江蘇省リツ陽市の製薬会社で臨時職員をしている法輪功修煉者・向有為さんは、2011年9月6日深夜、現地の派出所の警官により、秘密裏に身柄を拘束され、リツ陽市留置場に拘禁された。
向さんの母は9月20日、実家の四川省重慶市から千キロ離れた江蘇省リツ陽市の派出所を訪ねた。警官は向さんの母に「あなたの息子を連行したのは国保(国家安全保衛)大隊長・蔡進の指示を受けたからだ」と言った。そこで向さんの母は、蔡に「なぜ、息子を連行したのですか? 何の罪を犯したのですか?」と聞くと、蔡は「それは秘密だ、お前には教えられない」と答えた。
向さん(26歳男性)はかつて重慶市万州区に住んでおり、重慶市三峡学院の大学生だった。向さんは1999年の正月、13歳の中学生のときに法輪功の修煉を始めた。当時、向さんは『転法輪』を1回読み終えて、母に「とても良い本です。早く出会えばよかったです」と言った。それから向さんは、『転法輪』に書かれた道理に従い、自分を律し、優秀な学生になった。高校を卒業した向さんは、コンピュータ専攻の三峡学院に進学し、大学では優秀学生として学生会の宣伝部長に選ばれた。
しかし、向さんは2004年7月21日夜、法輪功を学んでいるという理由で、学校の寮にいたところを警官に身柄を拘束された。警官らは向さんを24時間尋問したが、何も得られなかったため、向さんを万州区洗脳班に拘禁した。その後、向さんは自力で洗脳班から抜けだしたが、放浪生活を余儀なくされた。
三峡学院側は万州区公安局の圧力の下で、向さんの大学の同級生や友人に向さんの居場所を訊ね、「向有為には重い政治問題がある」と嘘をつき、「もし、彼を見かけたら、すぐ警察に通報するように」と命じた。万州区公安局の警官も法輪功を修煉していない向さんの父に「息子の居場所を言え」などと数回恐喝した。
その後、重慶市610弁公室は、向さんはコンピュータを専攻しており、若く、コンピュータの技術をよく知っていると国家公安部に報告した。そのため、向さんは指名手配され、懸賞金6000元をかけられた。
2005年9月28日、向さんは重慶市渝北区の街で不当に身柄を拘束された。警官は向さんのノートパソコンを没収し、7日間にわたって向さんに自白を強要した。向さんは10月5日に渝北留置場に拘禁された。
2005年12月22日午後、渝北区裁判所は向さんに対して裁判を行った。向さんの両親は法廷に駆けつけて傍聴した。法廷で向さんは「法律の実施を破壊した罪」を犯したとして起訴されたが、向さんはその場で偽りの証拠を否認した。
2006年3月23日午後、向さんは留置場で裁判所から懲役4年を宣告された。向さんはすぐに上訴した(結果は不明)。
2009年9月、向さんは刑務所を釈放された。その後、向さんは江蘇省リツ陽市に行き、ある製薬会社で臨時職員として勤めていた。会社で向さんは『真・善・忍』の基準に則って自らに要求し、会社の上司と同僚からとても良い評価を得ていた。
しかし、2011年9月6日、リツ陽市の公安局の国保大隊は派出所の警官に指示し、何の理由もなく、何の証拠もないまま向さんの身柄を拘束したという。
(注:法輪功修煉者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)