同修の救助における「弁護士への依存」から「主体的な行動と同修の家族との協力」への転換
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2025年3月30日】2018年から私は、中国共産党(以下、中共)に不当に拘束され事実無根の罪を着せられた同修を弁護士と共に救出する活動に参加し始めました。当初は法律を全く理解しておらず、完全に弁護士に頼りきりでしたが、徐々に法律を学び、弁護士を依頼する時の各段階を把握し、家族を動員して家族も法廷で同修の弁護を行うように協力してもらい、さらに弁護士と協力して法廷で真相を伝え同修を救出するというように、以前よりも効果的に行えるようになりました。

 しかし、救出活動のたびに新たな課題があり、その課題の中で私たちは修煉し、向上する必要があります。今日交流するのは、これまでの活動から得られた多くの教訓や成果のほんの一部に過ぎません。

 初めて傍聴した体験と失望

 2018年、地元の同修が真相を伝えたために不当に迫害され、無実の罪を着せられ、裁判にかけられることになりました。私たちは、当時全国の弁護士界で名声を得ていた人権派弁護士に依頼し、裁判にかけられることになったこの大法弟子のために無罪弁護をしてもらいました。当事者(訳注:裁判にかけられることになった同修)の娘は、弁護活動に協力して弁護士と共に法廷に立ち、弁護活動を行いました。

 弁護活動に協力する家族は、裁判所からの通知を受け取った後「公判前日に来てもらい、公判弁護で弁護士とどのように協力すればよいか」について教えてほしいと弁護士に希望しました。

 しかし、残念ながら弁護士は弁護活動に協力する家族と公判前の交流や意思疎通を図らなかっただけでなく、当日の午前10時に開廷するにもかかわらず、弁護士は当日の早朝に地元のホテルに到着し、午前4時頃に弁護活動に協力する家族にタクシーで訴訟記録(訳注:裁判に関連する記録一式)をホテルに届けるように伝えました。以前に弁護士が訴訟記録を閲覧した時、弁護士が弁護活動に協力する家族に訴訟記録を保管させていたためでした。開廷まで、弁護士は弁護活動に協力する家族と公判中の協力方法について意思疎通を図らず、被告人(訳注:裁判にかけられることになった同修)と面会して公判前の助言をする時間もありませんでした。

 大法弟子が傍聴に参加できることは非常に稀であり、幸運なことに、その日は5人の同修が全員無事に法廷に入ることができました。私自身は法律を学ぶことに時間を費やすことを嫌い、大法弟子の頭の中には大法のことだけが入っていれば良いと考えるタイプでした。そのため、傍聴中も、訴訟手続きや捏造された証拠に対する検察庁の弁論(訳注:検察官の主張を法廷で述べること)や証拠調べなどについては、全く理解していませんでした。しかし、公判中のいくつかの場面は、今でも鮮明に記憶に残っています。

 検察官が起訴状を朗読した後、その過程で被告人に「・・・あなたはどれくらいの人に真・善・忍を伝えましたか?」と尋ねました。私はその時、心の中で「今の司法関係者は、人間としての最低限の良心さえ失ってしまったのか。真・善・忍が間違っているというのか?! こんな質問をする人が、まさか『優秀』な検察官だとは」と思いました。被告人は拘置所で断食をした後、身体に異常が現れ、意識がはっきりしていませんでした。

 弁護士は検察官の質問に答えず、この一連のやり取りについて検察官に反論することもありませんでした。

 公判中、私にとってさらに理解しがたかったのは、弁護士の発言中に裁判官と陪審員(訳注:被告の有罪または無罪を判断するために選ばれる一般市民)がそれぞれ3回も弁護士の発言を遮り、法廷で弁護士に「あなたは無罪弁護をするのですか、それとも有罪弁護をするのですか?」と質問したことです。弁護士は裁判官にも陪審員にもどちらにも直接には答えず、結局、法廷で「法輪功は邪教ではありません(注:中共こそ真の邪教です)、合法です」と答えることもありませんでした。

 当時、私は証拠の信憑性を検証するための質疑応答の目的や、無罪を証明する証拠を法廷に提出したり、違法な証拠を排除したりといった概念も理解していませんでした。私たちはこれまで法廷で弁護士の無罪弁護を傍聴したことがなかったので、その公判で裁判官が弁護士に何度も「あなたは有罪弁護をするのですか、それとも無罪弁護をするのですか?」と質問した時、傍聴していた私たち全員が弁護士の対応に非常に戸惑いました。私たちは無罪弁護の弁護士を依頼したのに、なぜ弁護士は堂々と裁判官に真相を伝えないのでしょうか?

 当時、法輪功の弁護をしてくれる弁護士を見つけることは非常に困難でした。また、法制度上の弁護士が無罪を主張する弁護活動を行う権利が形骸化していることも知らず、無罪の主張を弁護士にどのように伝えればよいのか分からず、弁護士の弁護活動は非常に受動的なものになってしまいました。最終的に、同修は不当に懲役3年6カ月の判決を受け、家族は仕方なく全額の弁護士費用を支払いました。

 法廷で弁護士を解任し家族が法廷で弁護

 2カ月後、再び大法弟子の弁護を何度も担当している別の弁護士に出会いました。被告人は私たちの地元で真相資料を配布したために不当に拘束された、他の県の若い同修でした。

 公判前に、拘束された同修は家族の同修に手紙を書き「弁護士は、私が裁判官に罪を認めれば早く釈放されると言っている」と伝えました。同修の家族はそれを聞いて非常に心配し、わざわざ私のいる市に来て、被告人(訳注:拘束された同修)が書いた手紙を私たちに見せました。

 法律を多少理解している同修は、直ちに裁判所に親族弁護の申請をし、家族自らが弁護することを決定しました。家族に付き添って裁判所に行き、裁判長を探し出し、親族弁護人として選任されるよう申請し、裁判官に「私たちは現在の弁護士を解任します。彼は私たち被告人に罪を認めるようにと言っています。私たちは無罪弁護の弁護士を依頼したので、裁判官には親族弁護人の出廷に支障がないようにしていただきたい」と伝えました。裁判官は当初は拒否しようとしましたが、同修の強い主張により、裁判官は同意しました。

 開廷前日、弁護士が地元に来たので、弁護士を解任するのは難しいと感じ、私たちは家族に同行して弁護士に会いました。もし弁護士が公判前に被告人と面会し、有罪弁護の考えを改めれば、弁護士と親族弁護人が一緒に法廷で弁護することにしました。私たちは弁護士と話し合うことにしましたが、その日は数時間かけても弁護士と連絡が取れず、最終的に弁護士を躊躇なく解任することにしました。

 公判前に、救出活動に参加している同修が親族弁護人のために弁護陳述書(訳注:同修の無罪を主張するために同修の親族が裁判所に提出する文書)を用意しましたが、当時私たちは手続きを理解しておらず、親族弁護人のために証拠調べ意見書(訳注:提出された証拠に対する意見をまとめた書面)を用意することもありませんでした。証拠調べ段階の弁護については、親族弁護人はさらに理解していませんでした。

 公安が同修を陥れるために作ったいわゆる証拠を検察官が法廷で読み上げた時、被告人は一瞬唖然としました。捏造されたすべての証拠、同じ部屋を借りていた別の同修の物品を含めて、すべて被告人の犯罪証拠として扱われているのを見たからです。被告人はすぐに不服を申し立てましたが、捏造された証拠が成立しないことを法律用語を使って否定する方法を知りませんでした。

 裁判官は捏造された証拠の数を救出活動に参加している同修に認めさせるために「○○さん、あなたはもう成人ですよね?」と言いました。同修に説明する時間を与えず、裁判所は検察庁が捏造して作った資料の数を採用しました。親族弁護人は証拠調べの段階を全く理解しておらず、どうすることもできませんでした。

 弁論(訳注:検察官と弁護人がそれぞれの主張を述べること)の段階になり、裁判官は親族弁護人に弁護意見を述べるよう促しました。親族弁護人は弁護陳述書を取り出して読み上げました。大法弟子に不当な判決を下す法廷で、親族弁護人が弁護士のように被告人のために無罪弁護を行うのを聞くことができ、私たちは法廷の傍聴席に座って非常に安堵しました。しかも、裁判官は親族弁護人の発言を遮ることなく、すべて読み終えるまで聞きました。私たちは非常に感慨深く思いました。

 私たちが得た経験から、救出活動に参加している同修にここで注意していただきたいことは、法廷では証拠が重視されるということです。

 私たちは、法廷で検察庁が私たちに大法書籍の所持、真相資料やCDの配布といった罪を着せた時に、捏造された証拠の「三性」(訳注:証拠の信用性を判断するための3つの要素。証拠が本物であること、証拠が案件と関連性があること、証拠の収集過程が法律に違反していないこと)をすべて否定し、同時に法律の適用において、私たちに強要された罪名である「刑法」300条と、量刑の根拠として強制的に適用された最高裁判所と最高検察庁の司法解釈(法釈[2017]3号)に対して、私たちに有利な既存の法律を用いて、最高裁判所と最高検察庁の司法解釈が有罪判決の根拠として不適切であることをあらゆる側面から主張することが、私たちが突破すべき重要な点です。

 しかし、私たちは弁護士を雇う時、弁護陳述書にばかり注目しがちで、初期段階で、強要された罪名や捏造された証拠を全面的に否定するために、どのような法的文書を提出する必要があるか、また、検察官による逮捕の承認や捜査機関である警察による捜査における違法な手続きを告発するためにどのような努力が必要なのかということを軽く見ていました。

 裁判官は被告人に答えるように促しましたが、被告人はどのように否定すればよいのか全く分かりませんでした。法廷弁護は証拠に基づいて行われるため、弁論がどんなに優れていても、捏造された証拠を全面的に否定しなければ、深刻な迫害を受けることになります。

 中共は大法弟子を迫害すると同時に、弁護士の道徳心も束縛しました。大法弟子への全面的な迫害を達成するために、政法委員会が背後で司法制度を操り、法輪功の無罪弁護をした弁護士は弁護士資格を剥奪されるため、弁護士の本来の無罪弁護権が制限されました。そのため、私たちは後になって初めて、以前の弁護士が法廷でどのような状態にあったのかを本当に知ることができました。さらに、私たちの依存心が無罪弁護を形骸化させてしまい、弁護士という生命にとっても良くなく、大法の資源も浪費してしまいました。あの傍聴以来、私たちは弁護士を雇う時には特に慎重になりました。

 弁護士に責任を負わせると同時に大法弟子は自身の責任を果たすべきである

 2021年初頭になって、私たちの地域の同修のYさんが不当に拘束されたことをきっかけに、私たちは弁護士を雇う方法を変え、地元で縁のある弁護士を探すことに重点を置きました。紹介を通じて地元の弁護士に会いましたが、法輪功の無罪弁護に関する具体的な要求について話したところ、弁護士は明確に、もし弁護士たちが法廷で私たち同修のために無罪弁護をし「法輪功は邪教ではない」と発言すれば司法局から「圧力を受けるだろう」、ということを告げました。それは弁護士資格を剥奪される危険があることを意味しました。その弁護士自身も以前、新疆で著名な人権派弁護士が担当した事件に関与しており、監視対象になっていました。

 この弁護士は確かに良心的な弁護士で、なぜ弁護士が法廷で私たちのために無罪弁護をすることができないのか、その実際の状況を教えてくれました。

 その後、複数の弁護士事務所を訪れましたが、いずれも法輪功の案件はいわゆる関与を避けたがる案件であるため、契約に至ることはありませんでした。ある弁護士は「私は無罪弁護をすることができます。手続き上は可能です(つまり警察の違法行為の面で)。しかし、実質的な面ではできません(つまり法輪功が邪教ではないという点については、弁護士たちは関与しない)」と言いました。その弁護士の弁護士事務所には、法輪功(迫害)に関する案件の無罪弁護をしてはならないという規定があるからでした。

 このような状況下で、私たちは家族と相談し、適切な弁護士が見つからないため、まず留置場近くの弁護士を探し、まず同修と面会し状況を把握した後、捜査機関が犯罪事実もなく、法的根拠もない状況下で私たちに罪をなすりつけた捜査機関の違法行為を告訴することにしました。単なる弁護士との面会は、事件担当部署に手続きを提出する必要はありません。単なる面会であれば弁護士に圧力はなく、費用も安くなります。このようにして、私たちは当事者の同修に確認する必要のある逮捕の経緯と警察の尋問に対応するための法律知識を面会記録にまとめ、弁護士に同修に伝えてもらうように依頼しました。

 その後、私たちは公正論壇(訳注:大法弟子のために人権侵害や法律問題について情報を共有するオンラインプラットフォーム)の専門家の指導の下、親族弁護の申請を開始すると同時に、捜査機関の違法行為に対する告発を行い、検察長と面会し、法的根拠を示すよう要求しました。

 検察長は「私たちは全過程を録音録画しています。もし犯罪内容に異議があれば、法廷で表明することができます。捜査機関が犯罪事実を捜査することは彼らの権限であり、検察機関は職権に基づき被疑者の逮捕を承認します。具体的な罪名の確定は裁判所が行います」と言いました。家族は「彼女(被告人)はどのような罪を犯したのですか? 公表されている邪教の中に法輪功はなく、有罪判決の根拠とすることはできません」と言いました。検察官は「邪教であるかどうかはここで議論することではありません・・・」と言い逃れました。

 この検察官の責任回避から、私たちは同修に関するこの案件の本質的な問題について話すと、上から下まで誰もが言い逃れをし、公に話すことを恐れていることが分かりました。

 家族が継続的に検察庁の違法な行為を関係機関に知らせ、同時に、検察庁の違法な行為を関係機関に知らせるための書類のコピーを裁判官に送付したことにより、情報公開の申請、行政不服審査(訳注:検察庁の違法な行為に対して家族が是正を求めること)、行政訴訟(訳注:検察庁の違法な行為に対して家族が裁判所を通じて是正を求めること)の準備が進められ、その後の公判前整理手続(訳注:公判前に裁判官、検察官、弁護人が争点や証拠を整理する手続き)、親族弁護人の記録閲覧申請、および被告人との面会のための一定の基礎が築かれました。この案件は、私たちの地域で初めて親族弁護人が記録閲覧と被告人との面会(複数回)の権利を獲得した事例となりました。

 その後の数年間、私は多くの大法弟子の救出活動に次々と参加し、弁護士や親族弁護人と様々な接触や交流を持ちました。意見を出し合い、交流を通じて良い役割を果たした弁護士もいれば、親族弁護人と協力して被告人の同修を弁護し、捜査機関の違法行為、警察の違法な職務執行、拷問による自白の強要などを告発し、良い結果を得た弁護士もいました。次第に私たち大法弟子は様々な法律知識や経験を蓄積し、様々な環境や救出活動において主導的な役割を果たすようになりました。紙面の都合上、ここでは詳細を割愛します。

 結び

 近年、同修を救出する過程で、弁護士と協力する中で私たち自身も成長し続けています。弁護士に完全に依存していた状態から、自らが主導し弁護士と協力する役割を果たすようになりました。関連する法律知識を独学し、公正論壇の専門家の指導を仰ぐことで、法律を駆使して迫害に対抗し、同修を救出するスキルを向上させ続けています。同時に、中共による法律の濫用を監視しています。

 この交流文を書いている過程で、同修の救出活動に協力する中で自分自身の修煉における至らなさを認識し、自身の行動を正しています。現在、私たちは弁護士とお茶をしたり食事をしたりする時、自分たちの費用を支払うようにしています。ある同修は、同修の救出活動のために自分で車を運転して奔走することがあり、また、別の同修は、家族が弁護士と円滑に協力できるように、自費で家族を食事に招待し、協力事項について話し合っています。救出活動に参加できる同修は限られていますが、皆がお互いを理解し合い、今日まで粘り強く続けており、一人一人が成熟し、独り立ちできるようになっています。

 また、同修、弁護士、同修の家族と協力する過程で、私は成果に過度にこだわり、異なる見解や意見に対して、修煉者の寛容、忍耐、慈悲を示すことができず、多くの場合、不満や非難、道徳的に良くない側面が顕著に現れました。

 師父が法を正すことをお手伝いする残り少ない時間の中で、私は常に執着心を取り除き、周囲から評価されたい心を絶えず取り除き、神への道を絶えず登り続けなければなりません。

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/3/16/488826.html
 
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