子供の鬱病はこうして良くなった(二)
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文/遼寧省の大法弟子 迎春  

 【明慧日本2021年2月11日】前文に続く

 四、内に向けて原因を探す、柳暗花明

 師父は、私がどこに原因を探すのかどうしても悟らないのをご覧になり、午後の空き時間を利用して、私と仲の良い1人の友人の口を借りて、私のどこに問題があるのかを啓示して下さいました。最初は自分の問題を認めなかったのですが、だんだんと受け止められるようになり、一つ一つ正していくうちに、自分の執着心を見つけることが出来、久しぶりに修煉を始めた時の感覚が戻りました。

 まず私を指摘した家族や友人に納得出来ました。友人が挙げたのはマンデラ(世界で最も有名な政治犯から、南アフリカ初の黒人大統領になった政治家の例で、大統領就任式のとき、年老いたマンデラが立ち上がって演説し、世界各国の要人を歓迎して「こんなに多くの客人を迎えられて、私はとても光栄です。また私がロベン島で苦しい歳月を過ごした当時、付き添ってくれた3人の看守もここにいることを更に嬉しく思います」と言い、それから3人を紹介し、1人ずつ抱擁しました。マンデラは監房から出て、自由の門をくぐるあの瞬間、もし自分の悲しみと怨みを捨てられなければ、まだ刑務所にいるのと同じだということがはっきり分かったと言いました。政治家の驚きの言葉は、彼を27年間虐待した3人の看守を恥させるだけでなく、その場にいた全ての人は尊敬の念に打たれ、絶え間ない拍手を送りました。政治家は27年間自分を苦しめた看守に頭を下げ、「若い頃は短気で気が荒かったが、彼ら3人の助けを借りて、刑務所の中で自分の情緒をコントロール出来るようになりました」と感謝の言葉を述べたのです。

 刑務所での苦しみは、マンデラの魔難に対する対処能力を増強しました。それは良いことではありませんか? 息子のこの状態は一見すると良いことではありませんが、しかし心性を向上する機会です。家族らが私を指摘したことで、私の怨む心を水面に出させ、それを私に気づかせて取り除かせ、自分が傷つきたくない心を取り除き、業力を消去して心性を高める大きな良い機会なのに、私はなぜ彼らを怨むのでしょうか? これは自分が以前良く出来ていなかったから引き起こしたことではないでしょうか? 以前は誰かが私に良くないことを言えばその人を恨み、会いたくなくなりました。特に他の人が私のせいで大法に対して不満を言う時は、少し言われただけで爆発し、大法を最大の口実にして自分の執着心を覆い隠し、内に向けて探さず、家族と友人が大法を尊重していないと怨みました。

 私は後天的に養った傲慢さで、大法を口実にし、家族に感謝しませんでした。3年間の刑務所で、私が不在だったので、家族に助けを求めるのは仕方のないことですが、しかし子供を3年育てた家族の代価は大きく、とても苦労したのは確かです。子供の食事を欠かさず作り、保護者会に参加し、名門高校に受かり、大学に受かりました。私はそれが全て師父の按排で、師父が手伝って下さったからだと思っていました。しかしやはり常人の手伝いがあって実現したのです。私は自分を変えようと決心し、傲慢な態度を取り除き、家族の立場に立って問題を見て、お高くとまった傲慢な心や、自分の間違いを認めない心を取り除きました。そして家族に対し心から感謝の気持ちが出た後、家族はだんだん私を指摘しなくなりました。

 友人はまた私に、子供に謝るべきだと言いました。このことが子供に多くの面倒をもたらしたことを認め、私が100%責任をとるべきだと言いました。私は息子の難は彼の運命の中の難であり、この魔難は息子を鍛えており、彼を成就させるためだと思っていました。私はずっと修煉の理を用いて彼に要求し、当時14歳で中学2年になったばかりだった子供の身になって考えず、突然の環境変化によって息子の心身に害をもたらし、息子の修煉に思いもよらない困難をもたらしました。皆が息子を監視し、大法に接触させないようにしました。しかし息子は4歳から修煉の基礎を築いたので、あのような劣悪な環境下でも毎日記憶にある『洪吟』を思い出し、私の父の家に行く機会があれば『轉法輪』を読み、それを充電だと言いました。師父のご加護の下、息子はあの時の異常だった歳月を過ごし、一時的に学習成績が下がったもののまた回復し、教師から「最優秀進歩賞」を授与されて、最後に進学校に受かったのです。高校の帰りに刑務所の私を訪問した時、「転向書」を書かないように言ってくれました。自分は今けっこう調子が良いと言い、私が家にいなくても影響はないからと言い、「転向」して早く帰ってくる必要は無いと言ってくれました。

 このような子供に私は感謝すべきではありませんか? 私は子供にもたらした害を謝るべきではありませんか? 以前いつも「事はもう起こったのだから、私にどうしろと言うの? 謝ってもあの事はすでに起こったことでしょう? 私は彼の母親だし、別に人に顔向け出来ない事をしていないのだから、謝る必要がありますか?」と思っていました。 かつて息子に謝りましたが、しかしそれは表面だけで、心からのものではありませんでした。やはり偉そうな心を放下出来なかったのです。

 私は息子に心から謝罪する手紙を書き、息子の状態はかなり良くなりましたが、しかし完全には良くなっていませんでした。

 それから別の仲の良い友人から電話で、「あなたは政権政党に対する怨みはありませんか?」ときかれました。「ああ、私はまだ怨みの執着を探せていないんだ」と思いました。息子の毎回の「発作」はいつも大きな咳払いからで、遠くまで聞こえ、人をぞっとさせるその音は明らかに息子の物ではなく、他の空間の生物が息子を制御して出させていました。あの声を聞くと「恨」という字のようでした。

 今回私は根本的な原因が見つかったような気がしました。目の前のきつく閉まったドアが開いてぱっと明るくなった感じでした。私は「なぜ怨むのか?」と思いました。それは自分を守り傷つきたくないからです。

 師父は「もし修煉者が表面で放下しているだけで、内心ではまだ何かを守り、固守していて、自分の最も本質的な利益が傷つけられないようにしていれば、皆さんに教えますが、これは偽りの修煉です! 自分の心を改めなければ、少しも向上することができず、これは自らを騙しているのです。真に内心から向上することだけが、本当の向上なのです」[1]と説かれました。

 昔の数年間を思い出してみると、私は本当に一步も真に向上しておらず、全て表面だけ修めていて、着実に修煉していませんでした。現在私は毎回の発正念のとき、怨む心を重視して取り除き、だいぶ淡白になったように感じています。修煉の中で、怨む心が出たとき、私はすぐにそれを発見し取り除けるようになりました。常に師父の『洪吟四』の中で説かれた「恨み言を言わず あなたの善を守って」[2]を念じています。自分が正しくなるにつれて、笑顔がまた私の顔に戻ってきました。最も良い状態に達したまでとは言えませんが、しかし明らかに進歩しました。

 ここまで話して皆さんはすでにお分かりかと思いますが、子供の鬱病は現在完全に良くなりました。私が自分を正してから、息子は知らず知らずのうちに良くなっていきました。家族と友人がこのことを話すとき、まるで夢を見ていたかのように皆不思議に思い、(息子が)突然発病し、少しの痕跡も残さず急に良くなって、息子の過去に鬱病があったとは全く分かりません。

 皆はようやく子供のために心配していた心の荷が下りて、とても喜びました。現在息子はまた楽天的に学校に通って、好きな専門科目を学び、期末テストで素晴らしい成績を取りました。さらに学法も出来るようになり、時には私を手伝って大法の事をすることもあり、何事も穏やかになりました。

 まさに師父が説かれた「どんな出来事や厄介なこと、不愉快なことに遭っても、または誰かと衝突した場合、必ず自分を省みて自分を探すべきです。このようにすれば、あなたは解決されないその問題の原因を見つけることができます。多くの人が以前の気功ブームの時に、自分自身の場が外まで影響することができると知っていますが、実はそういうことではなく、自分が間違っており、宇宙の特性にそぐわなくなったから、周りの全てがあなたと協調しなくなったのです。このような関係です。自らそれと協調できるようにすれば、全ては順調になります。こういうことです」[1]の通りです。

 (完)

 注:
 [1] 李洪志師父の経文:『北米第一回法会での説法』
 [2] 李洪志師父の詩:『洪吟四』「あなたの迷いを解き開く」

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2021/1/22/416981.html)
 
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