【明慧日本2022年8月15日】(明慧記者・紀珍妍)ここ数週間、豪雨による災害が世界各地で相次いで発生している。そのうち、イラン境内の60の都市、140の町、500以上の村で洪水が発生し、少なくとも80人が死亡した。パキスタンでは、この1カ月間の異常な大雨による鉄砲水で、少なくとも549人の命が失われ、4万6200世帯以上の家屋が被害を受けた。
韓国ソウルで80年ぶりの大雨 少なくとも8人死亡
今年8月8日から韓国中部で降り続いた豪雨により、首都圏などの地域では被害が頻発し、少なくとも8人が死亡、6人が行方不明となり、100人以上が住民センターなどに避難を余儀なくされた。
この記事を書き終わった時点で、韓国の内務安全省は、「死者のうち3人は浸水した半地下室に閉じ込められた、一人の女性は自宅で溺死した、ある作業員は倒れた木を除去中に死亡し、おそらく感電死であろう」と発表した。同省によると、他に9人が負傷し、少なくとも7人が行方不明だと報告した。
数十年ぶりの記録的な大雨に見舞われた韓国の被害地域 (ネット写真) |
韓国は数十年ぶり記録的な豪雨に見舞われ、家屋や道路、地下鉄駅が浸水し、停電が発生した
聯合ニュースによると、8日から韓国中部で降った大雨は80年ぶりの新記録に達し、多くの地域で300ミリ以上の雨が降り、気象庁の観測ではソウル市銅雀区新大方洞で422ミリの雨が降り、7月全体の平均雨量とほぼ同じになったと報じていえる。
瞬間的な暴風雨により、ソウル地域の漢江以南の道路が大洪水となり、深刻な浸水により多くの地下鉄駅が閉鎖され、道路交通も洪水のため全線でストップし、8日午後9時から一部の道路規制が発表された。行政安全部は一時的に、暴風警報を「警戒」から「厳重」に引き上げた。
今回の暴雨により、首都圏の道路80本、地下道3本、川沿いの駐車場26カ所、川辺45カ所、四つの国立公園の134本の歩道が規制の対象となり、19のフェリー航路が停止した。
8月9日(火)の朝に洪水はほぼ引いたが、豪雨により各地で樹や看板の倒壊、車両の移動などの状況が続き、連日、首都圏の通勤に大きな支障となった。
カリフォルニア州デスバレー国立公園で土石流が発生 1000人が立ち往生
中央通信社によると、8月5日、カリフォルニア州のデスバレー国立公園で大雨により土石流が発生し、数十台の車が埋まり、公園内外の道路がすべて閉鎖され、約1000人が立ち往生したが、けが人はいなかった。
デスバレー国立公園(Death Valley National Park)はカリフォルニア州とネバダ州の中間に位置している。公園管理局によると、「1日の午後だけで、ほぼ1年分の雨が降った」という。公園の年間平均降水量は48mm。
この1週間で、デスバレー国立公園では、2回の土石流が発生した。土石流は土砂や瓦礫をもたらし、8月1日には一部の道路を閉鎖せざるを得なくなり、ネバダ州西部とアリゾナ州北部に影響を及ぼした。
イランで洪水が発生 少なくとも80人が死亡 30人が行方不明
イランの公式メディアは7月30日、1週間以上にわたって全国で洪水が発生し、少なくとも80人が死亡、30人が行方不明になっていると報じた。
豪雨のため、イラン全土の60都市、140の町、500以上の村で洪水が発生しています。テヘラン州は最も被害が大きく、35人が死亡した。近くのマザンダラン州は行方不明者が最も多く、20人が行方不明になっている。
また、例年乾燥している南部のファルス州では、大雨による洪水で7月23日までに少なくとも22人が死亡した。
地元メディアやソーシャルメディアに投稿された動画には、大雨で川が増水したエスタバン近郊のルードバル川で、車が流されている様子が映し出されている。
イランは過去10年間に何度も干ばつや洪水に見舞われた。2019年、イラン南部で発生した大洪水では、少なくとも76人の命が奪われ、被害額は20億米ドル以上と推定されている。
ケンタッキー州の洪水で子供6人を含む35人が死亡
米国ケンタッキー州東部で猛烈な大雨が降ったため、ケンタッキー州で洪水が発生し、家屋が流され、道路が壊され、川が氾濫した。 8月1日の時点で、米国ケンタッキー州の洪水で少なくとも35人が死亡した。
数日にわたる雷雨、洪水、土砂崩れにより、ケンタッキー州の被災地は壊滅的な被害を受け、少なくとも35人が死亡、数百人が行方不明となった。
地元メディアが公開した映像によると、洪水は家屋の屋根に達し、道路は川と化した。
降雨が続き、主要な基礎施設に洪水被害が出ているため、行方不明者や死亡者がすべて見つかるまでに数週間かかる可能性がある。
映像によると、ケンタッキー州の大都市レキシントンから約200キロ南東にある炭鉱の町ギャレットで、濁った洪水が商店街を流れ、店のドアを突き破っていた。救命胴衣を着た住民が浸水した道路で救助艇を漕ぎ、高水位で車の屋根が時々むき出していた。
チリの陥没穴 直径50メートルに拡大
今年7月30日にチリのアタカマ砂漠にある銅鉱場の近くで発見された巨大な陥没穴は、8月7日までに直径が2倍になり、地元当局が近くの銅鉱場の操業停止を命じた。
陥没穴はチリの首都サンティアゴの北約665キロ、カナダのルンディン・マイニング社が運営するアルカパロサ鉱山の近くにある。
ロイター通信によると、陥没穴は直径50メートル、深さ約200メートルまで拡大し、凱旋門を飲み込めるだけでなく、米シアトル市のランドマークである、高さ約184メートルのスペースニードルも飲み込む大きさになった。
チリ当局は8月6日夜、この珍しい陥没穴についてまだ調査中であると発表した。国家地質鉱山局は、すべての操業停止を命じたほか、他の措置も導入する予定であると示したが、どのような措置をとるかについては詳しく述べていない。
鉱山会社は、陥没穴が従業員や地域住民に影響を及ぼしていないと考えており、また、陥没穴ができた原因を解明しようとしている。
パキスタンで30年ぶりの大雨 1カ月で549人が洪水の犠牲者に
中央通信社は8月5日、パキスタンでは、この1カ月間の異常な大雨による鉄砲水で、少なくとも549人の命が失われ、4万6200世帯以上の家屋が倒壊したと報じた。南部のバローチスターン州の貧しい農村地域が最も大きな被害を受けた。
パキスタンの国家防災局によると、この1カ月間で過去30年間で最も雨の多い月となり、過去30年間の平均より133%多い雨量となった。
また、パキスタン国家防災局は、イランとアフガニスタンに隣接するバルチスタン州が、過去30年間の平均より305%多くの雨が降ったと発表した。
スペイン、過去57年間で最も厳しい干ばつに直面
中央通信社は8日、スペインでは今年5月から7月までの降雨量が57年の気象記録を更新して過去最低となり、貯水池は深刻な水不足の危機に陥っていると報じました。史上最悪の干ばつに直面し、一部の地方政府は給水制限を打ち出してる。
スペイン中部の都市シウダー・レアルでは、同期間の平均降水量72mmに対し、49日間連続で雨が降らず、今年の5月から7月にかけては1mmも雨が降っていない状況である。
8月の貯水量は41.9%にとどまり、同時期の平均を2割ほど下回りました。 バルセロナ、マラガ、ポンテベドラ、ウエルバなどの町は、水不足に直面し、給水制限措置を取らなければならなくなった。