災い転じて福となす
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文/ 日本の大法弟子  

 【明慧日本2021年12月16日】私の父は中国にいて、外で大法の資料を配った時に監視カメラに撮られてしまいました。そして数カ月間にわたって尾行された後、不当に身柄を拘束されました。日本にいる私がこのことを知った時の第一念は、師父の「一つの心も動じなければ、すべての動きを制することができるのです。」[1] でした。父は隙に乗じられたものの、迫害は認めないと思いました。しかし、父を救出する過程において執着が露呈し、取り除かなければならない心もたくさんありました。父が連行された以上、私にできることは、今参加している全てのプロジェクトに影響が出ない前提で、自分の修煉状態を高め、この災いを福に転じるしかありません。以下では、執着を取り除き、真相を伝えたプロセスの一端について、皆さんと交流したいと思います。

 恐怖心を取り除く

 父が連行された後、私に2回ほど恐怖心が生じました。1回目は当日に、同修である母が派出所に行った時です。私は家で発正念しながら連絡を待っていました。状況がよくわからず、母は遅くまで帰宅しなかったため、私はとうとう悪い方に考えてしまいました。やがて母は無事に帰宅しましたが、遅くなった原因は道が工事中で、母の自転車にライトがないために2時間歩いて帰ったからでした。2回目の恐怖心は、父が派出所で拘束されていた時で、私はすぐに派出所への電話を電話救援チームにお願いしました。しかし派出所には父しか拘束されていなかったので、私は警官らが仕返しに再び家宅捜索するのではないかと恐怖を感じました。なぜなら、家に大法の本と師父の写真があったからです。押収されたくないと思い、私は自分の懸念を同修に伝えました。すると同修は「その可能性は高くありません。警官は、もう押収したいものは押収してしまったので」と分析してくれました。

 その後、自分の恐怖心の原因を考えました。恐怖心はある意味、法に基づいていない自分の妄想であると気づきました。例えば、母が遅くまで帰ってこなかった時、私は母もひょっとしたら目をつけられたのではないかと妄想しました。家にはまだ資料があるのです。もしまた家宅捜索されたら、どう対応すべきか等と考えていました。これらの考えは合理性に欠けており、常人の視点から物事を見ていました。

 同修の交流文章にも同様のことがありました。例えば、病業中の同修に、ある「病気」の症状が現れました。そして偶然のようにその病気の大変さを見聞きしてしまい、考えれば考えるほど恐怖心が出てしまいました。また『轉法輪』には、腕にちょっと傷をつけただけなのに死んでしまった人の話もでてきます。このようなことは、理性が欠けて自分を修煉者として見なしていなかったために起きたことです。恐怖心が生じたら、まず良くない考えには従わず、それを直ちに止めるべきだと思います。理性で状況を分析し、大法に基づいて対応すべきです。

 私心を取り除く

 父が連行されて以来、私は師父の正念についての説法を繰り返し拝読し、毎日何回も発正念していました。同じプロジェクトの同修にも地元の邪悪を取り除くように発正念をお願いしました。法律関連の知識がないため、同修による法律支援サイトにも問い合わせました。すると同修からこのようなアドバイスが返ってきました。「できれば、司法機関の衆生の救い済度に意識を向けてほしい」。私はこれを読んで、棒喝されたように感じました。私は父がいつ解放されるかしか考えておらず、自分本位が出発点となっており、それは情からのものでした。もし私が衆生を救い済度する視点に立ち、思考の次元が高くなれば、邪悪の迫害は届かないはずです。それからの私は、救援チームに広い範囲で地元に真相を伝えてもらうほか、連行に参与した警官を救い済度する気持ちで、家族が大法から恩恵を受けたことを書いて郵送しました。そして地元の同修の協力を得て、故郷の広い範囲に迫害をやめさせる内容の手紙を送りました。

 全てのチャンスをとらえて真相を伝える

 私は、学校で中国語を教えています。普段から授業で人権問題について話していますが、父が連行された今こそ、より深く真相を伝えるチャンスではないでしょうか。私は、どのように説明すれば生徒たちが受け取りやすいかを何度も考えました。

 私は授業の始めに、今日は特別授業にしたいと話しました。中国で起きている知られざる現実、自分の家族が今、経験していることを伝えたいと言いました。私は親が経験した文化大革命の話から始め、90年代中国の気功ブーム、その時に大法が世の中に伝え出されたことを話し、「法輪功とは何か」の動画を見せ、父が当時どのように法輪功を学び始め、健康を取り戻したかを話しました。そして法輪功が人気を博して人数が急激に増えたために中国共産党(以下、中共)に弾圧されたこと、中共が弾圧を正当化にするために偽りの天安門焼身自殺というビデオを毎日放送して国民を洗脳したことを話しました。その後に「法輪功への迫害ー法輪功はなぜ迫害されているのか」というドキュメンタリーを見せました。続いて、私の暮らしている都市でかつて人体の不思議展を開催したことがあるので、生体臓器狩りや各国の反応、中共によるプロバガンダについて話しました。中国人はなぜ日本の商品について不買運動するかなど、生徒たちの関心が高そうな内容を盛り込むことも心がけました。自分の家族の物語として、母も持病があったものの弾圧を恐れて法輪功をやっていなかったところ、親族を訪問した時に病気が再発して医療保険がなく大変だった状況で、「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」を念じただけで、一晩たった翌日には奇跡的に回復し、高血圧や胃痙攣、血尿も治ったことで法輪功を学び始め、それ以来、今まで一度も再発したことがないことを伝えました。そして、もしも迫害がなかったら中国人が健康を維持する良い方法が一つ増えていたではないかと続け、ネットの検閲がなければ迫害はここまで長く続けられず、武漢の新型コロナウイルスの感染当初の情報隠蔽もなかったのではないかと生徒たちに問いかけました。最後に、私の家族は真相を伝えることが最も重要だと思っているので、父は外で資料を配っていたのだと続けたところで、私は一コマをフルに使って真相を伝えることができました。生徒たちは頷いたり、考えていた様子で反応は良好でした。その後も毎週のように私の父の情報を気にかけ、人権問題への関心も明らかに高まりました。積極的に私と人権について話す生徒もいました。父が保釈され帰宅した後には、私は中国の留置場の実態について話しました。こうして、私は生徒300人近くに真相を伝えました。

 家族のことですので話題性が高く、私は全てのチャンスをとらえて真相を伝えたところ、効果はどれも良かったのです。真相を知った常人の友人は本当に心配してくれて、いろいろと対策を考えてくれました。真相を伝える媒体にもなってくれています。例えば、私は英語のA先生と知り合いです。彼女は以前、孔子学院で中国語を習っていました。私と会話すると、彼女は何度も自分の先生と違うと言って、孔子学院の先生は中共に味方してばかりだと言いました。その時、私は彼女に大紀元を薦めました。今年の緊急事態宣言が解除された後、彼女はその先生のところはやめて、数名の友人とクラスをつくり、私に中国語を習いたいと連絡してきました。私がそのクラスの授業後に真相を伝えると、Aさんは「知っています。中共は法輪功のことを一番恐れています。法輪功は素晴らしいですよ」とフォローし、自ら臓器狩りのことを話しました。他の生徒も「私は海外で何度も法輪功を見たことがあります。今回はよく分かりました。今後、授業が終わったら、先生に法輪功を習いましょうか」と言いました。私とAさんと別の友人に会う時、大紀元を聞いたことがない友人にAさんは「大紀元は中共に支配されずに真相を伝える独立したメディア」と説明し、毎回のコメントはとても良いものでした。私は、本当にこの生命が救われたことを嬉しく思います。

 新たに自分の修煉状態を見直す

 続けて発正念する時、私は本当に自分の正念が山を切り分けることができるほど強くあって欲しいと思いました。しかし、それは自分の次元によって決まります。私は、自分の修煉状態を見直すべきでした。それまでの私は、朝の発正念を長い間疎かにして、アラームが聞こえない時もありました。昼間の仕事で発正念できなかった分、家に帰って補うことも少なかったのです。休みの日には、どんな美味しいものを食べようかと考え、疲れた時は煉功せず寝てしまいました。さらに同修のセルフメディアを次から次へと見てしまいました。それらは全て、私が自分を厳しく律することができなかったからです。私は本気で自分をよく修めようと決心しました。

 この決心のおかげで、今の私は朝の発正念の数分前に自然と目が覚めます。仕事の時間以外、毎日の4つの発正念を必ず実行し、さらに2回以上の発正念を追加しています。食に対する執着もなくなりました。父が拘禁された1か月間、私は毎日豆腐と野菜を食べており、時間を節約できた上、お通じも良かったのです。今では疲れた時に煉功を選択し、厳しく自分に要求しています。時間を大切にするようになったとは言え、特に時間配分についてまだ改善する余地があります。1時間毎に発正念すると、発正念の時間を除くと四十数分間しかありません。私はこの四十数分の時間利用を最適化できるか工夫しました。結果として、第五式以外、全てのことができます。この過程でセルフメディアを見る時間は自然と少なくなり、効率性も高くなりました。私の参加しているプロジェクトにも地元の大法の活動にも、何ら影響を与えません。私が気を緩めずに続ければ、さらに向上できると思います。

 修煉は自分を修めること

 父が拘禁されていた間、私は毎日母と通話しました。今回の件についての悟り(安全のため、言葉は選んだ)や明慧ネットの関連文章のシェア、法律知識(連行された過程に違法性があったが、法律の知識不足で当時は分からなかった)を共有し、母の正念を強めようと思いました。父が帰宅してからも、自分の心得とセキュリティに関する対策などを共有しました。親はほとんど受け入れますが、難しくてできないと言うこともあります。この過程で、自分に期待しすぎる心があると気付かされました。これも情の現れですが、1回取り除いたと思ったのに、また出てきたりします。師父は「あなたは他人の生活に干渉し、他人の運命を左右することができるはずがありません。妻や子供、親、兄弟などのような家族の人たちの運命も含めて、他人の運命があなたの思い通りになることがありえるでしょうか?」[2]と教えてくださいました。私はどうして自分の考えで家族に要求するのでしょうか。私は体力があり気力も満ちていますが、親は歳をとっています。どうして客観的な体力と中国の厳しい環境を理解してあげることができないのでしょうか。家族の修煉状態に執着するのも執着です。私はそばにるわけでもないので、親が同じ悟りでなければ、変わらないものです。修煉は自分を修めるしかできず、他は左右できません。

 結び

 師父は私たちに「真相を伝え、衆生を救い、これはすなわちあなたが行うべきことです。これ以外に、あなたが行うべきことはなく、この世界であなたが行うべきことはありません。」[3]とおっしゃいました。新経文が発表された後、私はこの法理と言葉をより明白に理解しました。私たちには、真相を伝え衆生を救い済度することしかありません。

 慈悲なる偉大な師父に感謝いたします。父が連行された後にたくさん助けてくださった同修の皆さんに感謝いたします。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『精進要旨二』〈最後の執着を取り除こう〉
 [2] 李洪志師父の著作:『轉法輪』
 [3] 李洪志師父の経文:『二零一五年ニューヨーク法会での説法』

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/12/11/434611.html)
 
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