業力と疫病(1)
■ 印刷版
 

文/周清澜

 明慧日本2021年9月25日】『西遊記』の第71回「行者偽名降妖怪 観音様が現れ妖怪を降伏させる」に、玄奘三蔵法師と弟子たちが朱紫国に着くと、朱紫国の国王が重病にかかって医者を探しているという告示に出くわし、孫悟空は告示をもって国王に拝謁し王の病気を治しました。

 朱紫国の国王の金王妃と宮女が妖怪に奪い去られました。妖怪はしばらくしてから、二人の宮廷婦人のために国王に会いにやってきました。国王は悩み苦しみ、病気になり、すでに3年がたちました。幸いにも、孫悟空が救いだし、国王はこの状況から抜けでることができました。

 その折、ちょうど観音菩薩が妖怪を連れ戻しに来ました。観音菩薩は孫悟空に、「この妖怪は私を乗せる獅子です。私の許しを、もらわずにひそかに人間界に降りると、金王妃を、国王に降りかかる災難を取り除くことができると騙して連れ去りました。国王がまだ、太子でいた頃、狩りが好きで、孔雀明王菩薩が生んだ二匹の雌雄の雛子を射殺しました。その業力を返すため、いろいろな難儀が現れ、今3年間の罰期間を満たしました。あなたは国王の病を治し、私は妖怪を連れて帰ります」と言いました。

 国王は病気になってから3年目で、表面上は、孫悟空が国王の病気を治したようにみえますが、その根本的な原因は業力を全部返済したからです。だから、人の病気は必ず理由があり、因果関係があります。

 人の不幸の根本的な原因
 修煉界では、人が良くないことをし、他人を傷つけたら、自分業力を増やすことになると言います。人の業力が多くなる自分に病気や、不幸、貧困、災難、或いは事故、さらに死をもたらします。ある地域の業力が大きくなると、その地域には貧しさ、戦争、疫病、天災などが現れます。

 『西遊記』の第87回「鳳仙郡は、天を怒らせた罰として雨が降らないようされ、孫悟空が人々を善に導いてから、雨が降るようになり」では次のようです。玄奘三蔵法師と弟子たちは、鳳仙郡に着きました。鳳仙郡は、そもそも豊かな土地でした。しかし、続けて3年間、干ばつになり、3分の2の人が餓死して、鳳仙郡の郡候(管理者)は雨乞いの、告示を出しました。孫悟空が告示を受けました。

 孫悟空は西天門に飛んで行って、鳳仙郡に雨が降らない原因が天罰であることを知りました。3年前、玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)が旅に出た時、鳳仙郡の郡候が天に祭った供物を倒して犬に食べさせ、さらに冒涜的な言葉を発して、玉皇大帝を怒らせ、業力を作りました。当時、郡候は妻が高潔でなかったために、妻と喧嘩をし、怒って天に祭る供物台を倒してしまいました。玉帝は披香殿内で、「米山、面山、黄金鎖」の三つのことを確立しました。つまり、鶏が米を食べ尽くし、犬は麺を食べ尽くし、灯の火が鎖を燃え切るまで、鳳仙郡に雨が降ることはないということです。

 孫悟空は天界から降りて来て、郡候に、「早く、考え直して善に向かい、佛を敬い、経を詠唱すれば、私はあなたの災難を取り除くことができます。もし思い直さないと、天は彼を罰するでしょう、命を救うことはできません」と諫言しました。郡候は改心を誓い、地元の僧侶と道士を集めて、道場を建てて、天と地に感謝し、罪を認め自らを戒めました。玄奘三蔵法師も郡候のために念佛を唱えました。鳳仙郡の民衆は、男女関係なく、すべて線香をあげて念佛を唱えました。この時、善の声が耳の周りに溢れました。一瞬にして、供物台の上の米や麺がなくなり、鎖も切れ、玉帝は雨を降らすよう命令を出しました。鳳仙郡の民衆は、心を浄め善に向かい、神を敬って佛を信じるようになりました。

   郡候は妻と喧嘩して、天に祭る供物台を倒すなど、態度が悪くて、一般の民衆にも災難をもたらしました。孫悟空はいくら能力があっても、仕方がありません。郡候は心を込めて念佛を唱え、災難を和らげました。

 天人合一の天命観
 現在の人々はこのような認識がありません。現代の実証科学に限られたからです。現代の西洋医学は中国古代の漢方医学と比べることができません。

 中国の古人は「天人合一」、「易医同源」と言いました。薬王・孫思邈(そんしばく)は、「不知易、不足以言太医(易学が分からなければ、良い医者になることができない)」と言いました。道家は人体を小宇宙と見なしています。人体は外の大宇宙と対応する関係にあります。天には四時五行があり、寒い時期と暑い時期が繰り返して交替しています。人には、四肢五臓、生老病死があります。

 古代の大医学者は上の天文、下の地理、中の大事が分かります。彼らは病気治療と人を救うことができ、未来や、人の生死、運命も予測できます。春秋時代の大医学者・医和は、晋平公の生死と晋国の国運を予測して、すべて当たりました。大医学者・孫思邈は、自分の孫は盧齊卿の部下になることを預言して、当てました。

 これは修煉者の功能です。古代の大医学たちは皆この功能があります。法輪大法の修煉者の中に、このような能力を持っている人は多くいます。彼らは他の空間で物事を見ることができます。

 (続く

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/8/12/429336.html)
 
関連文章