天使から悪魔への道
■ 印刷版
 

文/明心

 【明慧日本2023年11月30日】多くの古い時代から伝わる物語、特に修煉に関する物語は、今日の無神論の環境で修煉を始める人にとって、浅い次元でヒントや助けとなることがあります。たとえば、釈迦牟尼、ミラレパ、モーセの物語などです。最近、師父の新経文を読んでいるうちに、西洋で古くから伝わる、天使が堕落して悪魔になる物語が頭に浮かび、それを同修の皆さんと共有したいと思います。

 多くの西洋の古代の宗教や文学作品には、地獄の魔王サタンがもともと神の傍らの大天使であったルシファーが堕落したという伝説が伝わっています。ルシファーはかつて他の天使を管理する大天使であり、強大な力を持ち神の寵愛を受けていましたが、嫉妬から憎しみを抱き、他の天使を扇動して神に反逆し、打ち負かされて地獄に落とされました。以後、この大天使は魔王サタンとなり、それに従った堕落した天使も全て「聖霊の書」から名前を消され、地獄の悪魔になったとされています。

 これらのストーリーについて、一部の人はなぜ天界で反乱や戦争が起こるのかを理解できず、神の存在を疑問視する可能性があるため、教会では一貫してタブーと見なされています。現在広く伝わるさまざまな『聖書』のバージョンでも、この出来事に関する描写は多言多様で、しばしば矛盾しており、人々はこの出来事を理解することが難しいとされています。一部の現代文学作品では、ルシファーの「評価を覆し」、彼を反乱の英雄と見なすものさえあります。しかし、大法修煉者として、私たちはこの霧を簡単に払いのけ、事実をはっきりと見ることができます。

 一、嫉妬と怨恨が天使を悪魔に堕落させる

 カトリック教義では、七つの大罪について言及され、高慢が先頭に位置するとされています。その理由は、高慢以外の六つの大罪は教育を通じて改善できると考えられており、しかし高慢な人は自分を変えようとしないとされています。これはルシファーのように、神が何度も彼に誤ちを正す機会を与えたにもかかわらず、最終的には敬意を欠き、反逆を選んだためです。したがって、高慢は七つの大罪の先頭に定義されています。しかし、なぜルシファーはそんなに高慢で変わらなかったのでしょうか? 実際には、高慢は彼の強烈な嫉妬と怨恨が表れた現象に過ぎず、それは彼が神に背いた主要な原因ではありませんでした。『失楽園』という書物には、ルシファーの内面的な独白があり、彼自身の嫉妬について詳細に描かれています。

 では、大天使として、彼は何に嫉妬していたのでしょうか? 『聖書・アダム紀』13章から14章にかけての経典には、神が自分の姿に似せて土で初の人類であるアダムを造り、彼をエデンの園に置いて自由に生活させたことが記されています。ある日、神は大天使ミカエルに命じてアダムを第十至高の天に連れて行き、残りの九つの天の天使全員を呼び寄せ、全ての天使にアダムに礼を述べ、尊敬し、拝むように命じました。ミカエルや他の天使たちはこの命令に従いました。しかし、第九天(原動天)の最前列に立つ、最初の大天使ルシファーはアダムを拝むことを拒否しました。彼は言いました。「なぜ私が彼に礼拝しなければならないのですか? 私は絶対に、私よりも劣る、私よりも遅く現れたものに礼拝することはありません。彼が形成される前に私は存在していました。むしろ彼が私に礼拝すべきです」。つまり、ルシファーは神がまず天使を創造し、その後に人間を造ったと考え、しかも人間は非常に劣っている(しかも、土でできている)と信じていました。だから彼は、なぜ人間を天使よりも高い位置に置かなければならないのか、理解できなかったのです。

 私たち大法の修煉者は皆、「創世主が神に人間を造らせた目的は、末後のときに宇宙と衆生、そして神々を救う時に使うためです」(『なぜ人類が存在するのか』)と理解しています。したがって、神が人を造ることは、創造主が天と宇宙の生命を救うための大きな計画に従っているのです。神は人の重要性を知っており、人類が負うべき使命を理解しています。これは大天使が完全に理解できることではありません。神の意志について理解できない場合でも、その旨意に従うことは、良い生命が行うべきことです。実際、ミカエルなどの大天使たちも完全に神の意志を理解しているわけではありませんが、神への崇高な信仰心から、神の意志に従って行動しました。(後に『神曲』などの一部の文学作品では、ルシファーがイエス・キリストへの崇拝を拒否したと変更され、おそらく人間を崇拝することを理解できなかったと考えられます)

 人類は宇宙の「壊」の初期に、創造主が諸神に指示して造った存在です。そのため、この時点で天界の生命はすでに崩壊し始めており、ルシファーもそのような生命の一部でした。嫉妬と怨恨が彼を神と対抗する道を選ばせました。『聖書』の記述によれば、ルシファーは失敗した後に地獄に堕ち、悔い改める気持ちもなく、むしろ人類を憎むようになりました。彼は堕落した天使たちを引き連れて世界中で混乱を引き起こし、人々を神への信仰から遠ざけるよう誘惑し続けています。

 大法修煉者は、宇宙の最も尊い大法を得て、かつ師尊から直接教えを受け、嫉妬心の深刻さについて厳しく忠告されています。しかし、真に修煉せず、着実に修煉しない場合、魔難やトラブルを理解せず、これらの堕落した要素である嫉嫉や怨恨を取り除く良い機会を逃すことになります。『肝心な時、いつも人心、人間の念、人間の情をもって物事を量っています』(『険悪を遠ざけよう』)と言われたように、問題を判断する際に常に人心、人間の念、人間の情を使用すると、悪魔に利用され、または憑依されて大法を破壊する行為に及ぶ可能性があり、それは極めて危険なのです! 結果は地獄に行くことに留まらず、むしろ『当初大法に入ってこられたのはすでに命と引き換えに契約を交わしたからです』(『大法修煉は厳粛である』)と言われたように、最初に入ってきた時点ですでに生命をもって契約を結んでしまっているため、形神全滅になる可能性があります。

 二、迎合、追随者もまた悪魔になる

 ルシファーと彼を支持する一部の天使は、神の寵愛を得られなかったと不満を持ち、反乱を起こし、天界の北部で天使たちの三分の一が反乱旗を掲げました。激しい三日間の天界の戦いの末、反乱軍はついに打ち破られ、九つの天から地獄の最下層まで、ルシファーは九つの昼と夜で転落し、サタンに成り下がりました。彼に従ったすべての天使は、醜悪な姿に変貌し、悪魔となりました

 当時、なぜ三分の一の天使がルシファーを支持し、彼に追随したのでしょうか? 最も根本的な原因は、師父がすでに示唆されています。「宇宙には成、住、壊、滅があり、人間には生、老、病、死があり、これは宇宙の摂理です。神にもこの過程がありますが、ただその過程は果てしなく長く、さらに大きい神の場合、その過程はさらに長くなるのです」(『なぜ人類が存在するのか』)。ですので、当時の天界の生命はすでに崩壊し始めていたと言えます。もちろん、外見的な原因も多く存在しました。当時のルシファーは、天国で最も美しく、最も強力な天使長と言われ、一定の権威を持っていました。しかし、それらの天使は境界の制約から神の意志を理解できず、ルシファーの言葉に納得し、神が不合理な決定を下したと考え、彼に従って反乱し、最終的に地獄に至りました。例えば、ダンテの『神曲』の中に、当時のルシファーが言ったとされる名言があります。「地獄で王であることを選び、天国で奴隷になることを拒む」。これらの言葉は一部の人々の堕落した観念に迎合していたと言えます。

 ある人たちはメディアの看板を掲げ、心の中に不満や怨恨を抱える人たちを惑わし、彼らを引き摺り込んで墜落させます。師父は慈悲に満ち、何度も機会を与え、「明慧編集部」も『通告』を発表しました。

 師父は明確に述べられています。「この肝心な時期に、同調する人はすなわち、対象であり、目的はその人を淘汰するためです。これは旧勢力が背後で現在、問題を起こす人を利用していることの本当の原因です」(『大法修煉は厳粛である』)

 「しかし、困難に直面したとき、神に助けを求めたが、満足した結果を得られなかったため、神を恨み、次第に神に反対する方向へと走り、場合によっては魔道に入り新たな罪業を作った人がいます」(『なぜ人類が存在するのか』)

 これらの人たちが早く目を覚まし、意図的であろうと無意識であろうと、旧勢力に淘汰されないように願っています。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/9/5/464973.html)
 
関連文章