法輪功は中国共産党における人権問題の試金石
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 【明慧日本2025年3月18日】中国共産党は法輪功に対する人権問題において、すでに悪名高い存在となっている。ただし、各国は中国共産党(以下、中共)からさまざまな手段で買収され、もはや法輪功の人権に関して公然と声を上げないことに同意した。

 西側諸国が天安門事件、チベット、新疆問題について報道したりコメントを発表する場合、中共はしばしば抗議や不満の意を表明するが、これらの人権批判を「秘密の手段」で「鎮圧」しているわけではない。

 「遠く離れたチベットや新疆における人権侵害を批判するのは、比較的『安全』です」とコラムニストで共産主義政権問題専門家のトレバー・ラウドン氏は、一部の西側メディアの行動について語り、「これは偽善的な美徳の表れであり『ほら、私たちは人権を支持している』と言わんばかりです。しかし、法輪功に関しては絶対にそんなことはしません。なぜならそれは中共を本当に怒らせることになるからです」と述べた。

 レバー・ラウドン氏は「チベット民族、ウイグル民族に対する暴行を暴露することで海外では注目を集めるかもしれないが、中国国内ではほとんど『不安定化』を引き起こさない。なぜなら、これらの少数民族は中国中心地域における影響力が限られているからです」と述べた。しかし、法輪功は「中国文化に根ざしている」ため、中国人に直接アピール出来ると指摘した。

 中共は「国際社会と足並みを揃える」姿勢を示すため、かつてはAP通信や『ニューヨーク・タイムズ』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『フィナンシャル・タイムズ』といった宣伝工作に利用できるウェブサイトを、中国国内で直接閲覧可能にしていた。しかし、西側メディアによるある程度の人権報道でさえ、中共にとっては苦々しいものだった。そのため、これらのウェブサイトはほどなくして再び中国国内で全面的に封鎖され、アクセス不可能となった。

 特に明慧ネットは、一般の中国人にとって完全に閲覧禁止とされるウェブサイトだ。なぜなら、もし明慧ネットが中国人に自由に閲覧されるようになれば、法輪功への迫害が完全に終焉を迎え、中共の崩壊や真実が明らかになる時が訪れるからだ。

 中共は、国際的と協力して沈黙を守り「法による国家統治」という名目の下、中国の法輪功学習者(以下、学習者)をどのように扱っているのだろうか? 法的な手続きを経ずに長期間拘束できるいわゆる「労働教養所」が廃止された後、判決は直ちに中共による法輪功迫害の主要な手段の一つとなった。それでは、代表的な裁判の例を見てみよう。

 2024年7月30日、遼寧省瀋陽市法庫県で、法輪功学習者・関成林(かん せいりん)さん70歳が真実を伝える資料を配布したとして、中共当局により不当に逮捕された。新民市裁判所で行われた非法的な裁判の過程で、公安機関が提出した「証拠資料」について弁護側が法廷での再生を求めたが、法務官・孔祥来氏および合議廷の関係者はこれを認めず、様々な言い訳を使って再生や証拠確認を阻止した。

 一般的に、法廷において証拠の有罪認定は重要なプロセスだ。どの国の法廷においても、いわゆる「証拠」については何度も確認され、慎重な専門的見解に基づいて最終的な結論を下す必要がある。

 しかしながら、中共の法廷では、公安機関が「有罪の証拠」として扱う証拠が、法廷で公開されることが許されない。

 これらのいわゆる「有罪証拠」とされるものを見れば、何が違法なのかを確認するのは当然ではないか? 実際のところ、公安が手にしている「証拠」と称するものは、学習者が善をすすめ、人々に因果を信じさせ、善行を教えるための話なのだ。裁判官もこれらの真実資料が「有罪」とするには程遠いものであることを理解している。そのため、これらを公開すると法廷の場で説得力を失うのを恐れ、公開することができないのだ。

 中共は形式的には、法律のすべての形式や機関を備えている。制度的には上級法や下級法があり、機関としては裁判所や弁護士が存在している。普遍的価値や人権、法治が広がる国際的環境の中で「国際社会と歩調を合わせる」ために、中共は外見を整え「法に基づいて国を統治する」を掲げている。しかし実際には、法律は中共が独裁と専制を実行するための暴力的な手段に過ぎない。

 「法律なんて話すな。我々は法律を語らない」(西昌市政法委副書記・劉某の発言)「我々は法律を守らない」(成都市富琴街道事務所「610弁公室」(法輪功を迫害する特別機関)の謝世農の発言)……。「法輪功に対しては、殴り殺しても問題なし、死んだら自殺として扱う、身元調査せず、直接火葬する」、「法輪功には法律を適用しない」、「上層部からの指示でやることだ」、「これは政治問題だ」……これが、中共がその公検法(公安・検察・裁判所)、企業や事業団体、街道、さらには小学校から成人に至るまで、中国国内の個人全体に対する統一教育「内部教育」なのだ。

 法輪功の案件に関するすべての指示は、中共の「ゲシュタポ」機関とも呼ばれる「610弁公室」(法輪功を迫害する秘密組織)から、口頭で法廷に伝えられる。学習者が不当に逮捕された場合、この人物が3年、5年、7年といった刑を受けることは、すでに「610弁公室」があらかじめ計画を立て、それを口頭で法廷や関連機関に伝えるという形になっている。なぜ口頭伝達が行われるのかというと、文書、ファックス、電子メールといった手段では命令を下した痕跡が残るためだ。さらに、口頭命令を伝達する際には録音も許されていない。このように、完全に隠密な運用体制が敷かれている。

 表面上、中共はすべての手続きやプロセスが整っており、一見すると正常な法廷のように見えるが、実際には「法律」は単なる飾りにすぎない。この状態は、中共の実態を知らない外部の人々には偽りの印象を与え、その真実を見抜きにくくしている。特に中国に訪れたことのない海外の人々は、自身の慣れ親しんだ正常な価値観をもとに中共を理解しようとし、それが幻想を生む結果となっている。

 中共にとって、学習者に「分裂主義者」というレッテルを貼ることは不可能だ。学習者は、中国全土の各省、市、農村、都市に分散しており、あらゆる社会階層に属している。そして彼らの人数は、中共党員の数を上回っている。特にいくつかのパンデミック(新型コロナ)以降、その存在感が一層強調されている。学習者は「真・善・忍」を原則としており、殴られても殴り返さず、罵られても罵り返さないという姿勢を貫き、常に自らを高い道徳水準、崇高な境地を目指す良識ある人間として律している。彼らの唯一の訴えは、当局による迫害を停止し、法輪功の書籍を自由に読むこと、自由に修練することなのだ。だが、これこそが中共にとって最も脅威であり、最も容認できないことなのだ。この事実は、各国の政治家や知識人に対して、目の前の利益や既存の観念を一時的に脇に置き、個人や国家の長期的な利益に基づいて、真剣に考える必要があることを示している。

 中共は貿易を武器化し、中国本土の様々な市場需要を人権問題と結びつけている。そして法輪功は、中共における人権問題の「試金石(しきんせき):何かの価値や本質を見極めるための基準や判断材料」であると言える。それだけでなく、法輪功の真実を知り「真・善・忍」という普遍的価値を受け入れ、金銭や権力といった条件に縛られることなく学習者の反迫害を支持できるかどうかは、個々の良心と人間性に対する試金石でもあるのだ。

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/3/14/491619.html
 
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