裁かれたナチス裁判官による中共裁判官への啓示
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 【明慧日本2022年3月2日】明慧ネットが報じた統計によると、2021年、中国全土の27の省、自治区および直轄市にわたり、1184人の法輪功学習者(以下、学習者)が中国共産党(以下、中共)に不当な判決を言い渡された。中には局長、大学の教師、上級エンジニア、会計検査員、景観園芸専門員、医師、ラジオ・テレビ編集者、引退した軍の幹部、銀行頭取、警察、工場長など、各業界のエリートが含まれていた。そして2022年になってからも、不当な判決を言い渡された学習者がいる。

 法輪功を迫害した周永康、李東生、徐才厚、薄煕来、孫力軍などの共産党高官が相次いで失脚し、江沢民と周永康に追随して法輪功を迫害してきた公安・検察・裁判所系統の多くの人員が逮捕され、判決を受け、絶えず悪報を受けている中で、なぜこれらの裁判官や一部の警官は悪人の手先になって悪事を働き続けるのだろうか? 彼らは、法輪功に対するすべての訴えが虚偽で推究に耐えないこと、すべての裁判が法に違反していることを知らなかったのだろうか? 良心に反して善良な者を迫害し、罪のない者を裁くことは人間がなすべきことではなく、天理にも許されないことを知らなかったのだろうか? 神を恐れない彼らは、遅かれ早かれ、いつか自分も被告席に立たされ、ひいては神に裁かれる日が来ると信じていないのだろうか?

 かつてのナチスの裁判官たちの末路が、彼らに何らかの啓示を与えることができるかもしれない。七十数年前に、ナチスドイツは600万人のユダヤ人を虐殺した。多くの悲劇の加害者や参与した者たちが1947年に裁判にかけられ、なかに多くの司法関係者も含まれていた。しかし、被告席に立たされても、かつて法服を身に纏って木槌を手に握り、法曹や学者といった高い肩書きを有していたこれらの元裁判官たちは、やはり周囲を軽蔑する表情を見せていた。「ユダヤ人を自らの手で殺したことはなく、シナゴーグを焼いたこともなく、他国の領土も侵したことがない自分に、何の罪があるのか?」というのが彼らの考えであった。

 しかし、ドイツの法学者インゴ・ミュラーは、その著書『恐るべき裁判官-ナチス時代の司法』の中で、これらの裁判官の罪悪を記録している。厳密且つきめ細かな「法理論証」を経て、反ユダヤ主義にいわゆる法的根拠を与えた悪名高い「ニュルンベルク法」を生み出したのは彼らであり、国家裁判所、特別裁判所、SS警察裁判所、および軍事裁判所の席に着き、木槌を振りながら夥しい数のユダヤ人と「社会の害虫」、「社会のかす」を強制収容所に追い込み、死の「洗礼」を受けさせたのは彼らであり、「ドイツ民族の優等性」を確実にするために、知能の低い者に対する強制不妊手術や障害者および精神病患者への「安楽死」という残忍非道な判決を下したのも彼らであり、無数の戦争に反対する平民やドイツ兵を絞首台に送ったのも彼らであった。その手には血痕こそないものの、これらの裁判官たちはあまりにも多くの恐怖を世にもたらした。

 これらの裁判官がこれほど恐ろしくなったのは、その大半がナチス党員またはその関連組織のメンバーであり、ドイツ国民の精神に誓って、ヒトラーを「生涯に亘って追随する元首」としたからである。『恐るべき裁判官-ナチス時代の司法』によると、「ヴェストファーレン州の裁判所職員の93%はナチス党員またはその関連組織のメンバーであり、バンベルク裁判所の管轄内では、309人の司法関係者のうち、302人が元ナチス党員である。シュヴィエンヴォルト簡易裁判所では、その割合は100%に及んでおり、そしてイギリス占領地内のアメリカの管轄区域では、アメリカ人はナチスとまったく無関係だと主張できる裁判官を2人しか見つけられなかった」という。

 このような数字から読み取れるのは、総統がユダヤ人を絶滅させようとしたとき、裁判所と裁判官はただ単にそれに従うだけでなく、法律を盾に「合理的かつ合法的に」それを実行したということである。その時、「裁判所は政治の従属者にすぎなかった」のだ。その時の法律は間違いなく、もしそれを「法律」と呼べるならば、血生臭く、総統の意志表現以外のなにものでもなく、「ヒトラーが法律であり」、「法律=元首の意志」が、裁判官たちにとって格言となっていた。

 法律には良い法律と悪い法律があり、両者を区別する唯一の基準は、それが公正と正義を体現しているかどうかにある。具体的に言えば、それが人権、平等、自由、尊厳などの最も普遍的かつ基本的な人間の価値観に則っているかどうかである。明らかに、ヒトラー時代の法律は悪い法律であった。ならば、それを策定し、執行した裁判官たちは共犯者でなければ何だったのだろうか? 悪い法律と共犯者の上に築かれた司法制度は、罪悪に満ちていないわけがないはずだ。

 逆に、今日の中共支配下の裁判官、裁判所、そして司法制度を見てみると、ナチス時代といかに似ていることであろうか! 「中共が法律であり」、「法律=中共の意志」も、中国の裁判官たちに指針とされていないだろうか? 善良な人々を弾圧し迫害している中共を手助けする裁判官たちは共犯者ではないだろうか? 中共の司法制度も同じく、罪悪に満ちているのではないだろうか?

 未だに中共を幇助し悪事を働いている裁判官たちは、本当に自らの将来のために考えてみるべきだ。彼らが知っておくべきことは、善悪に報いがあるのは天理であり、将来、人間社会での裁きを受けるとき、彼らは神による審判も受けなけれればならないのだ。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/2/22/439266.html)
 
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