思いやりの驚くべき力を体験する
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2024年10月27日】それは冬の日でした。私は別の修煉者と一緒に、法輪功への迫害について真実を伝えるために出かけました。高級住宅街に入ると警備員の姿が目に入りました。身長は190センチ以上、30代、ハンサムだが威厳を漂わせています。

 私が法輪大法の素晴らしさと中国共産党(以下、中共)の邪悪な性質について話すと、彼の態度が変わったのが分かりました。私が共産党の組織から脱退することについて話す前に、彼は腕のバッジを指差して、「おばさん、中共についてはあなたと話せません」と言いました。彼が真実を聞く機会を逃したらどんなに残念かと思うと、私は深い悲しみを感じずにはいられませんでした。「あなたは特別な経歴をお持ちですが、私が真相を言わなければ誰が言うのでしょう? 私が言っていることは真実であり、あなたのためです!」と訴えながら、私の目から涙があふれてきました。

 彼は静かに立って私を見つめていました。私の言葉、あるいは私の誠実さが彼の心を動かしたようでした。彼は少し身をかがめ、声を和らげ、「おばさん、あなたが私を中共から脱退するよう説得しようとしているのは分かっています。これまでも、他の人からこの件で相談されたことがありますが、私はいつも断ってきました。今日、私は共産党の全ての組織から脱退します。手助けをしてください。今日はとても寒いですから、おばさんは家に帰った方がいいですよ」と言いました。

 彼に脱退の仮名を与えたとき、私はほっとしました。驚いたことに、彼はその仮名に満足して微笑みました。ちょうどそのとき、別の警備員が彼の交代勤務を引き継ぎ、私ともう1人の修煉者は彼も中共から脱退するのを手伝いました。

 もう一つ記憶に残っているのは、春節の時期、外は凍りつき雪に覆われた日のことでした。私は60代の男性に話しかけ、法輪功迫害の真実を説明しました。しかし、彼は聞くどころか激怒しました。怒りで顔をゆがめ、私を指差して厳しく叱責しようとしました。私は優しく彼に言いました。「私は70歳です。暖かい家で快適に座っているほうがいいと思いませんか? 外は凍えるほど寒いのに、私は寒い中外に出て真実を伝えています。それは本当にあなたのためです。考えてみてください。私が言っていることが真実だったらどうしますか? 信じられないとき、あなたは何を失うでしょうか?」

 話を聞いているうちに、彼の怒りは消え去ったようです。彼は手を下ろして言いました。「泣かないで、あなたを信じますよ。僕は共産党の組織から脱退します、手伝ってください」。私は彼に、「法輪大法は素晴らしい、真善忍は素晴らしい」ということを忘れないように言い聞かせ、反対しない限り大法を信じていなくても大丈夫だと安心させました。彼はうなずいて私に感謝し、反対しないと約束しました。

 また、あの年の晩秋、新型コロナウイルスによるロックダウンで街が閑散としていた頃、私はかごを担いで足を引きずりながら歩いている50代の男性に出会いました。どうやら脳卒中を起こしたらしく、その容貌は衝撃的でした。マスクは汚れ、口からは長い糸のようによだれが垂れて風に揺れ、彼の服はぼろぼろでした。彼はゴミ箱を漁り、何か食べるものを探していました。あまりに不快な光景だったので、私は目をそらしました。

 しかし、そのとき私は師父の次の言葉を思い出しました。「人を済度することは即ちすべての人を済度することであり、人を選ぶことは慈悲ではありません」(『各地での説法九』「二〇〇九年大ニューヨーク国際法会での説法」)

 私は立ち去るわけにはいかないと分かっていました。最初の反応とは裏腹に、私は勇気を振り絞って彼に近づき、「大丈夫ですか? 健康状態が悪いのに、まだ外にいるのですか? 大変でしょう」と言いました。彼は私に話しかけられたことに驚き、ろれつが回らないまま悲しい話をしました。妻は彼のもとを去り、子どもたちは遠くで働き、親戚からも避けられていました。年金の大半は医療費に消え、物乞いをすることが彼が生き延びる唯一の方法だったのです。

 私は同情の気持ちで胸が重くなりながら話を聞いていました。私は彼に言いました。「中共は人民のことを気にかけておらず、何十年もの間、中国人を傷つけてきただけです。私たちは中共と関わるべきではありません。もしあなたが共産党の組織に加入したことがあれば、すぐ脱退すべきです」

 彼は少先隊に入っただけだと言い、脱退することに同意しました。私は彼に、「法輪大法は素晴らしい、真善忍は素晴らしい」と心から唱えれば安全が得られると言いました。彼はその言葉を唱え始めました。

 もう一つの忘れられない出会いは、暑い夏の午後に起こりました。私は、暑さなのか飲み過ぎのせいか顔を赤らめた、おそらく70代くらいの年配の男性に会いました。私が法輪大法について話し始めると、彼は私をあざ笑い始めました。彼の態度を見て、私は立ち去りたくなりました。

 しかし、私は自分の使命を思い出しました。個人的な感情で人を救うのを止めるわけにはいかず、「真面目に聞いてください。私はあなたに伝えたいことがあります」と言いました。

 彼は笑い続けましたが、私は粘り強く真実を説明し続けました。最終的に彼は同意し、偽名を使って中共を脱退しました。振り返ってみると、大法を通じて培った大いなる慈悲と忍耐がなければ、これらの人々を誰一人助けることはできなかっただろうと気づきました。慈悲には、どんなに固い氷も溶かす力があり、手の届かないと思われる人々にも手を差し伸べ、寛容になることを教えてくれました。

 人生は、良いものを得るために善行を積むことではありません。真の善行は利益に執着しないことです。大法弟子は慈悲の心を養わなければ圓満成就できません。これは私が現在考えていることです。法に基づいていないところがあれば、ご指摘をお願いします。

 
(中国語原文:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/8/1/479628.html)
 
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