法輪功学習者の生体臓器収奪、中国共産党の罪悪を裏付ける
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 【明慧日本2024年9月14日】米誌ナショナル・レビューは11日、生体臓器収奪の残虐行為が多くの国際的調査で強力な状況証拠により裏付けられていると論じる記事を掲載した。筆者は、作家ウェスレイ・J・スミス(Wesley J.Smith)氏。

 ディスカバリー研究所上級研究員のスミス氏によると、法輪功学習者は長年、中国共産党(以下、中共)による人体組織の照合と強制的な臓器摘出、それに伴う闇市場の拡大を批判している。スミス氏は、中共はこの問題を否定しているが、複数の国際的調査がこの行為を裏付けていると指摘した。

 さらにスミス氏は、最近、中国からの脱出に成功した法輪功学習者、程佩明氏(59)の事例を取り上げた。同氏は2004年の拘束時に肝臓と肺の一部を摘出されており、生体臓器収奪の「生き証人」と例えた。

 程佩明氏は8月9日の記者会見で、2004年11月16日に中国東北部の刑務所で6人の刑務官に押さえつけられ、強制的に麻酔をかけられたと証言した。3日後、目覚めた際には右足がベッドに固定され、静脈注射や各種チューブが挿入されていたという。

 2020年に米国亡命後の検査で、肝臓と肺の一部が失われていることが判明した。報告書には広範囲の手術痕の写真が添付されている。

 中共は程氏の主張を認めていないが、獄中での抗議行動と入院は認めており、間接的に程氏の証言に信憑性を与えている。

 スミス氏はこれらの情報を米紙エポック・タイムズから引用している。同紙について「法輪功と密接な関係があり客観的ではない」との意見を踏まえ、専門家の見解を問うた。ハドソン研究所の信仰自由センターの所長で、中国の暴政問題の権威者であるニーナ・シェイ氏(Nina Shea)だ。両氏による質疑応答は次のとおり。

 スミス氏:この報道の信頼性は?

 シェイ氏:中国の病院が刑務所のシステムと協力して、程佩明氏に同意なしに臓器の一部摘出を行ったことは間違いありません。警官は全ての詳細を認めました。つまり、程佩明氏は入院中の囚人で、本人の同意なしに手術を受けたのです。 私は、彼の肺と肝臓の一部が、将来の臓器摘出や移植のためのテスト、あるいは他の医療実験のために、説明のつかない方法で摘出されたと考えています。私は彼の傷跡、破壊された臓器のスキャン、そしてスキャンを確認したオーストラリア人医師の評価を見ました。私は中共政府がこれらの不正行為を否定することを受け入れられません。

 過去18年間、私は生体臓器収奪について多くの学習者や中国人に取材し、状況を把握してきました。程氏の証言について独立した専門家にも話を聞き、被害者の証言のいくつかの重要な点を確認できました。最後に、中国(中共)政府当局者であり、臓器移植分野の第一人者である黄潔夫氏は、米国務省の人権報告書に記されているように、中国が2015年以前から移植のために囚人から臓器を摘出していたことを認めました。 

 スミス氏:程佩明氏はどうやって(中国から)脱出したのですか?

 シェイ氏:「彼は知恵を絞って病院から脱出しました。彼はタイに逃げました。米国の国務次官補だったロバート・デストロ(Robert Destro)氏は、程氏がタイで中国への強制送還に直面している危険な状況を知りました。そこでデストロ氏は程氏を脱出させ米国で救護したのです。

 スミス氏:中国での生体臓器収奪はどの程度広がっているのですか?  学習者以外にも広がっているのでしょうか?

 シェイ氏:生体臓器収奪は中国で盛んなビジネスであり、12人の国連人権専門家やジャーナリストのイーサン・ガットマン氏(Ethan Gutmann)によれば、あらゆる宗教的少数派が標的にされています。これは、ウイグル族のイスラム教徒など、こうした集団の多くが、中国では常に正当な手続きなしに無期限に拘留されていることや、一般的な犯罪者とは異なり、清潔なライフスタイルが評価されていることも一因です。

 スミス氏は中国共産党による、いわゆる臓器狩りを「極悪非道」と表現。シェイ氏が「盛んに行われているビジネス 」と例えていることから、「現在進行形」の問題であると強調した。いっぽう、この問題に対する他国の動き、批判は消極的であり、中国との貿易関係や外交関係を考慮しているといった点を指摘した。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/9/12/482057.html)
 
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