新唐人国際ピアノコンクール クラシック音楽の栄光を蘇らせる
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 【明慧日本2022年11月12日】(明慧ニューヨーク記者)第6回新唐人国際ピアノコンクールが11月2日、ニューヨークのカウフマン・ミュージック・センター内のマーキン・コンサート・ホールにて円満に閉幕した。ウクライナ出身のアントニー・バレシェフスキーさんが金賞を受賞し、中国のJiusi Zhang(ジウシ・ジャン)さんが銀賞および「委嘱作品の最優秀演奏賞」を受賞し、ロシアのエヴァンゲリヤ・デリゾナス・クフアさんが銅賞を獲得した。

图1:二零二二年十一月二日第六届新唐人国际钢琴大赛在纽约曼哈顿考夫曼中心莫肯音乐厅(Merkin Concert Hall – Kaufman Music Center)圆满落幕,各大奖项花落有主。图为颁奖嘉宾与六位获奖选手合影。(大纪元)

第6回新唐人国際ピアノコンクールは2022年11月2日、ニューヨーク・マンハッタンのマーキン・コンサート・ホール(カウフマン・ミュージック・センター)にて円満に閉幕。上記は授賞者と6人の受賞者(エポックタイムズ)

 今大会にはロシア、ウクライナ、韓国、中国、台湾、イタリア、ポルトガル、豪州、米国など20の国と地域から30人余りの出場者があった。4日間にわたる大会では、予選と本選を経て6人が決勝に進んだ。さらに、この6人のファイナリストと、3名の特別に招待された世界トップクラスのピアニストによる授賞式前に行われた「Future Stars」コンサートでの共演では、神韻芸術団芸術監督のD.F.氏とクラシック音楽の巨匠たちの作品が熱演され、会場の観衆と世界各地のオンライン観衆に最高水準のクラシックコンサートを鑑賞させるとともに、コンクールの雰囲気をクライマックスに盛り上げた。

 ピアノ界の重鎮で、90歳近くになるロシアの著名なピアニスト、ミハイル・ヴォスクレセンスキー教授は自ら演奏に臨み、新唐人コンクールが伝統への回帰を目指していることが非常に良いと絶賛した。

 コンクールの主催者側は、「非常に成功した」と述べた。審査員たちは、今回のコンクールの水準を「過去最高」と評し、金賞受賞者は「マスターレベルの成熟度」を見せたと評価した。「Future Stars」コンサートの特別ゲストおよび著名なピアニストたちは、新唐人コンクールが「志が高く」、「水準が高く」、「クラシック音楽を守る」重要な国際コンクールであると述べた。観客は、決勝進出者のピアノの腕前に対する賞賛を、長い拍手で伝えた。

 金賞受賞者:コンクール指定曲「聖なる旅」で「真理」を伝え、「希望」を抱かせる

图2:金奖得主、乌克兰选手安东尼·巴雷舍夫斯基(Antonii Baryshevskyi)在“明日之星”演奏会上演奏。(大纪元)

「Future Stars」コンサートで演奏する、金賞受賞者のアントニー・バレシェフスキーさん (エポックタイムズ)

 ウクライナ出身のアントニー・バレシェフスキーさんが優勝した。バレシェフスキーさん は有名なピアノ奏者である。ウクライナ国立音楽院を卒業し、修士号と博士号を取得した彼は、世界最高峰のピアノコンクールであるアルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクールで1位を獲得したことがある。

 彼による、今年新唐人ピアノコンクールに参加したのは、1900年以前のバロック、クラシック、ロマン派の楽曲のみ演奏できるというユニークな選曲規定に惹かれたという。

 準決勝では、バレシェフスキーさんがコンクールの指定曲「聖なる旅」を演奏し、そのクライマックスの部分で聴衆を感動させた。彼が言うには、「聖なる旅」には「エネルギー」と「哲学」が詰まっており、実際には一種の「真理」と「真相」を伝え、人々に「希望」を抱かせている。

 「この曲は東洋と西洋文化の融合です。これが非常に重要で、私たちの時代において、人々は団結して善の立場に立ち、嘘に打ち勝たなければならないことを意味しています。だから私は、この曲はある真相を語っていると言っているのです」

 彼は、この曲が人々に希望を与えていると強調し、「私たちの時代では、この種の希望は非常に得難いものです。なぜなら、今の社会は嘘と残酷な戦争に満ちており、人々が本性と伝統を守り、正義が必ず勝つと信じながら団結することが非常に重要なのです」と述べた。

 シューマンの交響的練習曲については、彼は「これは壮大な作品です。私はある大きな山の背後に立っている気持ちで、その山の美しさを人々に伝えようとして、旅の途中で山のさまざまな部分を描き、人々に山が見えるようにしました」と語った。

 コンクール審査委員長の姚妣姬さんは、バレシェフスキーさんの演奏をこう称賛した。「予選、準決勝、そして決勝まで、彼はずっと落ち着いていてミスもなく、名人級の成熟度を持っています」

 「彼の内面はとても魅力的です。実際、彼は指定曲も非常によく演奏し、音楽性もとても良く、その中のいくつかの部分を完璧につなぎ表現しました」

 バレシェフスキーさん本人がこう述べた。「コンクールで優勝できてとても光栄に思います。ベストを尽くしました。審査員および大会に携わったすべての人に感謝しています。私はこの大会を楽しみました。すべての演奏者に祝福をお送りします」

 ダブル受賞者:「聖なる旅」は無限の可能性を秘めている

图3:青年选手Jiusi Zhang摘得银奖和“指定曲目最佳演绎奖”双料大奖。图为Jiusi Zhang在“明日之星”演奏会上演奏。(大纪元)

若手出場者のJiusi Zhangさんは銀賞と「委嘱作品の最優秀演奏賞」を受賞。写真は、「Future Stars」コンサートで演奏するJiusi Zhangさん(エポックタイムズ)

 20歳になったばかりの中国のJiusi Zhangさんは、指導教師の推薦でコンクールに参加した。彼は華麗な技巧と繊細な演出で、第6回新唐人国際ピアノコンクールの銀賞と「委嘱作品の最優秀演奏賞」の両方を獲得した。

 Zhangさんは、「聖なる旅」に触れたとき、このピアノ曲が「伝統的な西洋音楽とは違う」ことに気づいたという。「この曲にはいろいろな感情が込められていて、水墨画のような感じです。指定曲の内包があまりにも豊かで、一言二言では説明できません」

 現場での演奏では、Zhangさんはリズムや音の強弱の変化をもって、自分の音楽に対する理解を表現したと言い、最初の音の処理を例に挙げてこう言った。「一気に力を入れて、手を上げて音を空中に響かせます。ピアノの1音目は高い音域にあって、弦自体の振動がとても速くて、広々とした感じがします」。他の演奏者の素早い処理と違って、彼はスピードを落とし、「突然桃源郷に着いて、目の前が明るくなった感じ」を伝えたかったという。

 また、彼はこの曲の大きな特徴の一つが、中国の伝統楽器の模倣であることに言及した。「この曲の装飾音の一つ一つに粒状の感覚があって、まるで波の連なりでした」。従って、民族音楽の音色を正確に模倣することがZhangさんの取り組む目標の一つとなった。Zhangさんは冒頭の部分を例に挙げこう言った。「私はペダルやタッチキーで古筝の音色を模倣し、左手で琵琶の撥弦をまねました」

 Jiusi Zhangさんの「聖なる旅」の演奏は「深い文化の内包」と「レベルの高さ」を示し、 「オリジナル曲のコンセプトにより合致している」ため、人々に感動を与えたと、審査委員長の姚妣姬教授は言った。

 Jiusi Zhangさんは「審査員の方々と観衆からたくさんのご応援をいただき、とても感謝しています」と語った。

 世界的ピアニスト、コンクールの伝統回帰を称賛

图4:“明日之星”演奏会特邀嘉宾、世界著名钢琴家米哈伊尔·沃斯克列辛斯基(Mikhail Voskresensky)教授高度赞扬新唐人钢琴大赛回归传统的宗旨。

「Future Stars」演奏会の特別ゲストで、世界的に有名なピアニストであるミハイル・ヴォスクレセンスキー教授は、新唐人コンクールの伝統に回帰する趣旨を高く称賛した

 世界的に有名なピアニストのミハイル・ヴォスクレセンスキー教授は、モスクワ音楽院ピアノ研究室の主席である。彼は「ロシア功労芸術家」、「ロシア人民芸術家」の称号を受けたことがあり、日本政府より「旭日重光章」も授与された。それだけでなく、彼は世界各地で名人級のクラスを開催したこともある。

 「新唐人テレビの大会はとても良かったです。ここに招待されて光栄です」と彼は言い、「(大会の)趣旨は伝統への回帰だからです。このようなコンクールは、クラシック音楽の発展に有益なのです。クラシック音楽は聡明な人に聞かれる必要があります。なぜなら、聡明な人だけが豊かな収穫と楽しみを聞き取れて、クラシック音楽の背後にある感情と思想を感じ取ることができ、それによって我々の生活にインスピレーションをもたらすことができるからです」と話した。

 ニューヨークのブルックリンに住むロシア人機械エンジニアのイレーナ・モシナさんは、これほど素晴らしいピアノ演奏会を見たことがないと言った。「彼らの演奏に心を打たれました。これは本当に特別な演奏会です。そしてロシア人として、私は文化のつながりを感じて、とても感動しました」

 モシナさんは、クラシック音楽の復興という新唐人の使命は「とても重要だ」と言い、「現代人はクラシック音楽をほとんど聴かなくなりました。しかし、クラシック音楽はとても質が良いものです。今日、生のクラシック音楽の演奏を聴くことがどんなに震撼を受けるものかが分かりました」と話した。

 神韻の作曲家:コンクールの指定曲は、出場者が人生の究極な内包を考えるきっかけとなった

 本大会の指定曲である「聖なる旅」は、世界的に有名なアメリカ神韻芸術団の芸術監督D.F.氏が創作、授権し、神韻芸術団の作曲家琴媛さんが脚色したものである。

 コンクール主催者によると、「聖なる旅」は東洋と西洋の正統派音楽のエッセンスを融合し、西洋のピアノを使って中国音楽の趣を表現し、音楽の神性たる内包を表したという。

 この中国と西洋を折衷した楽曲は、中国古来の旋律と趣をベースに、西洋の楽器で表現し、神性のある音楽の内包を表している。

 神韻芸術団の作曲家・琴媛さんは「この曲は主に三つのパートに分かれています。第一部は、生命が高くて素晴らしい次元に起源するものだと表しています。第二部は、人が輪廻の過程で多くの苦痛、試練を経験し、生老病死を経て、自分がなぜここに来たのかを忘れてしまい、さらに現代観念行為の影響で時世の波に流されてしまうのかもしれません。しかし、一部の人は堕落より昇華を選択します。第三部は、このような苦難の中で、より高い次元の生命が人を救いに来られ、人が無駄に待つことがないようにします」と話した。

 大会指定曲の作曲家である琴媛さんは、東西の文化において、人は神によって造られたものだと考えられており、今の乱世の中で、心の正義と善良さを守り、神への信仰を取り戻すことができれば、人々の心が癒され希望ももたらされると、創作の過程で感じたという。

 琴媛さんはこう続けた。「私たちは中国の伝統音楽の趣を基調に、西洋クラシック音楽の伝統的なハーモニーやパターンを織り交ぜ、楽器の組み合わせやポリフォニーを含む多くの技法を盛り込んで創作しました。実は、これらは東西の出場者にとって、共通しているはずです」

 「神韻の音楽には、東洋と西洋を融合させる創作理念があるように、神韻芸術団の長年のプログラムを通して、この点はすでに明確に表されています。中国本土でも海外でも、多くの作曲家が(中国音楽と西洋音楽の融合を)試みたと思いますが、実際には誰も国際的なレベルに達したことがなく、これほど成功することもできませんでした。神韻は今それを成し遂げました」

 琴媛さんは、出場者たちにとって指定曲が人生のより神聖な意味合いについて考えるきっかけになればと願っているそうだ。

图5:二零二二年十月三十一日,第六届新唐人国际钢琴大赛在纽约考夫曼艺术中心莫肯音乐厅举行了复赛。复赛结束后,主办方请大赛指定曲目《神圣之旅》的改编者、美国神韵艺术团作曲家琴媛女士与选手们见面。(大纪元)

第6回新唐人国際ピアノコンクールの準決勝が10月31日、ニューヨークのカウフマン芸術センターのモーケンホールで行われた。準決勝終了後、主催者はアメリカ神韻芸術団の作曲家であり、コンクール指定曲「聖なる旅」の改編者である琴媛氏を招き、出場者と対談した(エポックタイムズ)

 イタリアのカロリーナ・ダニースさんはこう語った。「これ(「聖なる旅」)は聖なる歌だと感じています。(演奏時)自分がピアニストではなく、音楽家であり、深く啓発された音楽家となって、この聖歌を演奏しているように感じました」

 受賞者リスト

 金賞:Antonii Baryshevskyi

 銀賞:Jiusi Zhang

 銅賞:Evangeliya Delizonas-Khukhua

 優秀演奏賞:Trinity Goff、Yung-Yi Chen、Aruth Masrangsan

 委嘱作品の最優秀演奏賞:Jiusi Zhang

 優秀賞:Aron Alakmeh、Boris Krivoshein、Carolina Danise、Ilya Ramlav、Maria Narodytska、Tiago Rosario、Xizhu Liang

 第6回新唐人国際ピアノコンクール、「Future Stars」演奏会&授賞式の映像は、下記の Gan Jing World のリンクからご覧いただけます。

 https://www.ganjing.com/live/1fc5omtpjvp1xJbovs2i981kT1ng1c

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/11/6/451591.html)
 
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