【明慧日本2024年9月18日】(中国=明慧記者)明慧ネットが報道した情報の統計によると、2024年7月~8月まで、中国で少なくとも94人の法輪功学習者(以下、学習者)が中共の法曹部門から不当な判決を宣告され、平均年齢は66歳(年齢不詳を除く)であることが判明した。迫害が最もひどい地域は、山東省17人、吉林省14人、四川省11人、遼寧省6人、黒竜江省、湖北省、北京市、雲南省で各5人となっている。
2024年7~8月にかけて、不当判決を宣告された学習者の地域別人数統計 |
2024年7~8月、不当判決を宣告された94人の刑期における人数分布 |
迫害の実例
1、天津市の斉志銀さんに、懲役9年の重刑
天津市武清区上馬台鎮の学習者・斉志銀さん(62歳男性)は、法輪功を学び、真・善・忍に従い、より良い人間になるよう努力し、心身ともに健康になった。
2017年12月28日、天津市公安局は各地区の大勢の警官を出動させ、天津市全域で37人の学習者を連行した。昼12時ごろ、天津市公安局の国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下、国保)、武清支局の国保、豆張庄派出所の警官20数人は、大碱廠鎮の学習者・高玉明さんの家に押し入り、高玉明さん、斉志銀さん、周厚美さん、高建玲さんを連行した。高玉明さんの自宅からは、パソコン、プリンター、ディスクドライブ、携帯電話、現金1万元(約20万円)以上が押収された。同時に、斉志銀さんの自宅も家宅捜索を受けた。
当時、李永泉さん、高立娟さん、黄俊娟さん、呂厚芬さん、高玉明さん、斉志銀さん、楊芸響さん、周厚美さん、金芝さん、何桂栄さん、徐雪麗さん、高建玲さん、馮俊苓さん、董学梅さんの14人に対して逮捕状が発付され、14人は引き続き拘束された。斉志銀さんは武清区留置場に8カ月間拘禁された後、断食して迫害に抗議した。40日後に命の危険に晒されたため「保釈」という形で解放された。その後、天津裁判所は留置場に行くよう召喚状を出したため、斉志銀さんは家を離れ、放浪生活を余儀なくされた。
その後、12人の学習者が実刑判決を言い渡され、罰金を科された。うち李永泉さんは懲役11年、高立娟さんは懲役9年、黄俊娟さん、高建玲さんは懲役7年6カ月、高玉明さんは懲役6年、呂厚芬さんは懲役5年6カ月、徐雪麗さんは懲役4年6カ月、楊芸響さんは懲役4年、周厚美さんは懲役4年、馮俊苓さんは3年6カ月、金芝さんは懲役3年の実刑判決を宣告された。
斉志銀さんは、5年以上にわたって居場所を転々と変わった後、今年2月4日、北京の娘の家から警官に連行され、天津市武清区留置場に拘禁された。
8月上旬、斉志銀さんは7月に地元の裁判所から懲役9年の判決を言い渡されたことがわかった。
2、山東省莱陽市の孫成栄さんは、懲役7年の不当判決
山東省莱陽市山前店鎮宋家荘村に在住の孫成栄さん(50代)は、真・善・忍への信念を堅持し続けたとして、何度も中国共産党(以下、中共)の関係者による迫害を受けた。2022年、孫さんは山前店鎮派出所に行き、法輪功について詳しく説明したが、警官は孫さんに罪を着せようとした。2023年春、煙台市裁判所の関係者らが宋家荘村で孫さんに対する裁判を開いた。
2023年9月、山前店鎮派出所の警官らは孫さんの自宅に押し入り、家宅捜索を行った後、孫さんを煙台市福山留置場に拘禁した。今年2月下旬、孫さんは済南市にある山東省女子刑務所に移送された。宋家荘村の幹部によると、孫さんは裁判所により懲役7年の重刑を宣告されたという。
3、十数種類の病気が完治した張秀琴さんに、懲役6年を宣告
錦州市の学習者・張秀琴さん(61歳)は、幼い頃から体が弱く、病気がちで、生活にも困難が多く、結婚後も夫からの暴力と虐待を頻繁に受けていた。子供を出産した直後に夫と離婚し、何も持たずに幼い子供を連れて実家に戻った。一番辛かった時には、子供と一緒に線路に飛び込んで命を絶とうとしたこともあった。
張さんの母親・蔡桂芬さんも、長年病気に悩まされており、複数の病を抱え、常に薬を飲んでいた。夏でも綿入れの上着とズボンが欠かせなかった。蔡桂芬さんは、1994年に法輪大法を学び始めると、病気はすぐに治った。母親の回復した姿を目の当たりにした張さんは、1997年に法輪大法を学び始めた。すると、長年彼女を苦しめていた十数種類の病気、心臓病、眩暈症、坐骨神経痛、胃病、リウマチ、婦人科疾患、脳疾患、肩の痛み、頸椎病、皮膚病、長期の不眠症などの病気が次々と治り、法輪大法によって新たな命が与えられ、生きる希望が湧いた。
しかし、1999年7月に中共が法輪功への激しい迫害を始めたため、法輪功を続けた張さんは、悪名高い遼寧省馬三家労働教養所に拘禁された。
今年1月17日、張さんは錦州市の鉄東市場近くで、錦州市公安局古塔支局国保の警官に尾行されて連行された。自宅も捜索され、錦州市女子留置場に拘束された。
その後、古塔公安支局国保大隊は張さんの案件を錦州市の管轄下にある凌海市検察庁に提出し、凌海市検察庁は同市裁判所に渡した。
4月11日午前、張さんに対する裁判が凌海市裁判所で開廷された。張さんの代理弁護士と家族は、根拠に基づいた無罪の弁護を行い、張さん自身も無罪であることを主張した。正午12時頃、法廷はその場で判決を下さず、急いで裁判を終了させた。
5月10日、張さんは凌海市裁判所により懲役6年の実刑判決を言い渡され、1万2000元(約24万円)の罰金を科された。張さんは控訴したが、高等裁判所に原審維持を宣告された。8月18日、張さんは遼寧省女子刑務所に拘禁された。
4、所在地区外で連行された呉佳健さんに、懲役6年の不当判決
山東省在住の呉佳健さん(40歳女性)はモンゴル族で、元々遼寧省阜新市に住んでいた。両親は1996年に法輪功を学び、心身ともに健康になり、小学生だった呉さんも法輪功の素晴らしさを知るようになった。
1999年7.20、中共が法輪功を迫害した後、呉さん一家は法輪功を学び続けたとして、中共関係者から頻繁に嫌がらせを受けた。2000年末、両親は地元の警官により連行され、金銭もゆすり取られたため、一家は故郷を離れざるを得なかった。成績が優秀だった呉さんも退学を余儀なくされ、進学の機会を失った。そして一家は数々の苦難と紆余曲折を経て、最終的に山東省莱西市姜山鎮に住み着いた。
2020年11月7日夜18時、身分証明書の確認を名目にした警官7人が呉さんの自宅に押し入った。うち4人は姜山鎮李権荘派出所の警官で、3人の私服警官は河南省洛陽市国保の警官だった。警官らは何の証明書も提示せず、派出所に行って状況を確認すると命じた。当時、呉さんはパジャマしか着ておらず、靴下も履かない状態で連行された。
呉さんは河南省洛陽市の留置場に拘束され、ウィーチャットに法輪功迫害の実態に関するビデオを投稿したとして、澗西区裁判所に起訴された。その後、呉さんの消息は途絶えた。家族は2023年になってようやく、呉さんが懲役6年の実刑判決を宣告されたことがわかった。
呉さんの母親・宋婧舒さんは、娘の突然の連行と長期の情報遮断で、健康状態が悪化し、2022年正月の6日に亡くなり、最期に娘と会うことができなかった。
明慧ネットによると、河南省洛陽市の警察は2019年12月~2022年3月までの間に、管轄地域外で20人以上の学習者を連行し、ネット上で法輪功迫害の実態を伝えたとしてこれらの学習者に重刑を下したことがわかった。
5、山東省沂南県の王洪梅さんに、懲役5年の不当判決
沂南県肥料工場の元従業員である王洪梅さん(57)は、夫を早くに亡くし、幼い息子を頼りに寄り添い合って生活していた。1999年、法輪功が沂南県に広まったとき、王さんは法輪功を学び始めた。それ以来、王さんの心身は大きく変化し、体が健康になっただけではなく、夫の早世によってもたらされた悲しみや抑うつから抜け出した。
王さんは以前、法輪功を学び続けていたとして、留置場、洗脳班、労働教養所で迫害を受けたことがある。2009年1月17日、警官により自宅から連行され、臨沂市の洗脳班に拘禁された。洗脳班で王さんは、精神的および肉体的に二重の拷問を加えられた。その後、3年間の労働教養を強いられ、山東省第一女子労働教養所で、刑務官による電気ショックや睡眠剥奪などの様々な拷問を受けた。
2023年10月24日、王さんは路上で突然、私服警官に連行され、沂南県留置場に15日間拘束された。2023年11月9日は、王さんの不当拘束が満了した日だった。家族が迎えに行ったが、王さんはすでに臨沂市留置場に移送されていた。以来、王さんに関する情報が一切入って来なかった。
そして、今年8月初めに得た情報によると、王さんは沂南県裁判所で懲役5年を宣告され、半月前に済南女子刑務所に送られたことが判明した。
6、吉林省の劉吉さんに、懲役5年の不当判決
吉林省永吉県西陽鎮在住の劉吉さん(73歳男性)は以前、親戚の家を取り壊していたところ、壁が崩れ落ち、全身が内側に押されたため、第3腰椎の圧迫骨折が病院で確認された。劉さんは7日間入院しただけで、家に帰った。その時、医者から、杖をついて歩くのが精一杯だと言われた。劉さんは1998年に法輪功を学び始めた後、長年苦しんだ胃病、腎臓病、五十肩などの病気と怪我の後遺症はすべて消えた。
2023年10月30日午前10時ごろ、永吉県公安局の警官5、6人は、西陽鎮派出所の警官らと一緒に、劉さんの家に押し入り、プリンター、パソコン、法輪功の書籍を押収し、劉さんを県公安局まで連行した。劉さんは不当な取り調べに協力しなかったため、平手打ちをされた。警官は劉さんを留置場に拘禁しようとしたが、身体検査で入所の基準に達していなため、劉さんは当日の夕方に解放された。
今年3月、劉さんは裁判所により懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡された。高血圧のため、入所の条件を満たさず、住居監視下に置かれた。
しかし7月8日、劉さんは再び吉林市船営区裁判所に送られ、懲役5年を宣告された。長年にわたる絶え間ない迫害と嫌がらせを受け続けたため、劉さんは精神的にも肉体的にも大きなダメージを受け、高血圧220 mmHg以上、低血圧120 mmHg以上と医師により診断された。
7、河北石家荘の李暁岩さんに、懲役5年の不当判決を宣告
河北省石家荘市の李暁岩さん(60歳前後)は2004年、偶然の機会と自身の健康問題から法輪功を学び始め、心身ともに健康になった。李さんは健康を取り戻し、心も浄化され、以前の些細なことにこだわる性格が明るく寛大になり、あらゆる面で大きな変化を遂げた。以前の李さんの性格は、気性が荒く、他人を思いやることができず、夫婦間の対立が絶えず、離婚に至った。法輪功を学んだ後、李さんはトラブルの中で自分の欠点を探し、他人に対して寛容で理解できるようになった。また、夫婦の縁を大切にし、妻として優しくあるべきで「もし早くにこれらの道理を理解していれば、離婚はしなかったでしょう」と改めて認識した。離婚後も、李さんは元の姑にも以前と同じように接し、子供や姑の誕生日には、みんなで集まり、お互いに信頼関係を築いている。
2023年7月27日、李さんは石家荘から電車で故郷の吉林省楡樹市に帰省する途中、身分証明書をチェックされて、警官に連行された。
李さんは家宅捜索を受け、石家荘市第二留置場に拘束された後、懲役5年を宣告された。李さんは北京第四高等裁判所に控訴したが、今年5月末に原審維持を宣告された。
8、陝西省の張翠芳さんに、懲役5年の不当判決
陝西省楡林市在住の張翠芳さん(60代女性)は元々体が弱く、子供を出産した後、気管支炎と片麻痺を患い、長期にわたる治療でも改善しなかった。1998年9月、張さんは法輪功を学び始め、その月から薬の服用を止めた。張さんはかつてこう語った。「法輪功は私に第二の人生を与えて下さっただけではなく、家族も救って下さいました。夫はガス中毒で身体が不自由になり、働けなくなり、離婚を考えたこともありました。しかし、私は法輪功を修煉することで、夫を見捨てませんでした」
1999年7.20、中共による法輪功への迫害が始まった後、張さんは法輪功をやめないという理由で、2014年と2017年に2回連行され、懲役1年6カ月を言い渡されたことがある。
2022年8月1日、張さんは法輪功の資料を配布していたところ、楡陽区国保の警官らに再び連行され、8カ月近く拘禁された。2023年5月1日、張さんは3度目の出廷を余儀なくされ、懲役5年の不当判決を言い渡された。
張さんは一家の大黒柱であり、張さんの夫は何十年もの間、妻の介護に頼っていた。今回の不当な判決により、張さんの夫は妻の介護を受けられなくなり、困難な生活に直面している。
9、湖北安陸市の複数の学習者に不当判決
湖北省安陸市では、数人の学習者が不当判決を言い渡された。黄明芳さん(80代)は、今年5月に懲役1年を言い渡され、今なお留置場に拘禁されている。昨年、孫有蘭さん(79)は懲役2年、劉萍さんは懲役3年、魏清珍さんは懲役1年2カ月、何志珍さんは懲役1年を言い渡された。
また、孔久紅さんは今年5月7日、安陸裁判所により懲役7年の判決を宣告された。これに先立ち、4月17日の裁判では、安陸裁判所は4人の学習者・呉秀芳さん(73)、毛翠英さん、徐桂雲さん、施礼英さん(70歳前後)にそれぞれ懲役7カ月の判決を下し、一人当たり3000元(約6万円)の罰金を科した。
10、山東省80代の李景花さんに、懲役3年6カ月の不当判決
山東省淄博市の李景花さん(80)は2022年10月、中国共産党による法輪功への誹謗中傷を信じている人に通報されたため、南定派出所の警官らにより不当に連行された。当時、新型コロナ感染症が拡大していたため、李さんは裁判まで1年間保釈された。2023年、地元の国保により、再び淄博市留置場に連行された。2023年8月、張店裁判所は李さんに懲役3年6カ月と5000元の罰金を言い渡した。現在、李さんは済南女子刑務所に拘禁されている。
中共の法曹機関は学習者への迫害を停止したことがなく、70代、80代の高齢者に対しても手を緩めなかった。以下は、過去2年間に明慧ネットが報道した、不当判決を受けた80代の学習者の一部の実例である。
◎2023年12月5日、江西省南昌市に住む90歳の喩芳庄さんは、懲役6カ月の実刑判決を言い渡され、江西女子刑務所に移送された。冤罪を終える2024年5月20日、地元の司法局と警察関係者は喩さんを再度連行しようと刑務所に向かったが、喩さんの息子は断固として拒否し、タクシーで母親を家まで送った。喩さんによると、刑務所で手錠をかけられ、熱湯による拷問を受け、食事ができないこともあったという。
◎2023年5月、江蘇省常州市の陳仁林さん(当時88歳)は、懲役7年の実刑判決を言い渡され、蘇州刑務所に拘禁された。同年12月、陳さんは刑務所で迫害され半身不随になったが、刑務所はそれでも陳さんを釈放しようとしなかった。
◎2023年9月、甘粛省白銀市の廖安安さん(当時87歳、女性)は、白銀区裁判所から懲役6年6カ月を言い渡された。
◎2023年3月、遼寧省瀋陽市の梁淑智さん(当時86歳、女性)は、遼中区裁判所に懲役3年を宣告され、罰金2万元(約39万円)を強要された。健康上の理由で瀋陽第一留置場は梁さんを受け入れなかった。
◎2023年4月、広東省茂名市の廖玉英さん(当時85歳、女性)は、寝たきりになったにもかかわらず、自宅にやってきた司法人員によって、刑務所外で執行する判決(刑期不明)を言い渡された。
◎2023年8月、湖南省長沙市の周慰群さん(当時85歳、女性)は、長沙市望城区裁判所から懲役2年を言い渡された。
◎2023年8月31日、吉林省吉林市の馮鳳雲さん(当時84歳、女性)は、吉林市昌邑区裁判所に懲役4年を言い渡された。
◎2023年7月上旬、広東省揭陽市の姚静嬌さん(当時84歳、女性)は、地元の裁判所から懲役3年の実刑判決を言い渡され、広東省女子刑務所に拘禁された。