【明慧日本2021年9月2日】米国バージニア州キャロライン郡のボーリング・グリーン町議会は8月5日、中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害及び法輪功学習者(以下、学習者)に対する臓器狩りを強く非難する決議案を採択した。地元住民、特に臓器移植を目的とした海外渡航を予定する人々に臓器狩りの真実を知らせ、中国で移植手術を受けることで別の命が犠牲になる可能性が高いという大きなリスクについて、様々なルートを通じて広く周知していくとした。
今年に入って、バージニア州では他にも17の地方自治体が類似の決議案を採択している。ボーリング・グリーン町の副町長を含む複数の高官は、メディアのインタビューに応じ、学習者の真実を広めるためのたゆまぬ努力、堅持および優しさに、心から感謝と賞賛の意を表した。
中共による法輪功への迫害を非難する決議を採択する町議会 |
非難決議案 |
非難決議案には、こう記されている。
「法輪功は、『真・善・忍』を核心的価値とした気功瞑想を取り入れた精神修養法で、1990年代に中国で広く普及していた」
「1999年7月、中共は法輪功の消滅を目的とした厳しい全国的な迫害を開始した」
「中国では、移植手術用の臓器を得る目的で、主に学習者をはじめとする良心の囚人や他の宗教団体および少人数集団のメンバーが大量に殺害されていることについて、広範で信憑性の高い報告がある」
「(中共による)法輪功への迫害、および中共政権によるすべての良心の囚人に対して今でも行われている国家主導の臓器狩りの行為を、最も強い言葉で非難する」
「ボーリング・グリーン町内および周辺地域の住民や医療関係者に『臓器移植を目的とした中国への渡航リスク』を説明し、地元住民らが(中共の)国家公認の良心の囚人からの臓器狩り行為に不用意に加担しないようにする」
副町長「学習者からの情報で目から鱗が落ちた」
ボーリング・グリーン町の副町長であるバラリー・コイル氏はメディアに対し、中共による学習者からの臓器狩りの行為は「人間の悲劇だ。中国での起きていることは、恐ろしくて信じられない。世界の一部の地域で、人の命がちりあくたのように扱われているとはとても悲しい」と述べた。
副町長自身、米国で腎臓移植を受けた従姉や、腎臓移植を1年待った隣人がいることから、米国での臓器移植の待ち時間が中国よりはるかに長いことを知っている。
副町長は学習者への感謝の気持ちを表し、「彼らは素晴らしい人たちだ。崇高な理念を持ち、とても勇敢で、正しいことのために立ち上がっている。学習者からの情報で、本当に目から鱗が落ちた。おかげで私たちは、こうした情報を必要としている地元住民に提供することができる。力の及ぶ範囲で、できることができて嬉しい」と語った。
議員「学習者に敬意を抱いている」
町議会議員のジェフ・ヴォイト氏は、真実を伝え続ける学習者の勇気に感銘を受け、こう語った。
「彼らは、ここのすべての街を回りました。私は何回も彼らと会話をしたことがあります。彼らの勇気と堅持に敬意を抱いています」
「私は真善忍の力を目の当たりにし、立派なものだと感じました。また、学習者の心の中にある優しさも感じました。彼らはあちこちを回って、自分の信仰を揺るぎなく守っていることを示したのです。本当に賞賛すべきです。学習者の皆さんが、私たちや周辺の町に一連の情報を提供してくださったことに、深く感謝します」
「決議案を可決したグループの一員になれたことを、とても嬉しく思います。(臓器移植を目的に中国に行くという)間違った決断をしないように、地元住民の方々に情報を提供していきます」
「連邦政府は、まず中共に(法輪功への)迫害を止めるように声を上げるべきです。そして次に中共の行動を検証する必要があります。これには多くの努力が必要です。中共による迫害を制止するためには、国際社会や組織との協力も不可欠です」
「臓器狩りは、ジェノサイドです。これに反対する人がいれば、その人は完全に間違っています」
議員「決議の採択で、誰もが恩恵を受ける」
町議会議員のアーサー・ホーリー氏は、主要メディアでの報道が少ないため、これまで臓器狩りについて聞いたことがなかったという。
同議員はまた、「報告によって、学習者の個人的な体験について知ることができるのはとても貴重です。この決議案によって、私たちは(地元の)住民にこの情報を伝え、中国で臓器移植を受けると、他の人々の生命を傷つける可能性があるという危険性を知ってもらうことができます」と述べた。
「何よりも、メディアがほとんど取り上げていません。こうした情報を一般の人々に広めることは、誰にとっても有益なことです。私たちはアメリカ国民のために、もっとできることがあります。そうすれば、臓器狩りに直面している不幸な中国の人々の状況も改善されるでしょう」
また同議員は、バイデン政権が中共による臓器狩りの犯罪を公表することを提案し、「これらの情報はすべてのアメリカ人に伝えられるべきだ」と述べた。
ボーリング・グリーン町は公式Facebookページでも、決議案の採択に関する情報を開示している。
Facebookで共有されている決議の採択に関する情報 |
以下は、ボーリング・グリーン町で可決された決議案の全文である。
「(中共の)国家公認の良心の囚人からの臓器狩りに関する最新の報告を踏まえ、臓器移植を目的とした中国への渡航リスクについて、ボーリング・グリーン町の住民や医療関係者に知らしめる決議案」
中国では、移植手術用の臓器を得る目的で、主に学習者をはじめとする良心の囚人や、他の宗教団体および少人数集団のメンバーが大量に殺害されているという、広範で信憑性の高い報告がある。
「中国・民衆法廷」とは、イギリスのロンドンに本部を置く独立した法廷である。弁護士であり、旧ユーゴスラビア国際刑事法廷で検察官を務めたジェフリー・ナイス卿が主宰したこの法廷で、長期にわたる事情聴取を経て2019年6月18日に判決が下された。全会一致で認定されたのは、中国では臓器移植のための囚人殺害が続いており、被害者の中には投獄された学習者が含まれていることである。
「フリーダム・ハウス」は2017年の報告書『中国の霊魂をめぐる戦い』で、「入手した証拠が示唆しているのは、臓器移植のために、法輪功の囚人から強制的に臓器を摘出する取引が大規模に行われており、それが継続している可能性もあることだ」と指摘している。
人権派弁護士のデービッド・マタス氏、カナダの元アジア太平洋担当長官デビッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による調査報告書(2016年6月)によると、中国では、「(中共による)国家主導の臓器移植システム、つまり国際的な政策・財政支援、軍および民間医療システムの関与などによる産業規模での臓器移植が行われていることが推定できる」
法輪功は、「真・善・忍」を核心的価値とした気功瞑想を取り入れた精神修養法で、1990年代に中国で流行し、当時の学習者数は7000万人を超えていたとされる。
1999年7月、中共は法輪功の消滅を目的とした厳しい全国的な迫害を開始した。おびただしい数の学習者が中共の労働再教育施設、拘置所、刑務所に不当に収容され、大半は拷問や精神的な苦痛を強いられてきた。
2016年6月、米国下院は、学習者や他の良心の囚人に対する組織的かつ国家公認の臓器狩りの行為を非難する343号決議案を全会一致で可決した。
この問題はメディアではほとんど報道されていないが、グリーン町の数十人の住民が町議会に懸念を表明した。
ボーリング・グリーン町の住民は、臓器移植を目的とした中国への渡航を決める前に、中国の臓器供給源について十分な情報を得るべきであり、ボーリング・グリーン町議会はこの方面に関する認識を高める手助けをすべきである。
よって、ボーリング・グリーン町議会は、(中共による)法輪功への迫害、および中共政権によるすべての良心の囚人に対して今でも行われている国家主導の臓器狩りの行為を、最も強い言葉で非難することを決議する。
さらに米国政府に対し、中国の臓器移植産業を徹底的に調査し、学習者の同意を得ていない強制的な臓器摘出の行為を阻止するためのあらゆる合理的な手段を講じることを強く要請することを決議する。
さらに、ボーリング・グリーン町内および周辺地域の住民や医療関係者に、臓器移植を目的とした中国への渡航リスクについて説明し、地元住民が(中共の)国家公認の良心の囚人からの臓器狩り行為に不用意に加担しないように努めることを決議する。
さらに、この決議の副本をバージニア州知事、バージニア州議会、バージニア州議会議員、2人の米国上院議員、およびバージニア州保健局に提供することを決議する。
この決議案は、2021年8月5日にボーリング・グリーン町議会によって採択された。