【明慧日本2022年2月22日】(明慧記者=英梓)2022年の北京冬季オリンピック期間中、米国、カナダ、英国の国会議員が中国共産党(以下、中共)による生体臓器収奪の残虐行為を非難し、法整備による撲滅の必要性を強調した。
中共による違法な臓器収奪の犯罪は、医療関係者、議員、政府の要人、メディア、国際機関、市民社会から、ますます多くの国や地域の人々の注目を集めている。 多くの国や地域で、中共による臓器収奪の残虐行為を制裁する決議や法律が採択されている。
北京冬季オリンピック開幕日、 英国議会が中共の生体臓器収奪の犯罪を非難
北京冬季オリンピックの開幕日である2022年2月4日、英国貴族院(上院相当)は、中共が法輪功学習者や新疆ウイグル族などから臓器を強制収奪し、人道に対する罪を犯していると非難し、「人体組織法2004」について2項目の修正案を審議した。
この日、英上院議員のフィリップ・ハント卿が提出した修正案265号と282号を中心に議論した。この2項目の改正は、英国人が臓器移植のために中国などの国に渡航しないようにすることと、中国からの人体の不思議展を止め、英国人が中共の強制臓器収奪に加担することを防ぐことを目的としている。
2019年10月29日、ロンドンの貴族院で演説するフィリップ・ハント卿 (写真提供:Parliamentlive.tv 動画のスクリーンショット) |
フィリップ・ハント卿は討論会で、「注意すべき点は、大連の労働収容所が1999年から2013年まで、法輪功学習者に対する残酷な迫害で悪名高いことだ」、「あらゆる形態の人体臓器の商業的な搾取は非道徳的で不名誉なことであり、それが専制国家の大量殺人と結びついたとき、我々は傍観しているわけにはいかない」と述べた。
ハント卿は、「我々は、この忌まわしい行為を止めるために、国際的にも英国内でも、できる限りの行動を取らなければならない」と述べた。
ハント卿が提出した2項目の修正案は、多くの議員に支持されている
英国医師会倫理委員会の選出メンバーであるバロネス・イローラ・フィンレイ男爵夫人は、「これらの修正案を強く支持する」との意思を表明した。彼女は、「誰もが彼らを支持しない理由は見当たらない。彼らは基本的な倫理基準を定めているのです」「昨日、ある女性から手紙が届きました。法輪功学習者である母親が刑務所に入れられ、その後失踪しました。母の居場所もわからず、母の消息もつかめない。 これは中国全土で起こっています」と語った。
貴族院議員であるリバプール・アルトン卿も修正案への支持を表明している。彼は、ハント卿に対して、英国が人類に対する最大の犯罪のひとつに永遠に加担しないようにするための粘り強い努力に感謝を述べた。
アルトン卿は、中共の元指導者・江沢民が「610弁公室」を設置し、「法輪功の撲滅」を命じ、法輪功学習者たちを強制臓器収奪の主な被害者にしたことを非難した。
アルトン卿は、「北京で 『集団撲滅作戦』が開催されている今、我々は貴族院でこのタイムリーな議論を行うべきです。1936年にナチスがベルリンで大会を開催して以来・・・、我々はオリンピックの理想がこれほどまでに誹謗中傷されたのを見たことがありません」と述べた。
貴族院議員で王立外科医学学会の前会長であるバーナード・リベイロ卿は、中共がウイグル人の心臓、肝臓、腎臓、角膜などの臓器を摘出する犯罪を続けていることに懸念を表明した。彼は今年1月、英国医師会がこのような人権侵害や大量虐殺に中国人医師が関与していることを非難し、同会が英国政府に対して、中共に圧力をかけ、こうした非人道的行為をやめさせ、国連調査団の新疆地区への立ち入りを認めるよう求めたことに言及した。
バロネス・ノースオーバー男爵夫人は、両改正案に明確に賛成している。彼女は、独立人民法廷の判決やその他の豊富な証拠に照らして、「生きたままの臓器摘出について、我々は知らないとは言えない」と述べた。
彼女はまた、「スペイン、イタリア、ベルギー、ノルウェー、イスラエルなど多くの国が、(国民の)中国への臓器移植ツーリズム(旅行)を阻止するための措置をとっている。我々も必ずそうすべきです」と述べた。
貴族院議員のパトリック・コーマック卿は、「私はただ、この修正案を全力で支持することです。人体の臓器売買より卑劣な取引はなく、今、中国で行われている恥ずべきオリンピック開催に伴う卑劣な行為はない」と語った。
このほか、ソーントン男爵夫人は、修正案265よりもさらに踏み込んで、英国はフランスに倣って人体の不思議展を全面的に禁止する法案の提出を示唆した。
カナダ国会議員「今こそ議会は(生体臓器収奪反対の)法案を可決すべき」
北京冬季オリンピック開幕日の2月4日、カナダ保守党のガーネット・ジェヌイス議員はメディアのインタビューで、カナダの国会議員がカナダ政府に対して、中共によるジェノサイド(大量虐殺)を認め、マグニツキー法を用いてジェノサイドに関与した中共の幹部への制裁を要請していることを明らかにした。
北京冬季オリンピック開幕の日、カナダのガーネット・ジェヌイス議員がオタワの中国大使館前で中共のジェノサイドを非難した(写真提供:大紀元時報) |
カナダの総選挙の後、新たな臓器収奪禁止法案(S-223)がカナダ上院を通過し、下院での審議に入っている。
これまでカナダでは、2008年に自由党のボーリス・フシスネブスキー(Borys Wrzesnewskyj)議員、2013年に自由党のアーウィン・コトラー議員、2017年と2020年に保守党のサルマ・アタウラジャン上院議員とガーネット・ジェヌイス議員など、複数の国会議員が臓器移植不正行為に対する類似する法案を提出している。すべての政党が支持したにもかかわらず、法案は完全な承認プロセスを経ず、前国会の解散までに法制化されることはなかった。
ガーネット・ジェヌイス議員議員は、「今国会で確実に法案を成立させる必要がある。法輪功学習者やウイグル人などに対する生きた臓器収奪の残虐行為は今も続いている。今こそ議会が歩み寄り、法案を成立させる時期に来ている」 と述べた。
カナダ上院で可決された新しい臓器収奪防止法案は、強制的に摘出した臓器を移植するために海外に渡航するカナダ人を犯罪者とし、臓器売買に関与する者のカナダ入国を禁止することを目指している。
米国会議員「臓器収奪は、歴史的なジェノサイドよりも悪辣である」
米下院議員スコット・ペリー氏は2012年2月2日、英語版新唐人テレビ「国会レポート(Capitol Hill Report)」のインタビューで、中国でのジェノサイドは歴史上のナチスの大虐殺よりも悪辣であると述べた。
2月2日、新唐人テレビのインタビューに応える米国下院議員スコット・ペリー氏(写真提供:新唐人) |
同議員は、中共は、信仰を理由にした大量投獄や潜在的な大量虐殺を集中的に行っているだけでなく、臓器収奪のようなことも行われているという。
昨年12月中旬、ペリー議員は「法輪功保護法案」を提出した。 この法案は、法輪功学習者の臓器収奪に参加した責任者に制裁を科すことを目的としている。 この法案は、すでに議会の外交委員会と司法委員会に提出している。
カナダの国際弁護士デービッド・マタス氏は、臓器収奪を「地球上の前代未聞の邪悪な行為である」と呼んでいる。 2006年に中共の臓器収奪を暴露して以来、マタス氏とカナダの元アジア太平洋地域局長のデービッド・キルガー氏は独自に調査を行い、『血まみれの臓器狩り』を出版している。
この調査報告書は、中国の病院では数日から数週間のうちに需要に応じて臓器移植を手配していること、一方、米国国立衛生研究所の記録では、米国での腎臓移植の待ち時間は4年である。2004年、中国のある移植仲介会社が外国人患者向けに「中国では生体腎臓移植を行っている。日本の病院や透析センターで耳にする、遺体からの腎臓を使った移植とは全く違う」とホームページで堂々と宣伝していた。
米国ハドソン研究所所長「法輪功への迫害はジェノサイドの犯罪」
2月4日、『ナショナル・レビュー』誌は、著者であるニーナ・シア氏の記事を掲載し、多数の法輪功学習者は中国で拘束されている間に生きたまま臓器収奪を受け、必然的に死亡した、という厳密な報告書が書かれている。
ハドソン研究所の主席研究員で宗教の自由センター代表シア氏は、「米国の政策立案者は、中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害を明確に非難し、このような迫害はジェノサイドの犯罪であると宣言すべき」と述べた。
シア氏は最後に、米国の政策立案者は中共の法輪功への迫害を明確に非難し、中共の迫害はジェノサイドであると宣言すべきで、これがもっと早くできていれば、中共によるウイグル族の大虐殺は起こらなかったかもしれない。 北京オリンピックは、この中共の恐るべき、そして今も続く人権(迫害)記録を人々が検証すべきに時期に来ていると述べた。