【明慧日本2021年3月22日】バージニア州プリンスウィリアム郡の監督委員会(Prince William County Board of Supervisors)で2月16日、地元の住民が臓器移植のため中国に渡航し、中国共産党(以下、中共)の法輪功学習者を含む良心の囚人からの臓器狩りの共犯者にならないよう警告する決議が可決した。
決議案は、複数の信憑性のある報告書が示している通り、中共が臓器売買のために法輪功学習者などの良心の囚人を大規模に殺害し、この行為が続けて行われていると指摘している。
プリンスウィリアム郡と同様の決議が1月、バージニア州の三つの郡で可決した。この決議案の副本は バージニア州知事とバージニア州保健省にも送られた。
決議案の発起人イェスリ・ベジ氏(中)と記念撮影する、地元住民の法輪功学習者ジム・ギラゴシアン博士(右) |
2021年2月16日、プリンスウィリアム郡監督委員会で決議案を採択 |
決議案の発起人「法輪功学習者の情報提供に感謝する」
決議案の発起人イェスリ・ベジ氏は、メディアの取材に対して、中共による法輪功学習者からの臓器強奪行為について「これは悲劇であり、絶対に受け入れることが出来ないことです」と語った。
「私は、このことに対する認識を高めてくれた(法輪功学習者)に非常に感謝しています。中国で何が起きているのかを知らせてくれたことで、このように、臓器強奪を阻止するために、私たちは力添えをすることができました」と、ベジ氏は述べた。
ベジ氏は、米連邦政府が行動を起こし、この非人道的な犯罪を阻止することを希望するという。
決議案の審議委員会で法輪功学習者が証言
プリンスウィリアム郡の住民である法輪功学習者リン・ファムさんは、審議委員会で証言した。「中共が人体から臓器を強奪していますが、アメリカのメディアでの報道が少なく、私たちプリンスウィリアム郡の市民にもこのことはあまり知られていません。中国において臓器狩りが大規模に行われていることをもっと人々に知らせる必要があります。それは、宗教団体と少数民族への迫害の最も卑劣な手段の一つであり、主に法輪功学習者を標的にしているのです」
「メディアの報道がほぼない状況の下、中共は法輪功に対する迫害を20年以上続けています。現在の疫病の大流行の中にあっても、中共は最近再び弾圧を強化し、嫌がらせ、拘留、監禁、拷問などを発動し、中国各地で法輪功学習者を殺害しています」
プリンスウィリアム郡審議委員会で証言する法輪功学習者リン・ファムさん |
プリンスウィリアム郡の住民である法輪功学習者ジム・ギラゴシアン博士は、審議委員会で次のように証言した。「中国の法輪功学習者を忘れないようにお願いしたいと思います。彼らは過去21年間、不法に投獄され、拷問され、今では臓器を強奪されて殺害されています」
プリンスウィリアム郡の住民である法輪功学習者ジム・ギラゴシアン博士 |
「中共は不道徳な人権侵害の責任から逃れられることはできません。中共はアメリカに多大な影響力を持ち、アメリカ社会のあらゆる方面で浸透活動を行っています。例えば、孔子学院、姉妹都市、アメリカの大学、政治権力者、政府機構などに対して浸透工作を行っています」
「今、中共は、私たちのコミュニティで最も弱い立場にある末期患者を標的にしています。臓器移植のために中国に行けば、何カ月も何年も待つ必要はないと言っています。しかし臓器の供給源は告げていません」
「私は、プリンスウィリアム郡のすべての人が協力して、中国の法輪功学習者を含むすべての人に正義をもたらすことを望んでいます」
元米陸軍大佐夫妻「臓器強奪は最も邪悪な行為」
この日の審議委員会に参加した元米陸軍大佐ジョージ・ダッジ氏は、プリンスウィリアム郡の住民である。インタビューに応じ、法輪功学習者が中共の臓器強奪に遭っていることついて、「恐ろしく、悲劇だ」と語った
「法輪功の話は昔から聞いていました。 中国で迫害されていることも知っていましたが、酷い迫害を受けています。 しかし、法輪功学習者は、中国(中共)政府に脅威を与えることはなく、非常に平和な人達です。 政府は彼らに干渉してはなりません」とダッジ氏は語った。
ダッジ氏は、プリンスウィリアム郡がこの日に決議案を可決したことは「良い」動きだという。「我々はこの情報を広めるべきです 。そして、アメリカでもっと広く知らせてください」と述べた。
ダッジさんの妻バーバラ・ダッジさんは、「法輪功は身体の健康を増進させる功法ですね」と語った。
「(中共による)臓器強奪は最も邪悪な行為です。 私は命の尊さは侵犯されてはならないと信じています。 私たちはこの悪を打ち砕かなければなりません」と、ダッジさんは最後に語った。
元米陸軍大佐ジョージ・ダッジ氏 |
以下は、決議案の翻訳文。
決議案原文
プリンスウィリアム郡決議案
国家(中共)が支持する良心の囚人からの臓器強奪の最近の報告に基づき、プリンスウィリアム郡の住民と医療界に、臓器移植のために中国に渡航することの危険性について指導する。
広範囲に信憑性の高い報告であきらかになっているが、中国では、移植用の臓器を入手する目的で、主に法輪功学習者やその他の宗教・少数派団体などの良心の囚人が大量に殺害されている。
イギリスのロンドンで独立した中国法廷(The China Tribunal)は、旧ユーゴスラビアの国際刑事法廷である偉大で強力な検察官のジェフリー・ニース卿が主宰し、長期の公聴会を経て2019年6月18日、中国で囚人を殺害して臓器移植している行為が続けられている、との判決を言い渡した。被害者には投獄されている法輪功学習者が含まれている。
フリーダムハウスは、2017 年の報告書『ザ・バトル・オブ・チャイナ』(The Battle for China's Spirit)の中で、「現有の証拠があきらかになっているが、法輪功学習者や囚人から臓器を強奪して売買し、臓器移植に使われている。すでに大規模に行われており、かつ今も継続している可能性がある」と述べた。
人権弁護士のデービッド・マタス氏、カナダの元アジア太平洋事務次官のデービッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏が2016年6月に発表した調査報告書では、以下のように推定されている。中国では「国が主導する臓器移植システム、国際政策および資金援助、軍や民間の医療システムを巻き込んだ産業規模の臓器移植を行っている」。キルガ―氏は2016年、欧州議会の演説で同じことを述べた。
法輪功は、真・善・忍の価値観を教えとし、座禅を取り入れた精神的な功法であり、1990 年代に中国で広く歓迎された。推計によると、当時の法輪功学習者は7000万人以上に達していた。
1999年7月、中共は法輪功を撲滅することを目的とした全国規模の厳しい弾圧を開始した。 何千万人もの法輪功学習者が、中共が再教育する労働収容所、拘置所、刑務所に不法に収容され、拷問や精神的な苦痛を受けてきた。
2016年6月、米国下院は343号決議を全会一致で可決し、法輪功学習者やその他の良心の囚人から系統的な臓器強奪を、国家公認の行為と非難した。
この問題についてほとんど報道はないが、100 人のプリンスウィリアム郡の住民が、プリンスウィリアム監督委員会にこの問題に取り組むよう請願した。
プリンスウィリアム郡の住民は、臓器移植のために中国に渡航することを決定する前に、中国の臓器供給源について十分な情報を得るべきであり、プリンスウィリアム郡委員会は、この点での意識向上を支援すべきである。
そのため、プリンスウィリアム郡委員会は、プリンスウィリアム郡の住民と、その周辺地域にサービスを提供する医療界に、臓器移植のための中国への渡航の危険性を通知し、市民を手助けして不注意で(中共)国家公認の良心の囚人から臓器強奪の共犯者にならないように制止することとする。この決議の副本をバージニア州知事とバージニア州保健省に提供すること。
Yesli Vega (イェスリ・ベジ)(署名)
コレス地区委員
2021年2月16日