河北省の公安、検察、裁判所が冤罪をでっち上げた事実(一)
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 【明慧日本2025年5月14日】河北省石家荘市の正定県裁判所は3月31日、李国英さんに対し不当に懲役5年6カ月の判決を下し、3万元(約60万円)の罰金を科した。1年8か月にわたる過程で、李国英さんを迫害した公安、検察、裁判所の関係者は、彼女が道徳高く善良な女性であり、何の罪も犯していないことを十分に認識していた。それでも彼女は冤罪による虚偽の裁判と判決に直面した。

 発端:李国英さんが法輪功を学んでいると正直に認めたこと

 2023年7月18日夜、李国英さんが仕事帰りに永安村の商店で買い物をしていたところ、突然数人に取り囲まれ、「法輪功をやっているか」と尋ねられた。李国英さんは率直にこう答えた。「私は法輪功の学習者です。真・善・忍に基づいて良い人になることが不当ですか?」

 しかし、相手は問答無用で李国英さんの腕をつかみ、警官を呼んだ。そして、彼女は近くの派出所に連行された。この出来事のきっかけは、村の住民が自宅で法輪功の資料を見つけ、村の幹部に通報したことだった。その幹部が「巡回中」に、たまたま商店で買い物をしていた他村の李国英さんを見かけたのだ。

 刑事警官隊長が私怨を晴らし、不当な家宅捜索で李国英さんを殴打し気絶させる

 派出所に連行された翌日未明、警官は李国英さんに自宅へ連れて行って家宅捜索を行うよう強要し、「これが手続きだ」と主張した。しかし、彼女が自宅に連れ戻されると、驚くべきことに、家のドアはすでに開けられ、室内は電気がついた状態だった。家主が不在にもかかわらず、正定県城区刑事警官中隊の隊長、王暁峰が十数人の警官を連れて、家の中で家財をひっくり返していた。

 李国英さんは王暁峰を見て、彼が自分の通報を知り、私怨を晴らすためにやってきたのだと分かった。実は、李国英さんはかつて王暁峰の妻が経営する衣料品店で働いていたが、法輪功の真・善・忍の原則を守り、良心に反することを拒んだため、店主と対立し、王暁峰の妻に嫌われ、退職せざるを得なかった。その後、別の仕事に就いたが、王暁峰はこれを根に持っていた。

 李国英さんは王暁峰が私的に自宅に侵入し不当な家宅捜索を行っていると指摘した。さらに、過去の確執があるため、この事件から手を引くよう求めた。すると、王暁峰は激怒し、李国英さんに罵声を浴びせ、刑罰を科すと脅し、手錠をかけようとした。押し問答の末、李国英さんは殴り倒され、頭を机の角にぶつけ、その場で気絶した。

 李国英さんが意識を取り戻したとき、彼女はすでに正定県国家安全保衛大隊の部屋に移されていた。どのようにしてそこに連れてこられたのか、王暁峰が何をしたのか、まったく記憶がなかった。

 善良な人がどのようにして冤罪に陥れられたのか? 不当な警官の策略

 李国英さんが目を覚ますと、王暁峰は押収品リストを差し出し、署名と指紋を押すよう命じた。リストを確認した李国英さんは驚愕した。そこには自宅に存在しない物や、すでに壊れて使えないプリンターなど、明らかに彼女の所有物ではないものが記載されていた。さらに、家族による立ち会い確認も行われていなかった。つまり、このリストは王暁峰らが捏造したもので、李国英さんが大量の法輪功宣伝資料を自宅で製作・所持していたとでっち上げ、彼女への迫害をエスカレートさせるための「証拠」だったのだ。

 李国英さんはこの策略を見抜き、「これらは私の家のものではない」と署名を拒否した。さらに、夜中に派出所の警官より先に家宅捜索を行ったのは、県公安機関の責任者の承認を得た合法な手続きがない不当行為であり、この押収品リストは無効だと主張した。

 すると、王暁峰は再び激昂し、罵倒しながら李国英さんの手をつかみ、指を無理やり開かせ、別の警官にインクを持たせて、強引に押収品リストに指紋を押させた。これにより、王暁峰は李国英さんを陥れるための重要な「証拠」を手に入れた。

 その後、王暁峰らは永安村から2人の村幹部を呼び、彼らに目撃証人として供述調書を作成させた。さらに、十数枚の法輪功資料を集めて写真を撮影し、当夜、李国英さんの腕をつかまれた場面の携帯動画を入手。これらを組み合わせ、石家荘市公安局政治保衛支隊に提出し、「邪教宣伝品認定書」を取得した。

 これらの工作を終えた王暁峰らは、事件を正定県検察院に移送し、刑法第300条を根拠に李国英さんを起訴するよう求めた。

 この間、王暁峰らは李国英さんの娘から現金1000元をゆすり取り、「李国英を県病院で検査するための費用で、家族が負担すべきだ」と主張した。しかし実際には、李国英さんが殴られて気絶した後、一切の治療は行われていなかった。

 検察官が冤罪づくりに加担、李国英さんが不当に起訴される

 事件は正定県検察院の検察官・田燁の手に渡った。検察官として、田燁は警官が提出した起訴理由、証拠、証人、証言などを審査し、虚偽の証拠や誤った理由を排除し、冤罪を防ぐ責任があった。しかし、田燁は検察官の職務と原則を無視し、警官から提出されたすべての資料を無条件で受け入れ、事実を検証せず、法的根拠も問わず、監督や審査を怠った。法輪功関連の事件であるというだけで、彼女は無感覚に起訴手続きを進め、冤罪の製造に加担した。

 全国各地で法輪功学習者を陥れるケースと同様、田燁は石家荘市公安局政治保衛支隊の「認定書」を見ると、警官の提出した証拠の真偽や有効性、捏造の有無を一切検証しなかった。冤罪を生み出すことを知りながら、冷淡に参加し、推進したのだ。

 また、全国の法輪功学習者を陥れるケースと同様、田燁は李国英さんを「刑法第300条」、すなわち「邪教組織を利用して法律の実施を妨害した罪」で起訴した。この罪状が李国英さんに適用可能か、誤用ではないか、人命を軽視するものではないか、彼女の良心が咎めることはなかったのか、彼女は全く顧みなかった。

 証拠が不十分で、罪状と証拠の関連性がないことを知りながら、彼女は李国英さんを裁判所に起訴した。

 正定県裁判所は李国英さんの案件を受理した後、2024年3月6日と3月21日にそれぞれ不当な公判を開いた。検察官・田燁は法廷で一切の証拠を提示せず、それでも量刑を提案し、李国英さんを陥れ、冤罪を製造した犯罪者の一人となった。

 弁護士が法廷で本件の捜査員の犯罪を指摘、検察官と裁判官は黙り込む

 李国英さんが冤罪で連行された後、親戚や友人が次々と手を差し伸べ、彼女の救出に奔走した。皆の支援を受け、李国英さんの娘は正義感ある弁護士を雇い、法輪功学習者のために法に基づく弁護を勇敢に行う人物を選んだ。この弁護士は事件の詳細を把握した後、法廷で李国英さんの無罪を理路整然と弁護した。

 弁護士は厳然と次のように指摘した。「本件では、公務員による複数の犯罪事実が明らかになっている。捜査員は不当に市民の住宅に侵入し、被告に捜索令状や警官証を示さず、被告を殴打して気絶させた。捜査員は独断で証拠を捏造し、供述調書を偽造した。関連する書証や物証を被告に確認させず、適切に封印せず、引き渡しも杜撰だった。捜査を担当した警官・王暁峰は被告と面識があり、回避すべきだったにもかかわらず、被告を殴打した。王暁峰は被告に背錠をかけ、食事を与えず、強引にしゃがませて頭を机の脚にぶつけ、気絶させた。被告は負傷後、長い間記憶力が低下したと述べている。これらの警官は、故意傷害罪などに該当する。被告は信仰者として、召喚、拘束、手錠、強制裁判を強いられ、客観的に市民の信仰の自由を侵害されており、関係者は信仰の自由剥奪罪を構成している」

 弁護士はさらに次のように指摘した。「本件は以下の点で不当である。1. 立件が不当。警官と検察官が提出した所谓の証拠は、立件基準を満たしていない。2. 捜索が不当。家主不在の状況で、捜査員が強引に住宅に侵入し、被告を殴打して気絶させた。これは市民住宅への不当侵害罪に該当する。警官が家宅捜索という、法治社会で軽蔑される方法で『事件を解決』し、当事者を陥れ、人権と法律を踏みにじるのは、まさに裏社会の犯罪行為だ。3. 起訴手続きが不当。起訴審査中、被告と弁護人は関係者の不当行為を検察官に報告したが、検察官は目をつぶり、問題があるまま起訴した。4. 裁判が不当。弁護人は『不当証拠の排除申請』『証人の出廷申請』『捜査員の出廷申請』などを提出したが…」

 弁護士による弁護の間、検察官と裁判官は聾病を装って沈黙した。合議庭も応じなかった。

 (続く)

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/4/25/492943.html
 
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