20年前に天安門で抗議したオーストラリア人夫妻
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 【明慧日本2022年9月7日】(明慧メルボルンの特派員によるインタビュー)「私たちが天安門広場に着いた時、4、5人が私たちを注視していました。彼らはベルトに携帯電話を掛けていましたが、私服警官であることは明らかでした。すぐにでも私たちを逮捕しようとしていました」とジャロッド・ホールさん。彼は、2002年3月10日に妻のエマ・ホールさんと北京の天安門で法輪功のために抗議した当時のことを振り返ってくれました。彼にとって、今もなお記憶に新しい出来事なのです。

'图1:二零二二年七月九日,在墨尔本 “七•二零”反迫害集会上,霍尔夫妇讲述了二十年前到天安门广场请愿的经历。'

202279日メルボルンで開催された「7.20」反迫害の集会で、20年前の天安門広場での経験を語るホール夫妻

 ジャロッド・ホールさんと妻のエマ・ホールさんは、オーストラリア人です。当時は、共に23歳。大学を卒業したばかりの彼らは飛行機で北京に到着すると、タクシーを拾って天安門広場に直行しました。ジャロッドさんは自分のマフラーに、エマさんはコートの襟に横断幕を忍ばせました。

 ジャロッドさんは時間が緊迫していると感じ、2人で「法輪大法は素晴らしい、世界中に法輪功を修煉する人がいます」と書かれた横断幕を広げました。すると予想通り、警察は数秒のうちに彼らを捕まえました。 

 エマさんとジャロッドさんが北京に到着する3日前の2002年3月7日、10名の法輪功学習者(オーストラリアの西洋人)が天安門広場で抗議し、「法輪大法は素晴らしい」と心から叫びました。ホール夫妻が天安門広場に到着する5日前の3月5日の午後8時頃には、長春市でケーブルテレビの8つのチャンネルで『法輪大法が世界で広まる』『焼身自殺は捏造』などの法輪功の真実を伝えるテレビ番組が放映されました。放映された50分間で30万家庭、100万人を超える人々が見たはずです。この番組は、法輪功が故意に罪を着せられ、迫害されているという事実を多くの人々に知らせ、大きなショックを与えました。 

 5日間で3つの出来事がありましたが、法輪功学習者が参与する目的はただ一つです。それは、「法輪大法は素晴らしい、世界中がみな知っている!」という道理を伝えるためです。 

 あれから20年が経ちました。ホール夫妻は今、人気のマーケティング会社の経営者です。ジャロッドさんは映像音楽製品の制作の専門家であり、エマさんはマーケティングとビジネスプランニングの専門家です。仕事面で協力する夫妻は、日常生活でも互いに尊敬し、子供を大事に育て、母親の世話もしています。多忙な仕事と家庭生活のほか、夫妻は自己の専門技能を駆使し、オーストラリアの人々や、かけがえのない中国の人々に様々な手段で法輪大法の福音と真実を伝えています。 

 ジャロッドさんとエマさんは、なぜ北京の天安門まで抗議に行ったのでしょうか? 彼らはどのように法輪功を理解して修煉を始めたのでしょうか? 彼らのお話を伺ってみましょう。 

 大法との縁 

 1998年5月のことでした。当時19歳だったエマさんと彼女のお母さんは、メルボルンの中心部にある公園で、多くの中国人が煉功しているのを目にしました。彼らは、法輪功学習者でした。エマさんとお母さんはすぐに、平和的でしかも大きなエネルギー場に惹きつけられました。その場で5式の功法を学んだ後、明らかに身体がツバメのように軽くなったのを感じました。エマさんはこれこそが自分の探し求めていたものだと思い、それ以来、大法の修煉に入りました。 

 ジャロッドさんは2000年に、当時ガールフレンドだったエマさんを通じて法輪功に出会いました。修煉を始めたエマさんは、実際の年齢よりずっと落ち着きがあり、毅然として冷静に見えました。ジャロッドさんは、好奇心から法輪功の修煉に入りました。

 ジャロッドさんは「大法の修煉を通じて、私は人生の意味と、自分と宇宙との関係をより深く理解するようになりました。自信が強まり、他人を思いやることができるようになりました。私は、死の恐怖をも克服しました。幼い時から死の恐怖感にずっと悩まされてきたのです。大法の法理は善悪を識別する能力を高めてくれました。私はお陰様で、大胆な人生の選択をする勇気が湧いてきました。もし修煉していなければ、こうした選択をすることはできなかったでしょう」と語っています。

'图2:贾洛德和艾玛在炼法轮功第五套功法——神通加持法。'

法輪功の第5式の功法(神通加持法)を煉るホール夫妻

 恐怖心を乗り越え、天安門広場で「法輪大法は素晴らしい」と人々に伝える

 エマさんが修煉を始めてからわずか1年後、事態は急変しました。1999年7月、中国共産党(以後、中共)の前指導者である江沢民と中共は互いに協力して全ての国家機関を操り、法輪功に対する狂気じみた名誉棄損や弾圧を実行しました。さらにはデマで、国際社会に誤解を与えました。エマさんは、彼女と同じ所に住むテナントの何人かが、テレビの誤った報道で法輪功について誤解していると気づきました。

  エマさんは、「私はとても驚きました。事実は彼らが聞いたようなことでは決してありません。法輪功は本当にとても良い功法だと彼らに説明しました」と振り返ります。

  ジャロッドさんは「中共があらゆる方面から法輪功に泥を塗り、残酷極まる拷問で法輪功学習者を迫害している事を知って、私はとても驚きました。私とエマは、メルボルンの市の中心や郊外、田舎の小さな町で行われたパレードに何度も参加しました。こうした活動で、私たちは法輪大法の5式の功法や腰太鼓を披露し、横断幕を広げました。法輪功の真実を説明する資料を配り、反迫害の署名を集め、人々に一対一で真実を伝えました」と言います。

  ほどなく、エマさんの心にある考えが芽生えました。それは、天安門広場へ行って、かけがえのない中国の人々に「法輪大法は素晴らしい、大法は世界に広まっている」と理解してもらいたいというものでした。

  エマさんは「この迫害は中共と江沢民が主導しているものの、彼らが中国の人々を代表しているなどということはありえないと私は認識しました。人々は、デマに騙されているのです」とし、「その当時、オーストラリアのあらゆるメディアもみな、中共の法輪功に対するデマのプロパガンダを繰り返し流していました。これが天安門広場へ行ったもう一つの理由でした」と言います。

  正義を実行するチャンスだと思ったジャロッドさんは、死に対する恐怖感を克服し、大胆な人生の選択をしました。

'图3:美联社拍摄的照片,艾玛和贾洛德当时刚刚抵达天安门广场。'

天安門広場に到着したエマさんとジャロッドさん(AP通信社撮影)

 その当時、大学を卒業したばかりのジャロッドさんとエマさんは、自分たちの結婚資金で北京行きの航空券を買いました。そして2002年3月10日に飛行機を降りると、タクシーで天安門広場に直行しました。広場に入ると、数名の警察官によって尾行されました。広場では警察官の多さに驚きました。観光客とほぼ同じ位多かったのです。

 当時のシーンを思い起こすと、残念なこともありますが、誇りに思えることもあります。

 ジャロッドさんが言うには、「当時、天安門広場に立って横断幕を広げようとした時、心の中はやはり恐怖心と疑惑でいっぱいで、身体が硬直しました。しかし、中国の同修が生命を失う危険を冒しながらも、同じ事を行っているのだと思い出しました。私たちは外国人で、警察も敢えて私たちに大したことをするはずはないでしょう。私は同修と同じように努力して勇気を取り戻さなければ、将来永遠に自分を許せなくなると思いました」

  「横断幕を広げることは苦難に満ちていましたが、数百名の観光客が注視する中、エマと私は一緒に『法輪大法は素晴らしい』と叫ぶと、すぐに警察によって近くのマイクロバスに引きずり込まれました」

 中共の法輪功学習者に対する迫害の証人に

 ジャロッドさんとエマさんは、すぐに地下の駐車場に連行されました。そこには20〜30人の警察官がいました。彼らは、2人の全ての所持品を検査しました。

 「私たちは、立ち上がって中国語で『法輪大法は素晴らしい』を歌いました」とエマさんは振り返ります。「彼らはただ私たちを見ているだけでしたが、中には、つま先でリズムをとっている者もいました。彼らはこの歌が好きなのだと思いました」

  ジャロッドさんは、こう言います。「『逮捕』というより、むしろ『拉致』と言った方が適切です。私たちはいかなる中国の法にも違反していません。彼らは私たちを天安門の近くの警察署へ強引に連行し、一晩拘禁しました。その間、私たちはオーストラリアの大使館と連絡をとることが許されませんでした」

  「ある時、警官は私の喉を殴り、壁に押し付けました。さらに彼らは何度か私を地面に押し倒しました。彼らはおかしな質問をしてきて、無理やり何かを聞き出そうとしました。たとえば、誰の命令で北京に来たのか、などといった質問です。私たちは350元の人民元と45元相当のオーストラリアドルを所持していましたが、彼らに奪い取られてしまいました」

  エマさんは、「かなり荒っぽく身体検査をされました。警察はあらゆる法輪功に関する物を探そうとしていました」と言います。その後、彼女は氷のように冷えた独房に閉じ込められ、一晩中凍えていました。彼女は独房の壁に血痕が点々と付いているのを見ました。別の独房では「法輪大法は素晴らしい」と声高に叫んでいるのが聞こえました。きっと中国人の法輪功学習者が閉じ込められているのだろうと思いました。

  十数時間の不当な尋問と監禁を経験したエマさんとジャロッドさんは3月12日の朝、中共当局によってオーストラリアに強制送還されました。

 オーストラリアに戻り真実を伝える

 ジャロッドさんとエマさんは帰国すると中国領事館前へ直行し、記者会見を行いました。オーストラリアの10チャンネル、7チャンネル、ABC、SBSテレビ、および『タイムズ』紙、『オーストラリア』紙、『大紀元時報』など多くのニュースメディアが取材に訪れました。

'图4:澳洲电视媒体报道贾洛德和爱玛的北京和平请愿事件。'

ジャロッドさんとエマさんの北京での平和的抗議を報道するオーストラリアのTVメディア

 エマさんは「私たちが北京からメルボルンに戻ってきたというニュースが、テレビで多方面に渡って報道されました。私たちは、中国で経験したことや、中共(CCP)が中国の人々を迫害していること、これはジェノサイドだと伝えました。私たちは人々に、法輪大法の修煉者には自由に修煉する基本的な権利があると理解してほしいと思ったのです」と述べました。

'图5:艾玛和贾洛德在韩国工作期间,全家参加当地的反迫害活动。艾玛身后是他们的儿子。'

ジャロッド夫妻が韓国で仕事をしていた間、一家は当地の反迫害活動に参加
(エマさんの後方にいる男の子は夫妻のお子さん)

 エマさんは「江沢民が610オフィスを設立した目的は、法輪大法学習者を追跡、逮捕、拘留、拷問、そして殺害するためです。私は数年後にようやく、中共が国家主導で法輪大法の修煉者の生体臓器狩りを実施して暴利をむさぼっていることを知りました」と言います。

 いつの日か、中共が統治しない中国に戻ることを願って

 2022年7月9日、メルボルンで行った「7.20」反迫害の集会で、エマさんはこう訴えました。「私は、全ての人に伝えたいのです。どうか立ち上がって、何か行動にうつしてください。お知り合いのメディア関係者や議員に連絡を取って、中国の人々の大量虐殺を放っておくことはできないと彼らに話してもいいのです」

  ジャロッドさんは法輪大法を修煉して、「私はより善良で誠実な者となって、夫としての責任を負うことができるようになりました。より強く、穏やかで、人のことを気遣える父親になりました。大法の師父の教えに感謝しています」

  エマさんは、いつの日か機会があれば、中共が統治していない中国に行って、思う存分各地を巡り歩きたいと願っています。

'图6:贾洛德说大法修炼让他成为更负责任的配偶和更善解人意的父亲。酷爱旅游的艾玛希望有朝一日,能回到没有中共统治的中国。'

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/8/6/447282.html)
 
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