【明慧日本2021年10月23日】(明慧記者・徐菁)シカゴ郊外に住む政府部門のシニアアクチュアリー(上級保険数理士)である林さんは、毎日、地下鉄で市内に入り、それから地下鉄の出入口から連邦政府のオフィスビルまで歩いていくのが、彼の決まった通勤ルートでした。しかし、一見何の変哲もないこのルートを通う中で、林さんは徐々にあることに気づくようになり、やがてそれによって彼の人生が変わりました。では、彼は何を見たのでしょうか? そして、彼の運命はどのように変わったのでしょうか? 林さんの話を一緒に聞いてみましょう。
通勤途中の「奇妙な」現象
「2001年以降、毎日、地下鉄を降りて庁舎に向かうとき、必ずシカゴの中国領事館前を通ります。道幅があまり広くなく、毎日多くの人がそこを通っていて、私もそのうちの1人でした。しかし、ある奇妙な現象に気づきました。その前で、1年中、暑い夏の日でも寒い冬の日でも、必ず何人かの中国人が静かに座っていて、私はとても好奇心をそそられました」
ある日、私は思わず彼らに近づき、「あなたたちは何をしているのですか?」と聞いてみました。彼らは法輪功を煉っていて、中国共産党(以下、中共)による迫害に反対していると言いました。そのとき、法輪功迫害の実態を知った私は、彼らに感慨深く同情を寄せました。
林さんはこう振り返りました。「法輪功と中共による法輪功への弾圧について、2000年頃に耳にしましたが、気に留めませんでした。私は中共がとても嫌いでしたが、アメリカに来て10年以上が経ち、中国のことは自分にはとても遠い存在になっていたので、関心を寄せても何の役にも立たないと思っていました。中共は今日はこれを弾圧し、明日はあれを弾圧していて、それが気に入らなくても、権力も影響力もない私に何ができるのかと、ただ無力感に苛まれていました」
領事館の前で座っていた人たちは林さんに、法輪功は気功の一種で、体を強め病気を無くすことができると話しましたが、林さんは言われたことに納得いかず、「丸太のように座っていて、手足を動かさず、汗もかかず、何もしていないのに、どうして病気が治るというのか?」と懐疑的に考えていました。
政府機関で働くシニアアクチュアリーの林明亮さん |
同情から敬服へ
林さんはこう続けました。「何人かの法輪功学習者(以下、学習者)と会話を交わしたその後も、やはり毎日の通勤で中国領事館の前を通りますので、日々そこに座っている彼らを見ていくうち、感心して敬服の念が生じました。法輪功のことはあまり知らなかったのですが、中共の政治的迫害の残酷さは知っています。一旦誰かが中共に迫害の的として定められると、その家族も彼と一線を画し見捨ててしまうことさえあります。しかし、これらのアメリカにいる学習者は、迫害されている本土の学習者のために領事館に来て抗議し、人々の関心を呼び寄せ、迫害を制止する助力を求めるために努力していて、本当に感服しました! 彼らは普通の中国人とはまったく違うと思いました」
ある寒い冬の日、中国領事館の前を通りかかった林さんは、凍りつくような寒い雪に覆われた地面に学習者たちが座っているのを見て、ふとこう思ったそうです。「こんな寒い中でも抗議活動を続けているのですか? 彼らは私よりずっと年上です。40歳未満の私でさえ、冬になると咳がひどくなり、もっと若くてもあそこに座ってはいられません。私は毎日トレーニングをしていて、ウェイトリフティングやランニングをし、多くの有名な薬を服用していますが、このような寒さの中でずっとそこに座っていることは、私には不可能です」
感心するとともに、その日、彼は法輪功の病気治療や健康保持の効果についての認識も以前と少し変わりました。
法輪功を修煉し始める
「そう言えば、冬になると特に風邪を引きやすく、重度のアレルギー体質で、鼻が詰まって喉も痛くなり、不眠症もあって、常に病気と闘っていました」と、林さんは当時の生活をこう振り返りました。
学習者と会話を数回交わした中で、林さんは『轉法輪』という本があることを知りました。しかし、普段は忙しくて、この本を読もうと思う余裕さえありませんでした。2003年、母親に会いにニューヨークに行った彼は退屈していたとき、法輪功の本を思い出しました。病気治療や健康保持に興味があり、さらに以前から好奇心や疑問を抱いていたので、彼は本を買ってきて読んでみようと思い、「何が書いてあって、どうやって病気を治すのか? そしてなぜ中共は法輪功を恐れているのか?」を確かめようとも考えました。
そこで、林さんは法輪功の本を数冊購入してきました。数日間読み続けた後、林さんは「とても興奮していて、母に『今までたくさんの本を読んできたけど、この本が一番素晴らしかった。内容はすごく良かった。すごく嬉しい!』と話しました」と話してくれました。
「私は以前、もしかすると少しのうつ症状があったのかもしれません。空が常に灰色に見えていました。ニューヨークから帰ってきて道を歩いていると、身体が浮いているかのように軽く感じていました。ある日、家族で公園に行ったとき、空がきれいになっていて、周りの環境も美しく変わったと感じました。当時の私は煉功の音楽やビデオがあることを知らなかったので、ただ本に書いてある説明の通りに習い、正しくない動作をしていたのかもしれません。しかし、第2式の功法を煉っていたとき、腕の間で法輪が渦を巻きながら急回転しているのを感じて、全身に汗をかいて気持ちが良かったです。私は妻に『法輪って本当にあるんだね!』と話しました」
煉功していくうち、林さんの不眠症も解消されたそうです。「私はひどい不眠症だったのです。起床後も頭がすっきりせず、毎日疲れを感じていました。初めて本の通りに煉功した日に、すぐに眠りにつきました。翌朝、脳が不思議なほどリラックスしていて心地がよくて、きちんと休憩を取れた感じで、こんなによく眠ったことはありませんでした。以前、カリフォルニアのヨセミテ公園に行ったとき、山頂から美しく穏やかで仙境を思わせるような青い湖を眺めたことがあります。その日の朝、私は思わずその景色を思い出しました。私の脳はまさにあの湖のように穏やかでした。あんなに快い感覚は初めてで、法輪功の功法に驚いてしまいました!」
勤務中の昼休みに公園で座禅する林さん |
迫害との戦いに参加する
法輪功を始める前の林さんにとって、遠く離れた中国本土で行われている迫害はなす術がないことに思えました。しかし、法輪功から恩恵を受けるようになった今、彼も迷わず学習者の列に加わり、中国領事館の向かいに座るようになりました。
「私は昔から正義感と同情心を持っていました。中国本土の学習者である高蓉蓉さんが迫害されて電気ショックで容貌が損なわれてしまった写真を初めて見たとき、私は心に強い衝撃を受けました。拷問の事例や写真を見る度に心を痛めていました。法輪功を修煉し始めてからこう思ったのですが、迫害されているのはみな、無実の善良な人たちです。この事実を知った以上、中国領事館に行くにしても、パレードにしても、法を広めるための活動にしても、私にできることなら、なぜ進んで皆と一緒にやらないのかと思いました」
中共から離れるよう、同胞に呼びかける
中共が法輪功を迫害したことで、かえって法輪功を理解し、考え始める人が増えました。中共が1999年に法輪功への狂気的な迫害を開始して以来、22年が経過しました。世界中の中国大使館や領事館の前では、粘り強く迫害に抵抗している学習者の姿を見ることができます。そこは学習者が迫害の実態を伝えるための窓口でもあります。
2001年から2003年にかけて、同情から敬服に、さらに法輪功の修煉の道を歩み始めたことで、長年海外にいたこのエリートは完全に変わりました。林明亮さんは正式に法輪功を修煉し始めてから、自然と迫害との戦いに参加するようになりました。
「今日に至っても、中国大陸における法輪功への迫害は依然として厳しく、修煉が容易ではなく、迫害がいつ終わるかも分からない感じです。しかし、私の身体が良くなったのは事実です。法輪功を修煉し始めたのは、理性による選択でした。私は法輪功を信じることを選び、『真・善・忍』を信じることが私の本能による選択です。法輪功は私に多くの素晴らしいものを与えてくれました。大法の師父は私に何も求めず、かえって私に多くの素晴らしいものを与えて下さいました」
最後に、彼はすべての中国人にこのメッセージを発したいと言いました。「私自身の経験から、法輪大法が素晴らしいものであることが証明されました。中共は善良な人々を迫害し、良い人でいるという最も基本的な人権と市民権を彼らから奪っており、これは絶対に犯罪です。中国本土の同胞が悪人を助けるのではなく、中共の罪行をはっきりと認識し、中共という犯罪集団から遠ざかることを願っています」