国会議員は8月31日、法輪功学習者(以下、学習者)がウィーンのシュテファン広場で開催した集会に参加し、演説を行なった。
登壇した2人の国会議員は「法輪功に対する迫害、臓器収奪、恣意的な逮捕。大勢の人々が迫害を受けていることを示す明確な証拠がある」「私たちオーストリア人は、欧州人、西洋人として、もっと強い声を上げるべきだ」と語気を強めた。
学習者と長年にわたり定期的に連絡を取り最新情報を受けてきたクーグラー議員(左)とエルナガシ議員(右) |
2人の国会議員はシュテファン広場で演説し、中国共産党による学習者への迫害停止を呼びかけた |
2人はいずれも超党派で、オーストリア国会人権委員会のメンバーだ。中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害、さらには学習者からの臓器収奪という犯罪を共に非難している。
学習者は、前日の8月30日夜もシュテファン広場でイベントを開催した。ヨーロッパ各国から集まった天国楽団のメンバーによる演奏に、絶え間なく行き交う人々が足を止めて見入り、記念の動画を撮影していた。日が暮れると学習者は静かに座り、中共の25年に及ぶ迫害で命を落とした学習者を追悼した。
天国楽団の演奏は人々の関心を引いた |
反迫害の署名に参加する人々 |
静かに座り、迫害で命を落とした学習者を追悼する学習者 |
署名に加わる男性 |
その夜、国会議員を20年以上務めるバイル議員が集会を訪れた。バイル氏は社会民主党の外交政策およびグローバル開発のスポークスパーソンで、国会人権委員会のメンバーでもある。3つの政党からの国会議員は、それぞれ明慧記者のインタビューに応じ、中共による臓器収奪や学習者への迫害、人権侵害の犯罪を止めるために引き続き尽力すると表明した。
オーストリア国会のすべての政党 違法な臓器収奪防止法案を支持
バイル議員 |
バイル議員は動議を発起し、オーストリア国会が欧州議会の「反臓器売買条約」を承認するよう促している。現在は法律条項の修正段階に入っているが、バイル議員は、中共による法輪功への迫害、特に臓器収奪の犯罪を止めることが政治キャリア全体を通じての課題だったという。
過去20年以上にわたり、バイル議員は学習者のために何度も声を上げてきた。強制臓器摘出については「(対象は)もはや学習者だけに限らず、普遍的」と考えている。
そして国会におけるすべての政党が欧州議会の「反臓器売買条約」の承認動議を支持し可決したことを発起人として歓迎している。「他人を殺して臓器を奪うこと(犯罪)を支持できるはずがありません。これ(臓器収奪)は人間として生まれた私たちの権利に完全に反し、私たちが受けた教育に反し、私たちの考え方のすべてに反しています」
バイル議員は、これが立法化すれば「オーストリア人は中国からの臓器を入手することができなくなり、つまりは強制的に摘出された臓器を入手することができなくなります」と述べた。
そして中共による臓器収奪の犯罪を止めるため、「国際組織、例えば『ジェノサイド条約』を担当する国際刑事裁判所などによる調査の開始を望みます」と述べた。バイル議員は、この問題が国際組織の議題に上がり、真剣に扱われ、解決されることが重要と考えている。
「これは難しいことです。非常に硬くて厚い木の板に穴を開けるようなものですが、諦めてはいけません。なぜなら、学習者、そして社会に危害を加えないすべての人々が、自分の信仰、信念、人生の目標を実践する権利があると確信しているからです。これは人権であり、身体の安全、身体の完全性、生命権、健康権なども含まれます。これらのために努力する価値があります」
責任を負うべき 迫害を止める手助けを
クーグラー議員は、中共による法輪功への迫害が複数の人権を侵害していると考えている |
クーグラー議員はオーストリア国民党の人権スポークスパーソンであり、中共による法輪功への迫害が複数の人権を侵害していると考えている。「法輪功が迫害されている証拠があります。私は、さまざまな人権侵害を目にしています。少数グループの権利、宗教の自由、臓器収奪に関連する身体の完全性の権利、そして恣意的な逮捕による自由の制限です」。さらに、「臓器収奪は犯罪行為であり、言葉では表現できません。直ちに停止しなければなりません」と述べた。
過去数年間、オーストリア国会ではほぼ毎年、中共の犯罪を止めるための決議案や提案があり、クーグラー議員もまた、中共による法輪功への迫害を止めるべく何度も声を上げてきたという。一部の西側諸国が中国との経済関係を考慮し、すべきことをしていないのを目にしてきたが、西側は立ち位置を鮮明にするべきだと訴えた。
「私は、いかなる場合でも、私たちが見た問題を公にすべきだと考えています。それが最初の一歩に過ぎなくても、可視化は迫害を受けている人々にとって助けになります」「同様に重要なのは、中国への依存度を減らす努力をすることです。これは欧州経済にとっても重要です」
迫害は中国で起きているが「私たちはグローバル化した世界に生きています。他の場所で人々が苦しんでいるなら、不当な扱いを受けているなら、それは私たちにも関係があります」
迫害を止めることについて、「欧州には責任があります。私は欧州の中規模国家に住んでおり、ここでも責任があります」と述べた。「私たち一人一人が自分の負うべき責任を真剣に受け止めれば、中国はいつかプレッシャーを感じ、妥協せざるを得なくなるかもしれません。そしてそれが迫害を受けている人々の状況を緩和することができるのです」
法輪功への迫害阻止に引き続き尽力
エルナガシ議員は、より多くの人々に中共の迫害の罪を知ってもらう必要があると考えている |
エルナガシ議員は、ここ10年近く学習者と定期的に交流を持っている。「(中共による)法輪功への迫害は組織的であり、政治的にも社会的にも広範囲に及んでいます。中共は法輪功を脅威であり危険であるとみなし、権力を失うことを恐れています。しかし、どこに脅威があるのでしょうか?(法輪功は)ただの平和な功法で、内面(の修煉)に焦点を当てています。ここに大きな矛盾がありますが、そこから私たちは(法輪功の)大きな力と可能性を見ることもできます」
エルナガシ議員は、知り合った学習者に好印象を持っている。当日のイベントへの参加について、「なぜ私たちがこのために尽力するのか、なぜこれがそれほど重要なのかを共に説明できるのは素晴らしいことです。このウィーン市中心部でのイベントもその効果を達成しました」
25年間続いている法輪功への迫害をどのように止めるかについては、「過去数年間、私たちはずっとこのために努力してきました。私はこれを引き続き、議会レベルでの議題にしたいと思います」と語った。また、中国との様々なレベルで接触する中でも、繰り返し取り上げていくつもりだとも述べた。「私たちの国民やメディアの話題にしていきます。同時に、国境を越えた決議案などの方法で具体的に解決を試みます」
迫害でより具体的なものの一つは、中共による臓器収奪である。演説で「彼らが命を延ばすために得ようとしている臓器は提供されたものではなく、自発的なものでもありません。その背後では、政治的迫害のために拘束された人々から組織的に臓器が収奪されているということを、より多くの人々に認識してもらう必要があります」と述べた。そしてインタビューで「オーストリアは政治的圧力をかけることができます。中国で起きているこれらの(中共による)人権侵害をより明確にして広く知らしめ、そして止めさせることができます」と続けた。
学習者の25年にわたる継続的な努力に「敬意を表する」
中共が法輪功への迫害を始めて以来、世界中の学習者がさまざまな方法で、法輪功の素晴らしさと迫害の残酷さを多くの人々に知らせ、共に迫害を止める努力をしてきた。この25年間にわたる学習者の継続的な努力について、クーグラー議員は「非常に勇敢だ!」と考えている。海外にも中共の手先と統制があることをよく理解しており、「(学習者の)立ち上がる勇気、特に自分が危険に遭う可能性があるにもかかわらず尽力し続ける勇気に敬意を表します」と述べた。
イベント中、多くの通行人も署名して支持を表明し、署名を通じてオーストリア政府に行動を起こさせ、中共による法輪功への迫害を止めさせたいと語った。エリンガーさんが迫害停止を求めて署名したのは「支持の表明であり、中国が孤立していないこと、人々が中国に関心を持ち、援助の手を差し伸べていることを示すためです。もっと多くの人が支持すべきです。なぜなら、これ以上続けるべきではありませんから。市民が迫害され、システムが危機に瀕しています」と述べた。学習者の25年にわたる努力を聞いたエリンガーさんは「最大の敬意を表します。結果がどうあれ、彼らは常に堅持し続けています。心からの敬意を」と語った。
公的機関に勤めるザックさんも、学習者の継続的な努力について「非常に驚くべきことです。これは学習者の強い信念の力を示しています。私は彼らを支持します」。ザックさんは「誰も信仰のために迫害されるべきではありません。中共がそうしているのは、本当に不幸なことです。すべてを速やかに終わらせるべきです。迫害は、そもそも起こるべきではありません」と信じている。