【明慧日本2025年5月7日】(米国ワシントンDC=明慧記者・李静菲)アメリカ合衆国下院は5月5日午後(アメリカ時間)、全会一致で『法輪功保護法案』(Falun Gong Protection Act)を可決した。アメリカの国会議員は、この法案は画期的なものであり、アメリカ議会が初めて拘束力のある形で、法輪功学習者(以下、学習者)への迫害および学習者からの生体臓器収奪に関与した者に対して法的制裁を行うことを約束したものだと述べた。法案は、中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害を即時に停止するよう求めている。
H.R.1540法案、別名『法輪功保護法案』は、ペンシルベニア州選出の共和党連邦下院議員スコット・ペリー氏によって提出された。今後は上院に提出され、可決後に大統領が署名すると法律として成立となる。
ペリー議員は、前回の議会開会中にも『法輪功保護法案』を提出しており、2024年6月25日にはアメリカ合衆国下院で同法案が可決された。
第119回合衆国議会の開会が始まってまもなく2025年2月24日、ペリー議員は『法輪功保護法案』を提出し、同法案は再度、下院で全会一致で可決された。
5月5日午後、アメリカ合衆国下院は全会一致で『法輪功保護法案』を可決した。写真は、法案を採決する前にスピーチする法案の発起人である共和党連邦下院議員スコット・ペリー氏 |
『法輪功保護法案』の公式ウェブサイトのスクリーンショット https://www.congress.gov/bill/119th-congress/house-bill/1540 |
ペリー議員「中共の法輪功迫害は人道に対する罪であり、即時に停止しなければならない」
法案の採決に先立ち、スコット・ペリー議員は下院議事堂で同僚に対し、中共による学習者への組織的な迫害に共に反対するよう呼びかけた。ペリー議員はこのように述べている。「このような野蛮な行為は終わらせなければならない。即時に終わらせなければならない」
「法輪功は『真・善・忍』を原則とする精神的修煉法です。1999年当時、およそ7,000万人、すなわち中国人口の約5〜7%が法輪功を修煉していたと推定されています。法輪功の広がりは中共の激しい反発を招き、法輪功学習者に対する違法な拘束、強制労働、拷問、そして最も恐ろしいのは臓器の強制摘出という、まさに大量虐殺に等しい行為が行われています。1999年7月20日には、数十万人の法輪功学習者が拘束され、修煉が全面的に禁止されました。それ以来、迫害はますます激しさを増しています」
ペリー議員は、独立中国法廷の調査結果は衝撃的であり、中国における臓器移植の件数と登録された臓器提供者の数との間には、信じがたいほどの大きな隔たりがあると指摘している。同氏は、強制的な臓器収奪は長年にわたって中国で大規模に行われており、法輪功学習者がその主要な臓器提供源とされている。学習者は、この野蛮な臓器強制収奪システムの主な被害者である。中共は、学習者の信仰を根絶するために、迫害、拘束、殺害、拷問、さらには屈辱を与えている。これは単なる人権侵害ではなく、人道に対する重大な罪だと述べた。
『法輪功保護法案』は、(加害者に対する)制裁の実施に向けた道を切り開く
ペリー議員は次のように述べている。「H.R.1540号法案は、前進に向けた歴史的な一歩です。これは、アメリカ連邦議会が初めて、法輪功学習者への迫害や臓器の強制摘出に対して、拘束力のある約束を行い、断固たる法的措置を取ることを明言しています」
「この法案は、中国における臓器強制摘出に関与または加担した人物に対して制裁を科し、国務長官に対して、中共の行為が人道に対する罪あるいはジェノサイドに該当するかどうかを調査し、中国の臓器移植政策について報告するよう求めています」
「また、この法案は、アメリカの基本方針として『中共が政権を握っている限り、アメリカは中国との間で違法な臓器移植産業に関するいかなる協力も行わない』という立場を明確にしています」
ペリー議員は、「『法輪功保護法案』は、責任の追及、制裁の実施、加害者への処罰、そしてこれらの残虐行為に加担した共謀者を確認することに道を切り開いています」と述べた。
ペリー議員「アメリカは永遠に『真・善・忍』を守り続ける」
ペリー議員は次のように述べた。「アメリカはこれ以上、傍観することはできません。我々は自らの権威を活用し、世界のリーダーとしての立場を生かして、こうした行為を抑止しなければなりません。そして全ての人々に対して明確なメッセージを発するべきです。我々はこのような人間の尊厳や人性への侵害を決して容認しないし、いかなる国、いかなる民族であっても、それを容認すべきではないのです」
彼は議会の同僚に対し、『法輪功保護法案』への支持を呼びかけた。「これは法輪功学習者のためだけでなく、中共の抑圧と専制のもとで苦しんでいる何百万人もの人々のためでもあるのです」と述べた。
ペリー議員は、「我々は、アメリカが永遠に真、善、忍を守り続けることを再確認します」と語った。
下院外交委員会委員長「『法輪功保護法案』を強く支持する」
5月5日、議会でスピーチするフロリダ州選出の共和党下院議員、下院外交委員会委員長のブライアン・マスト氏 |
下院外交委員会の委員長であり、フロリダ州選出の共和党議員ブライアン・マスト氏は、採決前に発言し、『法輪功保護法案』の発起人であるスコット・ペリー議員および共同提案者の議員に感謝の意を表した。
同氏は「この法案は、国家が発動した暴力を用いて迫害された人々から利益を得ることを、アメリカは決して容認しないという明確な意思を示すものです」と述べた。
マスト氏は与野党の下院議員に対して、「この立法を強く支持するよう」促した。
アメリカの与野党議員が中共への責任追及を支持
『法輪功保護法案』を共同に提出したアメリカ連邦議会下院の与野党議員。写真は左から右へ、上段から下段への順:テネシー州選出の共和党連邦下院議員 アンディ・オーグルス氏、ウィスコンシン州選出の共和党連邦下院議員トム・ティファニー氏、ニューヨーク州選出の民主党連邦下院議員パット・ライアン氏、サウスカロライナ州選出の共和党連邦下院議員ジョー・ウィルソン氏、フロリダ州選出の共和党連邦下院議員ガス・ビリラキス氏、メリーランド州選出の民主党連邦下院議員ジョン・A・オルゼフスキ・ジュニア氏 |
『法輪功保護法案』が下院で全会一致で可決された後、両党の議員は中共による法輪功への迫害の残虐な暴行を非難し、中共に対する責任追及と迫害者への制裁を求めた。
テネシー州選出の共和党連邦下院議員アンディ・オーグルス氏は、次のように述べた。「中共は国家が支持する邪悪な運動の中で、法輪功学習者を追跡し、拷問や監禁を加え、彼らの臓器を強制的に摘出しています。私は、ペリー議員が提案したこの法案を共同で提起できることを光栄に思います。この法案は、これらの反人道的犯罪を罰し、中共の臓器密売者が我々の国に入ることを禁止するものです」
ニューヨーク州選出の民主党連邦下院議員パット・ライアン氏も、この法案の共同提案者の一人であり、次のように述べた。「この取り組みが超党派でこれほど広く支持されたことを誇りに思います。」そしてこう続けた。「私は、臓器売買に関与する者の重大な犯罪行為の責任を追及するために全力を尽くしています。今後も、世界のどこであろうと、人権を制限し宗教団体を迫害する行為には、断固として反対し続けます」
ウィスコンシン州選出の共和党連邦下院議員トム・ティファニー氏は、次のように述べた。「中共による法輪功学習者への迫害、拷問や強制的な臓器摘出を含む行為は、極めて野蛮です。アメリカはこうした残虐行為を決して容認すべきではありません。『法輪功保護法案』は、中共に責任を取らせるための重要な一歩です」
サウスカロライナ州選出の共和党連邦下院議員ジョー・ウィルソン氏は、次のように述べた。「この法案は、中共による法輪功学習者への残酷な弾圧に対し、正義を実現し責任を追及するための一歩を踏み出すものです」
フロリダ州選出の共和党連邦下院議員ガス・ビリラキス氏は、次のように述べた。「強制的な臓器摘出を行う者に制裁を科すことは、道義的な責任です。このような行動を通じて、命の尊厳と人間の尊厳を侵害する恐ろしい犯罪に対して、強い立場を示すことができます」
「中共の恐ろしい人権記録と、法輪功や他の宗教的少数派への継続的な迫害を鑑みると、この立法は特に重要です。この法案が、中共の忌まわしい行動を変える一助となり、抑圧や深刻な虐待に苦しむ人々へのより大きな保護につながることを願っています」
メリーランド州選出の民主党連邦下院議員ジョン・A・オルゼフスキ・ジュニア氏は、採決前に連邦下院で『法輪功保護法案』への支持を表明し、次のように述べた。「このような残酷(罪行)に直面して、私たちは沈黙していてはなりません。被害者と共に立ち上がり、彼らが忘れられていないことを示し、迫害者が法の裁きを受けるようにしなければなりません」
(『法輪功保護法案』の訳文は、米下院で「法輪功保護法案」可決を参照)