【明慧日本2024年12月19日】旧東ドイツの著名な人権活動家数人が、12月10日の「国際人権デー」に自発的にベルリンの中国大使館前に集まり、平和的な抗議活動を行った。彼らは新任の中国駐ドイツ大使との面会を求め、連名で抗議文を投函した。この抗議文では、中共に対し法輪功への迫害を即時停止すること、そして不当に拘束されているすべての法輪功学習者(以下、学習者)を即時解放することを強く求めた。
今回の平和的な抗議には、旧東ドイツの人権活動家であるシュテファン・ミュラー氏、ロベルト・ハフマン協会の理事長であるミヒャエル・ハイニッシュ・キルヒ氏、そして彼らの友人たちが参加した。
中共の反人道的残虐行為を非難し、すべての中国の学習者への声援を表明し、横断幕を掲げる旧東ドイツの人権活動家たち |
35年前、彼らはかつての東ドイツで生死を恐れず、独裁政権に対して平和的に抗争し、東ドイツの人々の自由を求めて戦った。同じく35年前、彼らは中共が天安門広場で非武装の学生たちを虐殺したことを知り、中共と東ドイツの権力に屈することなく、中共駐ドイツ大使館に連名で書簡を送り、この虐殺行為を非難した。
35年後の2024年「国際人権デー」に、彼らは再び集結し、中共駐ドイツ大使館の前に足を運んだ。それぞれ「法輪大法は素晴らしい」「法輪功への迫害を停止せよ」「法輪功学習者からの生体臓器収奪は天に背く行為だ」と書かれた横断幕を掲げ、中共が学習者に対して25年以上続けてきた反人道的な犯罪行為を非難した。また、丁元徳氏を含む全ての学習者の即時解放を強く求めた。
「歴史もやがて変わる」と信じる
「悲しいことに、私は再び中共大使館の前で抗議をしなければなりません。35年前、私たちがまだ東ドイツに住んでいたころ、中共による天安門虐殺の罪行に抗議するために街頭に立ちました」と話す、ロベルト・ハフマン協会の理事長であるキルヒ氏は、「今日、私は中国でいまだに中共政権によって弾圧され、苦しめられている法輪功学習者とその家族にこう伝えたいです――勇気を持ち続けてください!」と学習者を励ました。
ロベルト・ハフマン協会の理事長キルヒ氏 |
キルヒ氏は続けて、「歴史もやがて変わる」と信じる、と述べた。
キルヒ氏はさらに、「中国でも世界の他の場所でも、誰もがこの変化のために何かをすることができます。私は常に自分ができる範囲で、あなたたちを支持し、一緒に努力し続けます。そして、これには世界全体の支持が必要です。特に、35年前にベルリンの壁崩壊を目の当たりにしたこのベルリンではそうならなければなりません」と語った。
中国共産党による学習者への迫害を非難するため、35年後再び首都に集結
キルヒ氏の親友であるシュテファン・ミュラー氏も、現場に駆けつけて学習者を声援した。ミュラー氏はキルヒ氏と共に、命の危険を顧みず、仲間たちとともに1989年の東ベルリン地方選挙における不正行為を暴露した。そのため、東ドイツのシュタージによる弾圧と迫害を受けたのである。
ミュラー氏は当時を次のように回想した。「35年前、中共が天安門事件で大虐殺を行った直後、東ドイツ政府の役人は北京に駆けつけ、学生を虐殺した殺人者らに祝意を表した。これには私たちは非常に憤りを感じました。そしてその時、私たちは中国大使館に抗議文を書くことを決めました。1989年6月6日にその抗議文を中国大使館に届けようとしましたが、結果的に東ドイツ警察に逮捕されてしまいました」
著名な人権活動家のミュラー氏 |
ミュラー氏は続けて、「今日、私たちはここに来て、法輪功学習者である丁元徳さん一家や、いまだ迫害を受けているすべての法輪功学習者への強い支持と声援を表明します!」と述べた。
この抗議活動の少し前、ミュラー氏とキルヒ氏は、かつて東ドイツで共に自由を求めて闘った友人たちに連絡を取り、現職の中国駐ドイツ大使である鄧洪波に連名で書簡を送った。さらに、ミュラー氏は自らベルリン警察に電話をかけ、「国際人権デー」に中国大使館前で平和的な抗議を行う旨を伝えた。
ベルリン警察は、この活動が成功裏に行われるよう、警察官を配置した。
抗議文には、約50人が署名し、中共に対して、中国の山東省の刑務所に不当に拘禁されている学習者・丁元徳さんの即時解放を求めた。また、丁元徳夫妻への迫害を直ちに停止すること、ドイツに住む彼らの息子・丁楽斌さんやその他の海外在住の学習者に対する国境を越えた弾圧やスパイ活動をすべて中止するよう要求した。
今回の抗議行動には、著名な元東ドイツ人権活動家であるイヴリン・ツプク氏も参加した。彼女は、ミュラー氏と共に当時の東ベルリン地方選挙で行われた不正行為を暴露した1人である。現在、彼女はドイツ連邦議会で初めてSED独裁政権の犠牲者のための連邦委員を務めている。
中共大使館が抗議活動を阻止しようと試み、ベルリン警察が拒否
抗議文を投函する前、キルヒ氏は中国大使館のインターホンを押し、大使に直接抗議文を受け取るよう求めた。しかし、予想通り、中国大使は現れなかったのである。
中共大使館のポストに抗議文を投函するキルシュ氏(左)、ミラー氏(中央)、学習者の丁楽斌さん(右) |
当初、大使館の職員は1人も現れなかった。しかし最終的に、1人の職員が姿を現わした。彼は大使館の金属フェンスの門の後ろに立ち、最初はハイニッシュ・キルヒ氏がいる方向に向かおうとした。しかし、彼は考えを変えたようで、フェンス越しに現場にいたベルリンの女性警察官の方に向きを変えた。そして、この女性警察官に圧力をかけて、平和的な抗議活動を中止させようと試みた。しかし、このベルリンの女性警察官は彼の要求を無視し、抗議活動が無事成功裏に終了するよう尽力した。
中共大使館員への呼びかけ:中共に残された時間はすでにわずかである
抗議文を投函した後、キルヒ氏は中国大使館の職員に向けて、「拘束されているすべての人々を直ちに解放しなさい!」「今、中国を支配しているのは中共の独裁者だ。だが、中共に残された時間はすでにわずかなので、終わりに近いのです!」と呼びかけた。
最後にキルヒ氏は、「法輪大法(法輪功ともいう)には偉大な真、善、忍の原則があります。人々はこの原則に従うことで、すべてがうまくいくようになるのです」と付け加えた。