アフガニスタンの女性記者「人生の最期に出会ったような奇書」(上)
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 【明慧日本2022年6月10日】(明慧記者・章韻)ヨーロッパの主要な放送局ユーロニュースのアフガニスタン支部の記者として勤務していたマリアム・シャヒさんは、何度も至近距離で発生する爆発や銃撃の現場から無傷で生き抜いてきたが、数々の凄惨な場面の刺激により、数年間心身両面に大きなダメージを負った。泣きっ面に蜂で、新型コロナウイルスの第一波がアフガニスタンを襲った2020年、彼女は3カ月間「ひどい風邪」に見舞われたという。

 苦しい中、シャヒさんはソーシャルメディアで「法輪大法は素晴らしい! 真・善・忍は素晴らしい!」という言葉を唱えることで、新型コロナウイルスから奇跡的に回復した人々の体験談を目にした。当時の心境を振り返り、彼女はこう言った。「この世での自分の人生が終わろうとしているとき、突然、目の前に一重の扉が開いたような感じだった」

 彼女のストーリーを一緒に見ていこう。

图1:玛丽亚姆·沙希(Maryam Shahi)曾在一家欧洲媒体公司(Euronews)的阿富汗分部任职记者。图为她在主持新闻节目时的视频截图。

アフガニスタンの女性記者マリアム・シャヒさん

 テロ攻撃を経験し、心に傷を負う

 2016年6月、アフガニスタンの首都カブールで起きたデモ行進を報道するために、シャヒさんは資料を収集しにカブール市内の広場に赴いた。

 「そのとき、フランス人の編集者から、ある組織のトップ委員にインタビューをしてほしいとの電話を受けた。彼らがデモ行進を行ったから」と彼女は言った。

 結果的に、この一通の電話はシャヒさんを「救った」。10分後、群衆の中で爆発が起きた。

 「電話を受けてから、私はデモ隊の群れから出てきて、その外周に立ってインタビューをし始めた。インタビューを始めて2分と経たないうちに、後ろの群れの中で1回目、そして2回目の爆発が起きた。壁際で避難していたとき、私からそれほど遠くないある隠れ場所から、マシンガンがデモ隊に向けて発砲しているのが見えた。私も狙われるのではと思ったが、奇跡的に助かった」と、シャヒさんは振り返った。

 しかし、悲惨な現場で受けたショックは彼女の心身両面にダメージをもたらし、それが何年も続いた。「その2カ月後、私には初めて激しい息切れの症状が出た。それからの数カ月間、息切れのほかに、心臓発作や激しい腹痛などの症状も現れた。これらの症状は時に軽く、時には重くなっていた。カブールの医師は、ストレスがこのような症状を引き起こしていると言い、鎮静剤を処方してくれたが、症状を和らげるだけで、完全に無くすことはできなかった」と彼女は言った。

 2018年、シャヒさんは治療を受けにイランに行った。「精神科医にパニック障害だと言われた。抗精神病薬を半年間服用したところ、症状は徐々に治まった」

 「使命を果たせていない」との声が聞こえる

 うつ病を患うほどではなかったものの、シャヒさんはずっと落ち込んでいた。特にニュースを読み、世界中の重要な資源が汚染されていて、生態系が破壊されているのを見る度に「地球が滅亡に向かっていると感じた。未来や後世のことが心配で、心が痛んでいた」とシャヒさんは言い「私には、まだ使命を全うしていないという予感があって、しかもその予感は長年にわたって私の中にあった。そのため、人生における大きな決断をするとき、私はいつもその声に従っていた」と続けた。

 「初心を貫徹したいけど、具体的に何をどうすればよいのかが分からなかった。周りの親切な友人たちは自らの経験を私と分かち合いつつ、英語をもっと学んで仕事に集中し、高収入を狙ったり公務員への転職などを勧めてくれた。しかし、そのどれもが的外れであった」

 時間が経つにつれて、シャヒさんは自分は世の中の流れに身を任せていて、価値観やモラルに対する堅持も緩んでいると気づいた。「悔しいと感じたとき、私には以前ほどの我慢強さがなく、イライラして怒りっぽくなり、身近な人に八つ当たりしていた」と彼女は言った。

 2020年の年初、シャヒさんはある夢を見た。「足に車輪が取り付けられている私は、多くの障害物を乗り越えながら、制御不能なスピードである道を突き進んでいる夢を見た。角を曲がろうとしたとき、急にある力に押され、反対方向に進んでいった。振り向いて見ると、背後には底知れぬ深淵が広がっていた。その力のおかげで、私は崖から落ちずに済んだのだ」。数カ月後、彼女は自分が真に救われる時が来たのだと実感した。

 困難の中、ネットで法輪功に出会う

 2020年3月、新型コロナウイルス(武漢肺炎、中共ウイルスとも言う)大流行の第一波がアフガニスタンを襲い、カブールでは大規模な隔離措置が行われた。シャヒさんはこう言った。「新型コロナウイルスが首都圏で流行するようになったとき、私は修士論文の準備をしていた最中だったので、心理的なプレッシャーで息が詰まる思いをした」

 3カ月連続で、彼女は毎朝咳と喉の痛みで目が覚め、体が重くて力も入らず、辛さは夜まで続いた。「漢方薬も西洋の薬も飲んだが、まったく良くならなかった」と彼女は言い「大学の休みに入った妹は両親と一緒にイランに旅行しに行ったので、そばには誰もいなかった。私の体はとても衰弱していった。『新型コロナウイルスではなくて本当によかった。そうでないと確実に死んでしまう』と思ったこともあった」と続けた。

 それが大変な時期であった。彼女はソーシャルメディアを閲覧する習慣があって「ある日突然、ペルシャ語で中国の法輪功学習者が受けている迫害について紹介するビデオを見た。しかしその時、見続けようとは思わなかった」と彼女は言った。

 「二つ目の投稿も法輪大法に関するもので『法輪大法は素晴らしい! 真・善・忍は素晴らしい!』と唱えた新型コロナウイルスの感染者には、奇跡的な効果が見られたという内容であった。私は感染していないけど、長引くこの風邪にも効くのかしらと、試してみようと思った」と彼女は言い「正直な話、効果は期待していなかった。試せる薬は全部試した今、結果はどうであれ、これも試しても損はないだろうと思った」と続けた。

 その日の朝から、シャヒさんはペルシャ語でこの文言を繰り返し唱え始めた。「数分後、私はくしゃみをし始めて、体はそれほど重くない感じがした。午後になってそのフレーズを繰り返し唱え始めると、朝同様の現象が現れて、私はまたも止まらないくしゃみをし始めた。と同時に、体はもっと軽くなった」

 これがきっかけで、彼女は法輪大法についてもっと知ろうと思うようになり、法輪大法のホームページの情報に沿い、ある法輪功学習者と連絡を取った。「彼の助けで、私は『轉法輪』と五式の功法煉功音楽をダウンロードした」

 初めて『轉法輪』を読んだ日、夜眠れなかった

 初めて『轉法輪』を読んだ日の夜、シャヒさんは興奮で眠れなかったという。「心が洗われたような感じだった。本の内容を読んだ後、私は学生時代に学んだ知識や、それまでに形成していた宗教に関する考え方などを再考させられた。そして、一部の内容は私が長年にわたってまとめてきた信条とも一致していた」

 「隔離期間中、私は夢中になって本を読み、煉功を行い、ほかの全てを脇に置いた。そして微睡む中で、私は師父が体を浄化して下さるのを感じ、私が向上できるよう啓発も下さった」

 (続く)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/6/2/444105.html)
 
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