【明慧日本2024年10月28日】第七回「新唐人国際ピアノコンクール」が10月19日午後、ニューヨーク・マンハッタンにあるカウフマンセンターのマーキンコンサートホールで円満に終了した。10月14日から19日までの一週間にわたる激戦の末、ドイツの選手ロバート・ノイマン(Robert Neumann)さんが金賞を受賞し、銀賞は台湾の選手ル・シーイェ(Shih-Yeh Lu)さん、銅賞は台湾の選手タン・シンリェン(Tang Hsing Lien)さん、優秀演奏賞はカナダの選手ジャン=リュック・テリエン(Jean-Luc Therrien)さんと、台湾の選手チン=イー・リン(Ching-Yi Lin)さんが受賞した。
第7回「新唐人国際ピアノコンクール」の授賞式(写真は受賞者とプレゼンター)の様子 |
「新唐人国際ピアノコンクール」は2008年に新唐人テレビによって創設され、これまでに7回開催されている。このコンクールの目的は、純真、純善、純美という正統的な芸術を広め、バロック、古典派からロマン派に至るまでのピアノ音楽の華やかな楽章を再現することにある。また、観客はコンクール指定の楽曲の演奏も聴くことができ、この指定曲は神韻芸術団の芸術総監督D.F.より権限を授け編曲された作品。
コンクールは終始クライマックスであった。木曜日(17日)の準決勝では、出場者は指定曲目の『聖恩』について、「天上の音楽のようで、神性を感じる」と絶賛した。土曜日(19日)の午後には、主催者が2019年新唐人ピアノコンクールの金賞受賞者であるウラジミール・ペトロフ(Vladimir Petrov)さんと、著名なピアニストのキロン・アトム・テリアン(Kiron Atom Tellian)さん、アルセニー・グセフ(Arseniy Gusev)さん、アシヤ・コレパノヴァ(Asiya Korepanova)さんを招き、今回の入賞者5人と共に「受賞者コンサート」を華麗に共演した。
5人の入賞選手はそれぞれが卓越した技を披露し、情感豊かに演奏した。その高い水準と熟練した技術に、会場の観客や音楽関係者は感嘆の声を上げた。
ピアニストのガストン(Gaston)さんは心から感嘆し、「コンサートは本当に素晴らしかったです。すべての選手がとても才能に溢れており、演奏も非常に素晴らしかったです。観客全員が楽しんでいました」と語った。
ピアノ演奏のゲストであるアシヤ・コレパノヴァ(Asiya Korepanova)さんも称賛し、「皆さんは本当に才能に溢れています。演奏には力強さがあり、とても興味深かったです。心から祝福します」と述べた。
金賞受賞者
金賞受賞者ドイツの選手ロバート・ノイマンさん(右) |
金賞受賞者のロバート・ノイマンさんは音楽一家に生まれ、4歳からピアノを学び始める。現在23歳のロバートさんは、「良い芸術作品や楽曲には何か深い内包があり、その内包を把握することで曲の研究にかかる時間が大幅に短縮されます」と話した。
『聖恩』という曲について、ロバートさんは「この曲の素晴らしいところは、伝統的な風格に満ちているだけでなく、曲の構成が非常に精巧である点です」と語っている。形式にこだわるタイプではないものの、彼はこの曲の構成を非常に高く評価し、「演奏者に今どの位置にいるのか、どんな場面を通過してきたのか、そしてどれほど先があるのかを教えてくれます。このことが音楽に意味と品格を与えているのです。現代音楽とは違って、現代音楽は単なる音の効果に過ぎないことが多いのです」と述べている。
「この曲は東洋の民俗的な要素と、西洋の伝統が融合されていて、とても面白く、自然で流れるような哲理が感じられます。暗譜もそれほど難しくなく、リズムもつかみやすいです。伝統的なピアノ音楽とは異なるので、私は特に異なる音色や楽器の組み合わせに注目しました。まるでオーケストラのような響きが備わっている部分が多くあります」
「私にとって作曲家は建築家のような存在であり、彼はこの芸術作品を構築したのです」と話すロバートさんは、「曲の構成や音楽の理解が深まるにつれて、将来さらに多くの深い理解が得られることを期待しています」
『聖恩』という曲が彼に即興演奏の空間を提供し、「ライブ演奏する際に、練習では気づかなかった微妙な部分を発見しました。これがライブ演奏の特別な魅力であり、多くの場面で完全に準備することはできず、その場での即興が求められるのです」と語った。
第七回「新唐人国際ピアノコンクール」で演奏する金賞受賞者ロバート・ノイマンさん |
ロバートさんは、セミファイナルでベートーヴェンの「第101楽章」を演奏できたことを非常に喜んでいる。彼は、「これは素晴らしい楽章であり、形式的にも曲の美しさにおいても、私の心の中ではトップ5に入る曲です」と語った。
彼は、このコンクールに参加したことは楽しい経験だったと言い、「ずっと後でも、ステージでの一瞬一瞬が貴重な財産として心に残るだろう 」と語った。
銀賞受賞者「神聖さと神からの賜りが感じます」
第七回「新唐人国際ピアノコンクール」で演奏する銀賞受賞者の台湾の選手ル・シーイェさん |
台湾の選手ル・シーイェさんは、大会で銀賞を受賞しただけでなく、指定曲の最優秀演奏賞も獲得している。
ル・シーイェさんは、「新唐人国際ピアノコンクール」に参加することが彼にとって特別な意味を持つと述べ、「大会を通じて自分の人生の位置付けを見つけたい」と話した。
彼は6歳からピアノを学び始め、20年間学び続けているという。昨年、彼はウィーン国立音楽大学で修士号を取得し、台湾の義務兵役も終えている。
ル・シーイェさんは、「この機会を利用して、舞台上で新たに自分を見つけ出すことができるかどうかを確認したいのです」と話した。彼はコンクールを通じて自分自身や他の演奏家のレベルをより深く理解し、「自分が果たしてこの舞台に適しているかどうかを確認したいのです」と語った。
『聖恩』の曲を練習する中で、彼は前代未聞の成果を感じたという。「この曲は多くの内容が包含されています。一つの統一した目標があるわけではないように感じますが、確かに中華伝統文化に対するいくつかの感想を感じることができます」
「私たちに非常に多くの自由な表現の空間を与えてくれました」と話す彼は、「『聖恩』という曲はみんなにとって未知の作品であり、私たちが発想と理解を期待し、そして他人に伝えることを期待しています」と話した。
『聖恩』という2文字はル・シーイェさんとって、『神聖と恩賜』の意味と理解しているという。『聖恩』が彼にもたらした最大の感悟は、「微小から偉大へ、個人から一般の人々へという感覚です。最初は焦点が比較的小さいですが、次第に広がり、最後には世界全体や宇宙の万物まで広がっていくのです」と語った。
指定曲目『聖恩』:詩、絵画、音楽が融合し、境地がはるかに奥深い
2018年から、主催者は毎回のコンクールで指定曲を発表している。今年の『聖恩』という曲の旋律は、神韵芸術団の芸術監督D.F.先生の古典曲に基づいている。この曲は神韵芸術団の作曲家・琴媛さんによってピアノ曲に編曲され、人類の五千年の正統文化の境地と深みのある味わいを表現することを目的としている。琴媛さんは「乱世の中で、この曲が人々に素晴らしさと希望をもたらし、神の恩恵を忘れず、感謝の心を持ち続けることを思い出させることを願っています」と語っている。
選手は8週間の時間内に、この曲を暗譜し、熟練させる必要がある。そして、コンクールではそれぞれの技を披露する。
『聖恩』という曲は交響詩の形式を取り、東洋と西洋の音楽、中国の古典詩、北宋時代の山水画の内包を融合させた作品である。
琴媛さんは、楽曲が表現する「神の愛」の内包について、「それは一種の寛容であり、寛大に許すことを含み、間違いを犯すことを許す、なぜなら、人間には善と悪が共存しており、過ちを犯すことは避けられないからです。その後、人々は自分を修正し、再び良い行いをする意欲を持つのです」と語った。
琴媛さんは、『聖恩』についてこう述べている。「この曲は、選手や聴衆にとって利益をもたらす作品です。曲が表現するのは人の短い一生ではなく、先史時代から未来まで、非常に長い時間背景を持っています。これにより、選手や聴衆には大きな想像の余地が与えられます」
「私は、人々がこの曲から出会う試練を積極的に捉えることを学んでほしいと思っています。試練は神が私たちに与えたもので、その目的は私たちをより強くし、さらなる昇華を得ることです——これはとても前向きな考え方です。もし誰もが積極的な視点で世界を見つめるなら、私たちは素晴らしい未来に向かって進むことができるでしょう」
このコンクールは「人の心を揺り動かす」と称賛する音楽家
ジェームズ・バッシさんはニューヨークの多才な作曲家、ピアニスト、音楽監督、そして歌手である。彼の作品は、カーネギーホールやリンカーンセンターなどの著名な会場で演奏されている。この日、彼は友人に誘われて選手の演奏の鑑賞に訪れた。
ジェームズさんは、これらの選手がとても優れていることに驚嘆した。「ここで若いピアニストたちを見ました。彼らの演奏は感動的です。私は謙虚な気持ちで聴き入るしかなく、音楽から多くのインスピレーションを受けました」
ジェームズさんは、ショパンやシューマンなど自分の好きな作曲家の作品をコンクールで聴くことができたという。「いくつかの曲は、私も演奏したことがあります。これらの曲を弾くには非常に高い技術が必要だということを知っています」と彼は言い、この日に演奏した選手を高く評価した。
現代において、伝統音楽が直面している困難についてもジェームズさんは懸念を表明している。「経済状況やオーケストラなどの理由から、現在ほとんどの資金がポップ音楽に流れています。私たち、特に政府を含めて、クラシック音楽にもっと支援すべきだと思います」
「だから、今日ここに世界中の多くの音楽家が集まり、クラシック音楽を広めるために努力しているのを見るのは、本当に素晴らしいことです!」と述べた。ジェームズさんは、新唐人テレビがこのコンクールを開催したことに感謝した。「これらの優れた音楽家や伝統音楽を支持しているすべての人々に心から感謝します」
ピアノの先生「参加者のレベルはかなり高いです」
友人と共にコンクールの決勝を鑑賞したシャロンさんは、7歳からピアノを学び始め、その後大学でピアノを専攻した。卒業後、彼女はピアノの先生になり、すでに10年間ピアノ教育に従事している。
インタビューに応じてくれたシャロンさんは、参加選手一人一人をまるで家宝のように称賛した。「彼らは本当に優秀で、演奏を自在にコントロールし、とても素晴らしい演奏をしていました」
シャロンさんは、「最初の選手は曲を見事に操り、手の動きが非常に精巧で、感心させられました」と語った。また、三番目の選手の演奏したメロディーが好きだと言い、「そのメロディーを聞くと心が軽くなります。彼の演奏はメロディーが明瞭で、私にとって非常に楽しい感覚です。おそらく、彼が選んだ曲自体にも関係があるでしょう」と話した。彼女は、「二番目の選手も素晴らしく、彼のコントロール力も素晴らしいです。彼の演奏も好きです」と話した。
ピアノ愛好者「選手たちの演奏は非常に素晴らしかったです」
ニューヨークのマンハッタン在住のピアノ愛好者のルースさんは、カウフマン音楽センターの会員で、彼女は偶然にピアノコンクールの宣伝カードを手に入れ、「ちょうど時間があったので、チケットを購入しました。彼らの演奏は本当に素晴らしかったです!」と言った。
ピアノはルースさんが最も好きな楽器であり、彼女は高水準のピアノ演奏を鑑賞できる機会に恵まれたことにとても喜んでいるという。「今日はここに来れたことを本当に嬉しく思いました。彼らのレベルは非常に高く、演奏は素晴らしいです」とルースさんは繰り返し称賛した。
ルースさんは、このコンクールを友人に推薦するつもりだという。「音楽、特にピアノが好きな人には、このコンクールより素晴らしいものはないと思います。すばらしいものがあまりにも多くて見きれないほどでした。彼らのレベルと才能は驚くべきもので、勝者を選ぶのが難しく、審査員がどのように評価しているのか、想像もつきません」と話した。