中国共産党は中国人から尊厳と多くのものを奪っている
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 【明慧日本2025年2月18日】五千年の歴史を経て、中国人は今、中国共産党(以下、中共)の下で前例のない苦しみに耐えている。私の見解では、中共の残酷さは、共産主義のイデオロギーにおける人間の見方に根ざしている。

 最も古い中国語の書物である後漢時代の辞典の『説文解字』には、「人間は最も貴いものであり、天地の特徴を備えている」と記され、 『礼記』には、人間は「天地の徳」を備えていると表現されている。人間は「陰陽の収束であり、鬼と神をつなぐ架け橋」であり、「五行を代表する」存在である。

 これらの理解は、天と地と人を調和させる中国の伝統文化と一致している。人間には優しさと知恵の能力があり、よりよい人間になろうと努力することで、神性に向かう精神的な道に自らを高めることができる。

 しかし共産主義は、無神論的世界観と進化論を融合させた結果、人間に対する見方が異なる。中共の公式辞書である『新華辞典』によると、人間は「高等動物」で、天と地の文脈で人間を見る伝統的な中国文化とは異なり、話すことができ、労働できる動物と人間を定義している。

 洗脳と人権剥奪

 人類は歴史を通じて、文学、芸術、日常生活を通じて神とのつながりを大切にしてきた。中共は反右派運動(1957~1959年)を通じて知識人を脅迫し、沈黙を守り、無条件に党の方針に従うように仕向けた。中共は、伝統的な中国文化の痕跡を簡単に破壊することができなかったため、学校、職場、家庭内での階級闘争運動である文化大革命(1966~1976年)を開始した。

 伝統的な文化や価値観が組織的に破壊され、多くの中国人は神への信仰や自らの尊厳さえも捨て去った。例えば、今日の中国では、高齢者がわざと車の前に横たわり、怪我をしたふりをして運転手に賠償を要求する「碰瓷(ペンツー)」という現象が広く知られている。「中国の大媽(ダーマ)」とは、40代から60代の女性を指し、無礼で貪欲で挑発的な性格で、中共の政治運動と何十年にもわたる思想教育の結果として彼女たちが身につけた特徴である。

 もう一つの例は結婚で、男女間の忠誠は人間社会の最も重要な特徴の一つである。しかし、マルクス主義の教義はこの概念を破壊しようとしている。中共は「真実の愛」や「開放性」などの言葉を使って人々を乱交に誘い込み、さらに踏み込んでいる。中共の法律も乱交を容認するように意図的に書かれており、結婚生活で浮気をする人に非常に「寛容」だ。こうして性的な乱交が流行したのである。

 中共は中国人の道徳観念を破壊すると同時に、彼らの基本的権利も奪った。政権は法に基づいて国を統治していると主張しているが、中国に住む人々は中共の司法制度がいかに暗く腐敗しているかを知っている。文化大革命は数え切れないほどの不正をもたらし、人々は労働収容所に「思想改造」を受けるために送り込まれた。中共は最近、悪名高い労働収容所制度を廃止したが、反体制派や宗教信者を迫害するために、精神病院、薬物リハビリセンター、その他の法に反する洗脳施設を引き続き利用している。

 汚職は中央政府から地方レベルに至るまで蔓延しており、皮肉なことに、政治法務委員会(PLAC)は司法外の権力を行使できるため、中共の中で最も犯罪率が高い。

 しかし、中国国外の人々は本当の状況を知らない。中共が管理するRednote(小紅書)に殺到した多くの「TikTok難民」は、中国政権を称賛し、米国政府によるTikTok禁止措置を非難している。中国では、一般の人々がFacebook、Twitter(X)、Googleを自由に使用することはおろか、特別なツールの助けなしには外国のウェブサイトにアクセスできず、これらのツールを使用してインターネット封鎖を突破することは中共の法律に違反することを彼らは知らない。

 中共の言論統制の程度は、中国国外の人には想像もつかない。中国では、人々は街頭に出て抗議することができない。1989年6月4日に中共が大学生を虐殺した事実を投稿したり、「法輪大法は素晴らしい」といった文章を書いたりすれば、すぐに逮捕され、拘留される。よく知られた例は、中国のトップキャスターである李佳奇氏が、6月4日の生放送中に戦車型のケーキを披露したために出入り禁止になった。

 中共は人間を動物のように扱う

 若者の多くは、中共が中国の古代文化を覆そうとした一連の運動の後に生まれており、中国経済を発展させ、人々の生活水準を向上させたと主張する中共政権を高く評価している。しかし、実際には中共はどちらも成し遂げていない。中国人の収入が向上した主な理由は、中国人の知性と勤勉さであり、党は中国のビジネス環境を部分的にしか自由化していない。中国人は中共に搾取されていなければ、もっと裕福になっていただろう。

 中国では、数え切れないほど多くの家族が、家やアパートの頭金を払うために六つの財布(夫婦と両親の財布)を空にしなければならなかった。多くの人々は、長い住宅ローン、法外な住宅価格、低い給与に息苦しさを感じている。最近の傾向として、家を買ったり、恋をしたり、結婚したり、子供を産んだりする代わりに、「寝そべり」を選択する人もいる。「房奴(家奴隷:house slave)という言葉は、中国における単なる苦い自己風刺ではない、中共の搾取と抑圧下にある現在の状況である。

 一方、中国の株式市場は肉挽き機だ。当局は市場を操作し利益を搾り取っている。株主達は、自らを「繰り返し収穫されるニラ」と自虐的に呼んでいる。

 新型コロナウイルスのパンデミックの間、中共は極端な隔離、管理、ワクチン接種キャンペーンを実施し、中国全土の人々が苦しんだ。これは中共の傲慢さと中国人を動物扱いする例である。動物には選択権がなく、実験台として使われることが多い。中共が管理を緩めたのは、パンデミックが悪化し、経済が衰退し、若者がロックダウンに反対して「白紙運動」を始めたときだけだった。

 中共がパンデミックの制御に膨大な人員と資金を費やしたことを称賛する人もいる。実際、中共がそうしたのも、外国政府の意思決定に影響を与え、自国の政治体制を輸出するためだった。それは党首が「中国の物語をうまく伝える」ための行動だった。

 数え切れないほどの中国人が亡くなり、全国の火葬場がパンク状態になったとき、中共は懸命にそれを隠蔽した。人口減少による社会問題がもはや隠蔽できなくなると、中共は人々にもっと子供を産むよう促す別のキャンペーンを開始した。それとは正反対に、1970年代には中共は強制不妊手術と強制中絶を実施した。子供を一人余分に産んだら、村全体が不妊手術しなければならなかったのである。

 ターゲットグループから一般大衆へ

 強制中絶の恐怖と流血は、中共のもう一つの凶悪犯罪、法輪功学習者からの生体臓器収奪によって今や凌駕されている。20年前に初めて報告されて以来、移植のための強制臓器収奪は組織化された産業となり、その被害者は法輪功学習者をはるかに超えるものとなっている。

 元文化副部長、元中国文芸連合会党書記・高占祥氏の死去後、メディアは「高占祥氏は長年にわたり、粘り強く病気と闘ってきた。多くの臓器を移植したため、多くの身体部位は自分のものではないと冗談を言っていた」と報じた。

 では、その臓器は誰のものだったのか?  複数回の移植手術に多額の資金をどこから調達したのか?  中共の最高幹部がなぜ長生きするのか、一部の人が推測するのも不思議ではない。中国人はいつでも摘出可能な臓器源を容易に入手できると考えているのだ。

 現在、中共の支配下にある人々は信仰も言論の自由もなく、単に生活する自由もない。中共は神から与えられたすべての権利を人々から奪い、何千万人もの中国人を不自然な死に至らしめた。何億もの中国人家族が迫害され、何億もの胎児が中共の手によって強制的に中絶させられた。

 中共はなぜ中国人をこのように残酷に扱うのか。それは、中共が人々の生命や尊厳をまったく尊重していないからだ。人々が中共を拒絶し、伝統的な価値観を再び受け入れるまで、この現実は変わらない。

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/2/10/490565.html
(English: https://en.minghui.org/html/articles/2025/2/11/225438.html)
 
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