【明慧日本2021年5月9日】(明慧記者・林馨遠)米国テキサス州上院は2021年4月、中国共産党(以下、中共)による臓器強奪、特に法輪功学習者(以下、学習者)から強制的に臓器を摘出している行為を強く非難する決議案を採択した。
テキサス州のアンジェラ・パクストン上院議員とドナ・キャンベル上院議員は2021年初旬に、他の十数人の州議員と共に「中共による臓器強奪を非難する法案SCR3」を議会に提出した。本法案は上院で全員一致で可決された。
決議案では、法輪功は「真・善・忍」を中核とする価値観に基づいた修煉法であるとしている。また、ポンペオ元米国務長官が2020年7月20日に発表した、中共による学習者への迫害を非難する声明をも引用している。
決議案は、テキサス州の住民が中共による良心の囚人から臓器収奪するための殺害にうっかり参加しないように、臓器移植のために中国へ渡航するリスクについてテキサス州の住民に情報を提供することを医療界に促すものである。決議案は最後に、米国の医療・製薬会社と臓器強奪に関与する中国企業との取引を禁止し、道徳に反する臓器強奪に関与する者の米国への入国を拒否、さらに訴追するよう米国議会および米国大統領に対し法律を制定し、措置をとることを求めた。
法案の支持者は、中共政権に圧力をかけて、中共による生体臓器狩りの悪行を制止するために、本決議案を広く知らせることを望んでいる。テキサス州議会では、複数の議員が中共による生体臓器狩りを公に非難した。
テキサス州選出のアンジェラ・パクストン上院議員は「この法案がテキサス州の住民にとって二つ重要な意味があります。まず、中共の悪行をより多くの人々に知ってもらうことです。多くのことについては、みんながほとんど口にしないため『お、ただの噂だ』と思われます。ですから、私たちは記録を残し『いいえ、これは現在起きていることです。我々はそれを非難します』と伝えるべきです。 第二に、この法案は医学界に対して、テキサス州の住民が危険を冒して臓器移植のために中国へ渡航しないように警告することを勧めています」と述べた。
テキサス州上院議員のドナ・キャンベル氏は「これは残虐な行為です。 これは人権侵害であり、いかなる国もこれを見て見ぬふりをしてはなりません」、「この決議案を通して、医療界が患者さんに『これは間違いだ』と伝え、患者さんが誤って国民を殺害する共犯者にならないよう防ぐことができます。各国はこの行為に対して中共を制裁する必要があります」と述べた。
テキサス州上院で可決された決議案SCR3 |
以下は、テキサス州上院で可決された決議案の翻訳文である。
過去20年の間、中共政権は臓器強奪という悪行をずっと行ってきた。
2019年6月、独立した「中国法廷」(The China Tribunal)は、中共政権が数十年にわたって良心の囚人から組織的に臓器を強制的に摘出していたことを明らかにしたと発表した。学習者を中心に、チベット仏教徒、家庭教会のキリスト教徒、少数民族のウイグル人など、監禁された数十万人が強制的に臓器を摘出されたと考えられている。
中国は大規模の「移植ツーリズム」を歓迎しており、移植を切実に必要としている人々が1回の手術に数千ドルを支払い、年間の移植件数は6万~9万件に上るという。移植の件数は、国内のドナー提供の数をはるかに上回っている。さらに、中国の病院では2週間以内に大規模な臓器移植のスケジュールをこなすことができ、臓器「ドナー」に対する先見性を示している。それに対し、臓器提供システムにおいて高度に発達した米国では、臓器移植を受ける患者は、厳密に決められたリストに従って待たなければならない。臓器が数百日も入手できなかったり、特定の患者にとって間に合わなかったりするなど、移植手術の時間は予測できない。
法輪功は「真・善・忍」を核心とする価値観に基づいた修煉法であり、1990年代に中国で広く普及した。 1999年7.20、中共は法輪功の排除を目的とした悲惨な全国規模の迫害を開始した。 2015年、フリーダムハウスは、法輪功学習者は臓器収奪の主な犠牲者であり、拘禁中に死亡あるいは殺される危険性が高いと報道したことがある。
2020年7月20日、マイク・ポンペオ元国務長官は記者会見で「私たちは中国政府に対し、学習者に対する虐待の即時停止を求め、信念のために拘禁されている学習者を解放し、行方不明の学習者についての説明を行うことを求めます。学習者に対する21年間の迫害は、あまりにも長すぎて必ず停止しなければなりません」とも述べた。
国連の特別報告官は、中国政府に対して移植された臓器の出所を説明するよう求めている。世界医師会、米国移植学会および移植界関係者は、中国の医療界に対する制裁を求めている。良心の囚人からの臓器強奪を非難する決議案は、カナダ議会や欧州連合、米国下院でも可決されている。このような深刻な人権侵害に対する国際社会の非難に参加することは非常に重要である。
以上に基づき、第87回テキサス州議会は、中国の臓器強奪行為を強く非難することを決議する。
第87回テキサス州議会は、臓器移植のために中国へ渡航するリスクについてテキサス州の住民に情報を提供するよう医療界に働きかけ、テキサス州の住民が臓器強奪による(中共の)良心の囚人の殺害に参加しないようにすることを決議した。
第87回テキサス州議会は、米国の医療・製薬会社と臓器強奪に関与する中国企業との取引を禁止し、道徳に反する臓器強奪に関与する者の米国への入国を拒否さらに訴追するよう、米国議会および米国大統領に対し法律を制定し、措置をとることを求めた。
【編集者注:この文章は筆者の個人的な観点を代表しているものであり、正しいか否かについては筆者個人が責任を負うものとし、読者は自身で判断してください】