一冊の機密文書
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 【明慧日本2023年4月23日】最近、上海市610弁公室が作成した法輪功学習者(以下、学習者)への迫害の指導となる『教育補助ハンドブック』を中国から入手した。これは上海市党委員会610弁公室が各企業・機関に配布したもので、企業や機関の中で、さまざまな状況や時期、段階において、学習者に対する総合的な精神的迫害の実施方法を詳細に説明したものである。中でも、洗脳への迫害計画の詳細度および全方位的な網羅性は、驚くほどである。

 まず、この『教育補助ハンドブック』の表紙の左上には、「機密」という文字が印刷されている。また、『ハンドブック』の1ページ目の使用方法の第1条には、「このハンドブックは機密資料であり、大通り、郷・鎮の党委員会、関連部門の党委員会が保管し、秘密が漏れないよう厳重に規律を守ること」と記載されている。

 これだけでも、法輪功に対する迫害の秘密性、違法性、邪悪性がよくわかる。

 中国共産党(以下、中共)の江沢民集団は、1999年7月20日以来、マスコミの嘘とプロパガンダによって一部の世の人を欺いているが、法輪功に対する中傷と迫害はすべて真っ赤な嘘に基づいており、これらの迫害行為は道義と良知、既存の法律に違反していることを、彼ら自身もよく知っているのである。610弁公室は、江沢民派が法輪功を迫害するために設立した法律を凌駕する違法な組織である。もし法輪功が本当に中共政府のメディアが宣伝しているようなものであれば、いわゆる「教育補助」は社会で堂々と行うべきであり、なぜ高度な内部機密の形で、秘密に厳守しなければならないのか?

 迫害の残酷さはここにも表れている。すべての迫害は秘密裏に行われているため、学習者の苦しみと残酷な迫害の真実を、部外者や体制外の社会の一般人は知る由もない。そのため、迫害は極めて残酷で長期化され、正義がなかなか広まらない。

 次に、使用方法の第2条には、「一人に一冊」と明記されている。この内容から、この『ハンドブック』はすべての学習者を対象としており、ごく一部の者を対象にしていないことがわかる。1999年7月20日以前、中国政府は約7000万人から1億人が法輪功を学んでいると公式に発表した。この『ハンドブック』は上海地区を対象としているが、江沢民集団は中央610弁公室の統一配置により、他の地区でも同様のことをしているはずであり、このような迫害は学習者全体を対象としていると考えられる。

 第三に、いわゆる「教育補助」の内容が、このハンドブックの中で非常に詳しく計画されている。

 このハンドブックは、教育チームのメンバーの登録から始まり、次に「教育対象者」の個人情報を記載し、通常の内容に加え、「法輪功問題で受けた懲罰や学習クラスへの参加状況」、さらに「性格の特徴」、「家族構成と法輪功に対する態度」等まで含まれている。続いて、「教育補助プログラム」、「教育による転向記録」、「教育補助状況の四半期分析」、「教育補助の年間総括」、「刑務所(労働教養所)から釈放された学習者の継続教育補助計画」、「繰り返されるケースの記録」などがある。それぞれの欄には、理由(状況)の分析、状況の記録、教育対策、次のステップへの計画などの具体的な内容が書かれている。

 このハンドブックは、迫害された後に様々な状態の学習者を対象に、迫害の計画を包括的に提供するものである。例えば、ハンドブックの使用方法には、「出所した学習者であれば、『出所した学習者の継続教育補助計画』を記入すること」と記載されている。転向していない場合は、「転向教育記録」に日々の教育補助状況を記録し、転向した場合は、「継続強固教育補助記録」に教育補助状況を記録することになっている。転向の有無にかかわらず、四半期および年次の分析・総括を実施することになっている。また、ハンドブックの使用方法には、「転向の基準に達した後、各上層部の承認申請を行い、承認後、強固教育補助の期間に入り、『継続強固教育補助記録』を使用して日々の教育状況を記録する 。繰り返しの場合は『繰り返し記録』を作成し、再度『転向教育記録』を使用する」と規定されている。

 ハンドブックの内容から、学習者と認定される限り、全面的に絶え間ない残酷な迫害の対象になることがわかる。

 また、この迫害は、統制されたメディアを通じて法輪功に対する悪魔化・嘘のプロパガンダを行い、社会全体の憎悪を煽ることに加え、教育補助という形で国民全体を迫害の犯罪に参加させようとするものである。例えば、学習者が陳情に行き、迫害の実態を人々に伝えたとして連行された場合、勤務先の全員の年末賞与の一部が差し引かれ、勤務先も罰金を科されることになる。このように、江沢民集団は社会全体に見えない巨大な迫害の黒い網を作ったのである。

 第四に、ハンドブックの2ページに転向の基準が明確に書かれている。法輪功をやめ、すべての書籍や資料を提出するだけでなく、公の場で法輪功を批判しなければならない。例えば、座談会や講演会、報道機関などの公の場で批判することを指している。江沢民集団がこのような基準を設けたのは、学習者の精神を完全に破壊するためである。なぜなら、いったん公の場で自分の中で正しいと信じていることを完全に否定すれば、その本人が人々の評価を取り戻すことは非常に難しく、完全に自分に絶望してしまうからだ。これこそが、江沢民集団が達成しようとしている最終の目的である。

 この迫害は当初江沢民によって始められたが、「もし殺人専門家と嘘の常習犯である中国共産党の暴力マシンの助けがなければ、全中国に波及し、ひいては海外にも及んだ集団虐殺的な迫害を起こせるわけもないであろう」[1]。中共は、伝統的な人間の道徳や倫理の破壊を目的とし、暴力と嘘から始まり、「偽・悪・闘」の本質を持っているため、「真・善・忍」を重んじる高い道徳観を持つ学習者を当然敵視し、消滅させようとする。江沢民集団の犯罪は、中共の悪しき本性を自然に反映したものでもある。というのは、江沢民集団こそが、邪悪な中共の代わりに法輪功団体に対して集団虐殺という凶悪な罪を犯しているからである。

 十数年前の迫害ハンドブックだが、今なお迫害は終わっていない。そこからも、この長く続いている迫害の邪悪さと残酷さの氷山の一角を見ることができる。

 注:
 [1] 『共産党についての九つの論評』の第五評、「法輪功への迫害における江沢民と中国共産党の相互利用」

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/4/13/458710.html)
 
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