【明慧日本2023年8月4日】英国の法輪大法佛学会は英国議会貴族院で7月17日、「法輪功のストーリー:中国では再びジェノサイドが起きているのか?」というテーマでシンポジウムを行った。中国共産党(中共)による法輪功迫害24年を期して行われたイベントの一部だった。会議室は満席で複数の主流メディアがイベントのために記者を派遣していた。
国会議事堂内の貴族院の建物内で開催されたシンポジウムで法輪功支持を力説する議員ら(写真で発言中のイアン・ダンカン=スミス卿) |
貴族院のイアン・ダンカン=スミス卿、デービッド・アルトン卿、フィリップ・ハント卿、庶民院のマリー・リマー議員、カナダのデービッド・マタス人権弁護士がそれぞれ基調演説を行った。
イアン・ダンカン=スミス卿「中国共産党を信じてはいけない」
イアン・ダンカン=スミス卿 |
イアン・ダンカン=スミス卿は、英国保守党の元党首であり、IPAC(対中政策に関する列国議会連盟)の議長でもある。講演の中で、IPACは、日本から米国まで世界約30カ国が加盟していると述べた。中国共産党による法輪功への暴力的な迫害について、最初に耳にしたのは、デービッド・マタス弁護士からだったという。その後、IPACの骨組みに着手した。
ダンカン=スミス卿によると、新疆における中国共産党の残虐行為が暴露され、大量虐殺として定義されたことで、より多くの人々が中国共産党の本質、特に法輪功に対する迫害が理解されるようになってきた。「法輪功の迫害の事実への認識は徐々に広がっています」と語る。
英国政府は、政策策定において中国共産党を一切信用すべきではないとし、「中国共産党は常に約束を破ります。約束を履行する意図を全く持ち合わせていないのです」と強調した。
デービッド・アルトン卿:沈黙する時ではない
デービッド・アルトン卿 |
アルトン卿は、英国議会の「宗教と信教の自由に関する超党派グループ」の共同設立者で、副議長である。シンポジウムの中で繰り返し、法輪功への迫害と中国共産党の残虐行為、特に強制臓器収奪について言及した。
以下はスピーチからの抜粋。
「多くの法律家や学識者によると、中国では全国規模で法輪功の根絶キャンペーンが行われており、現代のジェノサイドにあたります。法輪功は精神修養法で、かつては7000万人から1億人が修煉していたと推定されています」
「中共は無神論者であり、程度の差こそあれ、すべての宗教を弾圧しています。キリスト教徒は検閲された聖書しか読むことができず、宗教指導者はしばしば投獄され、認可された宗教団体は厳しく監視・管理されています。しかし、江沢民(中国共産党の元総書記)は法輪功を管理することができないことを認識しました。共産党内部の役員も法輪功の修煉を始めていたからです。江沢民は恐れたのです」
「中国共産党による民主主義への妨害行為や脅威を認識する上で、法輪功が受けてきた脅威と残虐行為を認識することは不可欠です。......我々は声高に明確に事実を語るべきです。沈黙する時ではありません
フィリップ・ハント卿「国際社会に発信する必要がある」
フィリップ・ハント卿 |
英国の医薬品・医療機器法案が昨年改正された。これは、法輪功学習者のように生きたまま臓器を収奪される良心の囚人からの細胞が英国に持ち込めないことを意味する。この修正案を提出したのは、英国貴族院議員のフィリップ・ハント卿だった。
フィリップ・ハント卿は、大手コーポレーション、英国企業、英国国民が臓器収奪に関与すべきではないことを、機会あるごとに示し続ける必要があるとし、「こうすることで我々の行動が他国へと広がり、国際的なメッセージが送られていくことを願っている」と語った。
また、英国政府の中国に対する曖昧な政策は、誤りであり、議会は臓器収奪に反対する強硬な立場を取るべきだと指摘した。法輪功の迫害について、「被害者のことを考え、我々には諦めずに行動していく義務がある」と指摘した。
マリー・リマー庶民院議員「無視できない問題」
昨年の移植ツーリズム停止のための修正案の可決に深く関わった議員であり、現在は調達法の改正案を通過させるために取り組んでいる。
マリー・リマー庶民院議員 |
「中国共産党がやっていることに目をつぶることはできません。ここまで前進したので、さらに進むしかありません」とリマー庶民院議員は語った。個人が信仰を持つ権利、持たない権利の問題であり、人間として我々の兄弟姉妹が迫害されている問題だと指摘した。
デービッド・マタス氏「ジェノサイドの決め手が動機にあることを重視」
カナダのデービッド・マタス国際人権弁護士は、人権問題(訳注:臓器収奪問題)への貢献で2010年にノーベル平和賞候補となった。
マタス弁護士は、ジェノサイド条約で定められた基準に関して詳細で思慮深いスピーチを行った。「ジェノサイドの決め手は動機にあることは考慮すべき重要な点だが、『あえて見ないふりをすること』や指導的立場にある者の義務など、さまざまな動機が複合的な要因になる可能性も否定すべきではない」とし、この問題をさらに掘り下げた論文を発表するつもりだと述べた。
二人の法輪功学習者が、中国共産党による監禁、トラの椅子に縛り付けられるなどの拷問、何日にもわたる絶え間ない殴打など、胸を打つ力強い証言を行った。
「中国の人々はまもなく自由になります」
シンポジウムが貴族院で開催されている間、国会議事堂前で行き交う人々に対して法輪功学習者は署名活動を行った |
シンポジウムが貴族院で開催されている間、法輪功学習者は、議事堂の外に長い横断幕を掲げ、中国共産党が刑務所で学習者を拷問している場面を再現した。貴族院で行われているシンポジウムの内容について人々に知ってもらうための活動だ。
迫害は停止されるべきと語るエミリーさん |
エミリーさんは大学勤務。いとこと一緒にロンドンを訪れ、『24年間の法輪功への迫害を停止させよう』という横断幕を見て「誰でも平等に取り扱われるべきです。なぜ迫害が起こっているのですか? 信じられません。このようなことは直ちに停止されるべきです」と語った。
大国の中国で「一部の特権階級は臓器売買で利益を得て、権力を使って真実を隠蔽しようとしています。抑圧された庶民が恐怖のため声を上げないために、迫害が続いています。法輪功学習者は意識を高めるために立ち上がり、問題の深刻さを人々に認識させています。英国政府と米国政府が中国に圧力をかけて、迫害停止に貢献することを願っています」とエミリーさんは述べた。
エミリーさんは自分の居住区を代表する国会議員に手紙を書き、この問題を様々な人々に知らせていくことを考えている。何百人もの犠牲者家族を巻き込むこの迫害を、一刻も早く終わらせる必要があるからだ。
「必ず状況は変わります」と語るサンドラさん |
教師のサンドラさんは、生体臓器収奪の陳情書に署名した後、「希望を失わないでください。必ず状況は変わります」と語ってくれた。
アーロン・ルベックさんと息子 |
建設現場で働くアーロン・ルベックさんと息子は米国からロンドンを訪問していた。遠方から法輪功のテーブルが目に入った。「認識を高めようとする法輪功学習者者を強く支持します」とアーロンさん。「法輪功学習者の実直な行動を支持するために陳情書に署名しました。より多くの人々が中国共産党の本質を認識することでしょう。そして、世界中の国が、中国共産党による迫害に対して、互いに手を取り合って立ち上がることでしょう。まもなく中国の人々は自由を得られるようになります」と息子さんは語り、この事実を広げていく手伝いをしていきたいと応援した。
法輪功とは? なぜ中国共産党が迫害するのか?
法輪功(法輪大法とも呼ばれる)は、1992年に中国の長春で李洪志氏によって初めて一般に紹介された。法輪功は現在、世界100以上の国と地域の人々が「真、善、忍」の理念に基づく理念を実践し、5つの動作を習得し、健康改善と心身のリラックスを体験している。
中国共産党の元総書記・江沢民は、この心身修養法の人気の高まりを中国共産党の無神論的イデオロギーに対する脅威とみなし、1999年7月20日にこの法輪功の根絶を命じた。
江沢民の指示の下で、法輪功への迫害を唯一の任務とする610弁公室が設立された。610弁公室は、警察や司法制度を超えた超法的な権限を持つ治安組織である。
Minghui.orgでは、過去24年間の迫害で、数千人の学習者の死亡を確認している。実際の数は遥かに多いと思われる。数え切れないほどの学習者が信仰のために投獄され、拷問を受けている。また、中国の臓器移植産業に供給するために、拘束された法輪功学習者から臓器を摘出・殺害することを、中国共産党が認可していることを裏付ける具体的な証拠が揃っている。