あなたのような人を使いたい
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文/河北省の大法弟子

 【明慧日本2021年9月3日】3カ月前、私は仲間と一緒に、りんご園のある山の果物工場で働きました。

 最初は果実の間引きと花をまばらにする作業でした。果樹の大きさと枝の勢いによって、余分な若くて小さな果実を取り除き、果樹の第2、第3シーズンの花を摘み取れば、高品質の果実を育てられ、適度な負荷がなく果樹の健康を維持し、毎年安定した高収量を保つことができます。作業員は2人一組で、1列の果樹の間引きを行います。果物工場の工場長とその家族の指導と監督の下で働きました。

 現在の世の風潮は、真面目に仕事をせず、利益ばかりに目がくらむ人が多いのです。私は他の人が間引きをしたあとも、果樹に残っている余分な枝や花を見て「このような仕事をするのは、給料に値するだろうか?」と思いました。「私は大法の修煉者なので、師父の教えに従って、どこにいても良い人にならなければならない」と思いました。私は仲間と細心に雑になっている枝を間引き、手が届きにくい枝の場合は、1人がロープで引っ張り、もう1人はまばらにしました。

 作業している最中、仲間は「ほかのグループはすでに1列を終わって、次の列をやっているよ。私たちもこんなに真面目にしていると、遅いと、解雇されるかもしれない」と提案しましたが、私は「今解雇されても、ちゃんとやらなければいけないよ」と反対しました。そうすると、仲間は「あなたはバカだよ」と不満でしたが、私は笑いながら「私はバカではなく、大法弟子です。私は真・善・忍の基準で、人のことを考えなければならない。でたらめにやると、秋にりんごを収穫する時、工場長が大きな損失を出せば、私たちは良心的ではないでしょう?」と言いました。

 案の定、翌朝出勤すると、ほかの作業員から「あなたたちは遅すぎると言って、工場長に辞めさせようとしたが、誰かが詫びを入れたそうですよ」と教えてくれました。これを聞いて、仲間は怒って「ほら、そうなるでしょう? だからあなたはバカだと言ったの。いくらあなたが良心を重んじても、正直でも、いい結果にはならないのよ!」と文句を言いました。その時、私は本当に不公平で理不尽だと思い、工場長と言い争って弁解しようとしました。

 しかしその時、師父の法が私の頭に浮かびました。師父は「われわれ煉功者においては、トラブルが突然現われることがあります。その時、どのように対処すればよいでしょうか? 平素から慈悲に満ちた、和やかな心を保っていれば、問題が起きた時には、一息おいて余裕をもって、適切にその問題に対処することができるのです。日頃いつも慈悲の心を保ち、善をもって人に接し、何かをする時にはいつも他人のことを考え、問題が起きた時はいつも他人がそれに耐えられるかどうか、他人を傷つけることはないかを考えていれば、何の問題も起こりません。したがって、煉功にあたっては、高い、もっと高い基準で自分を律しなければなりません」[1]と説かれました。私は、怨みを捨て、梯子を担いで仲間と山坂のりんご園に向かいました。

 間引きが終わると、果実に袋を被せる作業が始まりました。通常、初心者は1日あたり約1100個しか出来ません。初日、私と仲間は合わせて2300個被せたので、先輩たちに「それほど遅くはないね」と言われました。2日目からは請負が報酬制になり、1個被せると0.06元がもらえます。作業員はみな低くて、果実が密集している果樹を選んで紙袋を被せました。それに対して、私たちは一本一本順番にしていき、難しいところもできるだけ残さず全部被せました。新人で、経験が浅いため焦ってしまい、なかなかうまくいきませんでしたが、最後まで真面目に取り組みました。

 結局、みんな120元か130元稼ぎましたが、私たち2人は100元くらいしか稼げませんでした。家に帰ってから、私は「どうしてそんなに焦ったのか? 利益に執着しているのではないか? もっと稼ごうと人と争っていたのではないか?」と自分に問いかけました。

 師父は「最も困難な時期さえ皆さんは乗り越えました。皆さんに教えますが、早期の大法弟子、歴史上私と縁を結んだことのある弟子、または師父に付いてきた大法弟子、どの人も常人社会で何かをすれば、みな億万長者になり、この社会の有名人、階級の高い人になります。皆さんは今生、大法弟子になり、これらのことをすべて放棄しました。金持ちになりたければ、とっくになったのですが、このちっぽけな利益のために自らの生命の宿願を台無しにしないでください」[2]と語られました。

 師父の言葉を頭に打ち込みました。私は焦る心や名利を求める心を取り除き、正々堂々とした大法弟子になろうと決意しました。

 3日目、私たちは争う気持ちを捨て、落ち着いた態度で着実に働きました。何度も、梯子を次の木に移した時、前の木にまだ被せていない果実が残っているのを見つけ、再び梯子を元に戻して直しました。そうすると、仲間は「2、3個残しても問題ないと、先輩も言ったのに、あなただけがバカ正直だよ」と文句を言いました。それでも私は焦らず、真面目にやり遂げました。結局、スピードが段々と上がって、収入も他の人とあまり変わりませんでした。

 この果樹園の仕事がすべて終わった後、工場長は私たちの仕事ぶりを評価し、別の工場に紹介してくれました。私たちは新しい職場でも相変わらず真面目に働きました。私たちが被せた袋の出来栄えを見て、「彼女たちの袋は最も標準的で、最もきれいにできている。残された果実がほとんどない」と、工場長は何度もみんなの前で私たちを褒め感謝しました。

 工場長は「女性の長期スタッフが3人必要なので、あなたたち2人は残って欲しい。法輪功を修煉する人は確かに一般の人と違いますね。人を使うなら、あなたのような人を使います」と言ってくれました。仲間は私を見て嬉しそうに微笑みました。

  注:
  [1] 李洪志師父の著作:『轉法輪
  [2] 李洪志師父の経文:『世界法輪大法デーの説法』

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/8/29/430161.html)
 
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