文/黒竜江省の大法弟子
【明慧日本2021年9月15日】娘は大学卒業後、他の都市のある企業に就職しました。私は時々彼女を訪ね、1~2カ月滞在して急いで帰宅していました。時に、彼女は涙を流して一生懸命に引き留めてくれましたが、地元の修煉環境から離れたくなく、私はやはり自宅に戻りました。
今回は娘が2人目の子供を妊娠していることもあり、仕方なく、私は再び娘の家に行きました。しかし、地元では同修たちが衆生を救うプロジェクトを始めたばかりで、コンピュータのシステムメンテナンスを見てほしい同修もいて、私はすぐに戻ろうとずっと考えていました。
しかし行ってみると、娘の家の状況がめちゃくちゃになっていることが分かりました。出産を2カ月後に控え、娘は心身ともに疲れ果てて精神崩壊に近い状態で、少しでも気に入らないことがあればすぐに泣き叫んでしまい、姑との関係も良くありませんでした。姑は婿に離婚を勧めるほどでした。しかし、夫婦の関係は良好で、離婚しないと決めていました。表面的には娘の義父母は世話をしてくれているようでしたが、実際はこっそりと娘夫婦間のトラブルを煽っていました。娘は私に苦しみを訴え、私が修煉している関係で家庭が何度も迫害に遭い、さらに父親(私の夫)の死にもつながったと、私への不満や恨みでいっぱいでした。
突然の出来事で私は戸惑い、その数日間、修煉状態が最悪になり、今までに経験したことのない困難を感じました。長年修煉してきて、これが未だに取り除かれていない自分の執着心がもたらしたことであり、突破しなければならない障害が多くあることを深く認識しました。苛々して心が乱れ、いつもの修煉環境もないため、私は数日間煉功も学法もできず、体にも正常でない状態が現れました。
私はできるだけ心を静めて、内に向けて探しました。師父は、「以前既に話しましたが、実は常人社会で起きた全ては今日においても、皆大法弟子の心によって促成されたのです。旧勢力が存在していますが、皆さんにその心がなければ、旧勢力も為す術はありません」[1] とおっしゃっておられます。見守って下さっている師父は私に、心性を向上するように啓発されているのだと思いました。正念をしっかり持って気を引き締め、一日も早く元の生活に戻り、毎日三つのことをきちんとしなければならないと考えました。
心を整え、内に向けて探してから、私の体は正常に戻りました。三つのことをきちんと行うには、十分な時間が必要です。しかし、自分の家とは違って、ここでは子供の世話やご飯の用意、食料品の買い出し、さらに多くの家事もあり、私の多くの時間とエネルギーが奪われていました。何があっても気を緩めてはならず、睡眠時間を削ってでも三つのことを行わなければならないと思った私は、法を暗記しようと考えました。
当時の状況に合わせて、私は『洪吟五』の暗記から始めました。暗記するためのまとまった時間がないため、私は道を歩いているときや乗車中、あるいは買い物中に法を暗記していました。その後、娘が住み込みの乳母を雇ったことで、私に時間的余裕ができました。
『洪吟五』を暗記し始めてふと気づきましたが、明慧ネットが『洪吟五』を発表したばかりの頃、やることが多くて、数日後に落ち着いてから真面目に勉強しようと思い、随分時間を無駄にして、今になって初めて暗記することになりました。こう思うと、師父の慈悲なるご済度に申し訳ないと、深く後悔の念を覚えました。
『洪吟五』を暗記し終えた後、多くの悪いものが取り除かれて、学法と煉功の状態が以前より良くなっていて、心性も急速に向上していると実感しました。師父が『洪吟五』の随所で現代の変異した観念や無神論、進化論に言及されているのは、私たちの身体にまだ残っている邪党文化の毒素を取り除くためだと理解しました。師父は弟子たちの修煉における向上のために法を説かれているのに、悟性が悪い私は今になって、やっと法を暗記し始めています。
修煉において大きな突破ができたと感じていた中、娘は突然、高給を取っていた会社を辞めて独立することに決めました。私は修煉の不思議を感じました。なぜなら、娘の以前の仕事は、一日中インターネットを見なければならず、それがどれだけ人に影響を与えるかは想像できます。私は彼女の離職に大賛成でした。それは娘にとっても大きな突破口であり、挑戦でもありました。娘は、それまでの仕事環境と実生活とのギャップが大きく、正常な心理状態に戻るまでしばらく時間がかかると言いました。私は心の底から、『洪吟五』を暗記したことで、自分の多くの党文化や現代の変異した観念が取り除かれて空間場も浄化されたため、家族がそれによって恩恵を受け、娘もその大きな汚い染め物がめから出ることができたと思いました。
暗記することで冷静さと分別が身についた私は、昔の自分がはっきりと見えてきました。自分を見せたく、自身を実証したい執着心に駆られ、多くの大法の仕事をこなしたい心を膨らませ、『洪吟五』の暗記よりも、仕事をこなすことを最優先にしていた私でした。
娘の家にいる間、私は真相の手紙を書いて、全国各地の迫害に加わっている公安局、検察局、裁判所に送っていました。通常、私は朝の時間を利用して1日に1通の手紙を書き、週に一度郵送することにしていました。時には、現地の同修と一緒に真実を伝え、迫害を暴露するプロジェクトにも参加しました。
その間、私は娘にも大法の真実を伝え、過去に大法について悪口を言ったことを大法の師父に謝罪するための「厳正声明」を書くことを勧め、娘は同意しました。程なくして、自分の「厳正声明」が明慧ネットで掲載されたと聞き、娘は嬉しそうでした。その後、娘の会社設立の手続きは順調に進み、開業してまもなく大きな収入を得ることができて、家庭の経済状況も大きく改善されました。
『洪吟五』を暗記し終えてから、私は『論語』を暗記し始め、『轉法輪』の通読も始めました。子供を寝かすときは両手で子供を抱いて他のことができないため、私はいつもこの時間を利用して『論語』を暗記し、歩いているときや車に乗っているときに暗唱することもありました。そのときはどんな心境であっても、『論語』を暗記し始めるとすぐに幸せな気持ちになっていました。
私が来たことで、娘の義父母は自分の家に帰らざるを得なくなり、陰で息子にこう言ったそうです。「お手伝いさんとおばあちゃんを呼んできて、私たちはどうするの!?」。実際、私は何度も「帰りたい」と言いましたが、娘や婿は「帰ったら義父母が来て一緒に住むことになり、暮らせなくなります。もしかすると離婚してしまうかもしれない」と言いました。しかし、娘と婿には離婚の意向が全くありません。義父母が息子に離婚を迫った理由は、娘が結婚詐欺をしていると思ったからでした。娘は怒りのあまり、涙を流しながら私にこう言いました。「一生懸命良くしてあげているのに、こんな扱いを受けて、本当に悲しい」
娘のこの言葉を聞き、私も腹が立ちましたが、よく考えてみると、「私は修煉者なので、常人の基準で物事の良し悪しを測ってはならない」と思いました。そこで私は娘に、「怒らないで、向こうがお金を欲しければお金をあげて、家が欲しければ家をあげよう」と言いました。これを聞いた娘は心が穏やかになり、自分の意思として義父母に伝えました。その後、義父母は却って娘と私に謝り、お金のことを二度と口にしませんでした。
騒ぎはこうやって収まりました。
さらに内に向けて探していくうち、ある日突然、心の窓が開いたように見え、そこを通して、私は今までなかなか手放せなかった執着の多くが、強い後天的な自我とつながっていることがはっきりと見えました。今までに感じていた悔しさも本当の自分ではなく、その利己的な後天的な自我が感じていたのだと分かりました。それがずっと私を牛耳って、私の顕示心や自分を実証したい心などを徐々に拡大させ、私の脳まで支配していました。私が感じていた各種の不公平感や苦痛、怒りもすべて、その強い後天的な自我によって引き起こされたと分かりました。
それ以来、昔拘っていた物事に対する私の気持ちが淡々となり、自分が新しく生まれ変わったような気がしました。不公平な待遇を受けても、私は落ち着いた気持ちで自分の意見を述べ、時には心を動じることなく見過ごすこともできました。少しずつですが、娘の家はよい循環になっています。娘はこれまでの不仲を忘れて義父母を敬い、義父母も大きく変わってきました。
注:
[1] 李洪志師父の著作:『各地での説法二』「二〇〇二年米国フィラデルフィア法会での説法」