【明慧日本2025年5月3日】アメリカ神韻(シェンユン)芸術団の韓国公演を主催する韓国法輪大法(ファールンダーファー)学会の会長・権洪大氏は3月11日、韓国放送公社(KBS)が神韻芸術団の劇場使用申請を却下した件について、韓国監査院に国民監査請求書を提出した。
KBSは2006年、2008年、2016年に、神韻公演の主催者と釜山及びソウルのKBSホールで使用契約を結んでいた。しかし、中国大使館の圧力によりKBSは一方的に契約を解除し、公演主催者に重大な損害を与えた。KBSの差別的な対応と中国大使館の不当な圧力を阻止するため、また韓国の文化主権を守るため、韓国法輪大法学会は500人以上の法輪功学習者(以下、学習者)や一般市民と共に連名で国民監査請求書を提出した。
韓国法輪大法学会の事務総長・呉世烈氏は、KBSが神韻公演の劇場使用申請を却下した件について、監査院に国民監査請求書を提出した |
神韻公演は国際社会から大きな注目を集めているが、中共は公然と妨害
神韻芸術団は2006年、ニューヨークで設立された非営利団体であり、中国の伝統文化の復興を目的としている。同団体は毎年世界中で巡回公演を行っており、2025年の公演シーズンには8つの団体が同時に世界各地で公演を行う予定で、観客動員数は100万人を超える見込みである。韓国法輪大法学会は非営利機構として、毎年神韻芸術団の韓国公演を主催している。
今回の監査請求の背景について、韓国法輪大法学会の事務総長である呉世烈氏は次のように述べた。「近年、中共による神韻公演への妨害行為が世界で拡大しており、韓国の一部の公務員に見られる親中傾向の腐敗が懸念されています。そのような中で、一部の公務員が政治的中立性を失い、中国共産党(以下、中共)の圧力に屈しているのです。神韻芸術団は、中国の伝統文化を公演で表現し、同時に中国国内で起きている人権侵害を明らかにすることで、国際社会から大きな関心を集めていますが、中共はそれを公然と妨害しています」
呉氏はさらに、「2022年10月、中共の習近平総書記は、海外の法輪功や神韻芸術団に対する弾圧を強化するよう、国家安全部などの司法機関に特別に指示しました。その指示以降、韓国の13の国公立劇場が神韻芸術団の会場使用申請を次々と拒否する事態が起こり、これは米韓外交関係における対等原則に反しています」と指摘した。
また、「KBSは国営放送局でありながら、すでに独立性を失い、中共の圧力に屈して、正式契約後にもかかわらず神韻の公演契約を一方的に解除するという事例が繰り返されています。現在では、KBSは神韻を『ブラックリスト』に載せ、差別的な扱いを続けているのです。今回の国民監査請求の目的は、こうした不公正な状況を是正することにあります」と語った。
中共による韓国文化への浸透を暴露
呉氏は次のように述べた。「現在、韓国は非常事態宣言や大統領弾劾などの政治的混乱を経験しており、中共による韓国社会への浸透が明るみに出て、社会全体に大きな衝撃を与えています。韓国国民の反共感情は急速に広がっており、今回の国民監査の要請は中共の文化的浸透を暴く重要な契機となるでしょう」
韓国の学習者は次のように語った。「過去18年間、中共大使館の妨害にもかかわらず、神韻芸術団は韓国での公演を成功させてきました。これは、公正な公務員の勇気と劇場管理者の積極的な協力のおかげです。中国大使館の介入は韓国の内政への干渉であり、韓国国民の反共感情をさらに強めるとともに、中国自身の国際的イメージを損なうものです。KBSには、今回の監査を機に中共の圧力から脱却し、神韻芸術団に対する不公正な扱いをやめ、国家機関としてのメディアの尊厳を回復してほしいと願っています」
今回の国民監査の要請は、韓国が主権国家として自国の主権を守るための重要な一歩であると同時に、公務員社会の腐敗を正す助けとなり、中共大使館による文化的浸透に対して強い警告を発するものでもある。