文/章天義
【明慧日本2025年3月25日】この1か月間、多くの人にとって、情報を多方面から収集し、研究・分析することが、真実のニュースを得て偽情報を避ける方法となっている。なぜなら、従来の「主流メディア」はもはや伝統的な意味でのメディアではなく、利益集団の政治的な道具と化してしまったからだ。
この世界では、目がくらむような変化が次々と起こり、人々の心を落ち着かないようにさせている。何が本質なのか? 何に注目すべきなのか? 人それぞれ立場も求めるものも異なり、悟りの深さも違うため、統一した答えは存在しない。ただ一つ確かなことは、最も騒がしく響いているものが、必ずしも最も注目すべきこととは限らないということだ。多くの場合、それはむしろ人々の注意を分散させ、本質を見失わせるものとなっている。
本日取り上げるのは、国際社会が25年間沈黙してきた法輪功の迫害に関する情報、アメリカ上院で再び提出された「法輪功保護法案」についてである。
1. 異常な憎悪と恐怖
1999年7月に中共が法輪功への全面的な迫害を開始して以来、法輪功問題は中共にとって致命的な弱点となっている。中共にとって、真相を隠蔽している時期であれ、「戦狼外交(せんろうがいこう」の時期であれ、国際社会においてどのような交渉でも応じることができるが、ただ一つ、法輪功問題を公に取り上げることだけは絶対に避けようとする。法輪功への残虐な迫害を非難することも、迫害の停止を求めることも、中共にとっては耐えがたいことであり、ましてや「法輪功とは何か」という真相を広めることは、さらに強く忌み嫌われている。
まだこの状況に気づいていない読者は、自ら情報を調べ、分析してみてほしい。1999年7月20日以降の出来事を振り返れば、中共の戦略とその軌跡がはっきりと見えてくるはずだ。
言い換えれば、中共は国際社会からの責任追及の圧力、貿易関税への反発、ウクライナやロシアでの利益喪失への懸念よりも、法輪功の人権擁護や真相の公開に対してはるかに強い恐怖を抱いているのだ。法輪功への迫害を維持し、その真相を隠蔽するために、中共は国内外でどれほどの資金を密かに投じ、どれほどの人々を買収し、どれほどの特殊な身分の工作員を各国や国際機関に潜入させ、どれほどの集団虐殺の手法を用いてきたのか。その全貌を中共の最高指導者ですら把握しきれていないかもしれない。しかし、その規模の驚異的な大きさは、イーロン・マスク氏の「政府の効率部門」によって暴露された闇のリストにも匹敵するほど衝撃的なものである。
2. アメリカ上院で再提出された「法輪功保護法案」
2025年3月3日、アメリカ上院議員のテッド・クルーズ氏は、上院で「法輪功保護法案」を再び提出し、中共が今なお法輪功学習者に対する強制的な臓器摘出という暴虐行為に関与していることを指摘した。この法案は、強制的な臓器摘出に関与した個人や共謀者に制裁を科し、中共に対して責任を追及するとともに、アメリカ国務長官に対し、中共の臓器移植政策とその実態について議会へ報告することを求める内容となっている。
8か月前の2024年6月25日、この法案はペンシルベニア州の連邦下院議員スコット・ペリー氏によってアメリカ議会の下院で提出された。当時、下院ではこの法案が可決されたものの、上院では十分な審議が行われず、さまざまな要因によって今まで遅れをとっていた。しかし、このような法案は、上院と下院の両方で可決されて初めて、大統領の署名を経て連邦法として成立し、効力を持つことになる。そのため、今年3月3日(月曜日)、上院議員テッド・クルーズ氏は改めて「法輪功保護法案」を提出し、中共による法輪功学習者への組織的な拷問、監禁、迫害に対し、アメリカはこれ以上沈黙を続けるべきではないと訴えた。
ペリー下院議員とクルーズ上院議員によるこの提案は、アメリカ国民の未来にも関わる重要な行動である。しかし、過去8か月間、多くの人々は未だに心を静め、神の視点からこの問題を理解し、深く考えようとするには至っていない。
3. アメリカ・ミズーリ州の損害賠償判決
同時に、先週の金曜日(3月7日)、アメリカ・ミズーリ州の裁判官は、中共が新型コロナウイルスの対応に失敗した責任を認定し、個別および共同で約245億ドルの賠償金を支払うよう命じた。さらに、判決後に発生する利息も加算される。この損害賠償請求訴訟では、中共および中国政府、中国の衛生部、緊急管理部、民政部、湖北省政府、武漢市政府、武漢ウイルス研究所、中国科学院が被告として名指しされた。ミズーリ州の司法長官ベイリーは声明の中で、「中共が法廷への出廷を拒否したからといって、無数の苦しみと経済的損害をもたらした責任から逃れられるわけではない」と強調した。さらに、ミズーリ州は中共が同州内に所有する資産(農地を含む)を差し押さえ、損害額の回収を図る方針を示した。
多くの人々は、ミズーリ州のこの判決が、アメリカ各州が中共に対してパンデミックの責任を追及し、アメリカ国内の中共資産を没収するための成功例となると考えている。これを「人道的」な歴史的先例と呼ぶならば、上院議員テッド・クルーズ氏が再び提出した「法輪功保護法案」が上院を通過し、トランプ大統領の署名を経て法律として成立すれば、それはアメリカがさらに「天道」に適った国となることを意味するだろう。同時に、それは中共の正当性を失わせ、中国人民の解放につながる、より画期的な歴史的勝利となるはずだ。
4. 中共による法輪功迫害について
1999年7月、中共および江沢民政権は、個人的な嫉妬と「真・善・忍」への恐怖から、1 億人に及ぶ法輪功学習者に対する残酷な迫害を開始した。中共の法輪功に対する迫害政策は、「名誉を失墜させ、経済を破綻させ、肉体を抹殺する」というものである。アメリカの人々が過去4年間にトランプ氏が経験した困難を振り返れば、中共のこの迫害手法について、ある程度理解できるかもしれない。そして、法輪功学習者たちは、この政策のもとで、すでに26年近くも生活を余儀なくされている。
明慧ネットの報道によると、2025年1月から2月の間に、518人の法輪功学員が中共当局によって不当に拘束され、嫌がらせを受けた。また、直近の2024年1年間では、5692人が同様の迫害を受け、そのうち764人が違法に判決を受け、164人が迫害によって命を落とした。しかし、これは氷山の一角に過ぎない。この迫害の全貌、すなわち「法輪功とは何か」、生体からの強制臓器摘出に関与した組織・個人・証拠の詳細などは、今もなお中共によって厳重に隠蔽され、否認され続けている。
第二次世界大戦の終結からすでに80年が経ち、「世界人権宣言」の発表から77年が経過した。しかし、中共は多くの法輪功学員に対して、人道や人権を完全に無視した扱いを続けている。その迫害手法は、以下に挙げるものを含むが、これに限られるものではない。
(1)ハイテク監視
中共の機関誌『人民日報』によると、「天網」と呼ばれる監視システムは、リアルタイムで自動車、バイク、歩行者を識別し、車両の種類、歩行者の服装、性別、年齢まで正確に判別できる。わずか1分以内に、14億人のデータから特定の個人を特定することが可能だという。
中共はすべての中国人に対して「一人一档」(一人一つの電子ファイル)を作成しているが、法輪功学習者の「個人ファイル」は特に重点的に監視されている。彼らが高速鉄道や公共の場に現れると、警察の尋問や荷物検査を受けることが頻繁にある。
さらに、中共は国際的な利益集団の支援を受け、製造業のサプライチェーンで優位に立ち、最先端のハイテク技術を獲得した。しかし、これらの資金と技術は、中国国内に世界最高密度・最大規模の監視システムを構築するために投入された。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する「ビッグ・ブラザー(監視者)」は、すでに中国本土において現実のものとなっている。中共は自国民を全面的に監視・迫害する一方で、アメリカとの対決を企んでいる。
(2)恣意的な逮捕と拷問
中共は1996年から法輪功学習者のリストを収集しており、彼らを常に監視・逮捕する体制を整えている。最先端の技術を駆使した監視だけでなく、刑務所内では、文明社会ではすでに廃止された残虐な拷問が行われている。
中国共産主義体制の下では、監視カメラのない密室で、警察による法輪功学習者への拷問が行われている。電気ショック、頭から熱湯を浴びせる、タバコの火で焼く、「虎の椅子」に座らせる、手錠を後ろ手に掛けて吊るす、排泄物を強制的に飲ませる、冬に薄着で長時間屋外に立たせる、夏に炎天下で放置する……。これはほんの一部に過ぎない。明慧ネットの報告によると、中共が法輪功学員に対して行っている拷問の手口は100種類を超えるという。
(3)生体臓器収奪
法輪功の修煉によって心身の健康を得た学習者たちを「生きた巨大な臓器バンク」として利用し、必要な時に臓器を摘出して売買している。これは人類史上かつてない残虐行為であり、中共の公安・司法・軍・医療機関が人間を獣や悪魔へと変えていく最も速く、最も効率的な手段である。
結論:法輪功問題は中共の致命的な弱点
ことわざに「蛇を打つなら七寸を狙え」ということわざがある。貿易は中共が世界を支配する手段であり、戦争は中共が危機を転嫁する手段である。中共はどのような意味においても改革可能な政党ではなく、人類に敵対するサタンが「政治改革」を通じて聖人になることなどあり得ないのと同じである。
「真・善・忍」は、人の信仰、民族、年齢を問わず、この世界にとって百利あって一害なしの普遍的な価値観である。それを最大の敵と見なし、根絶やしにしなければ気が済まない存在が、宇宙における悪魔でなくて何であろうか? 人がもし、甘い期待を抱き、悪魔と踊るならば、その結末は決して良いものにはならない。
人それぞれに業力と因縁は異なるが、創世主はすべての人に奪うことのできない権利を与えている。人が自らを創造主の子と認識し、善を持ち、道義を大切にすることで、正義は邪悪に打ち勝つことができるのだ。
この歴史の重要な瞬間において、表面的には混乱しているように見えながらも、実際には神へと、伝統へと回帰していく世界の中で、「真・善・忍」への支持は、個人や国家の最終的な運命を左右する。そう遠くない未来に、このことはすべての幸運な人々の目の前で証明されることになるであろう。
神は人の心を見ている。この重大な問題において正しい選択をする人々こそ、真に祝福された者なのだ。