【明慧日本2022年10月5日】(前文に続く)
真・善・忍ギャラリーにおける修煉
昨年6月中旬、「新唐人」のために翻訳していたとき、アメリカ・テキサス州で開催された「真・善・忍美術展」に関する記事を翻訳しました。絵から伝わる慈悲と大法の真相を伝える力に感心すると同時に、「真・善・忍美術展」の存在を初めて知りました。翌日、同修に尋ねたところ、フランスでは以前から多くの展覧会が開催され、大成功を収めていましたが、このプロジェクトは5年前に中断となりました。
これだけ大法のことを伝える効果があるのに、なぜこのプロジェクトを再開しないかと自問しました。それに、世界各地で開催された「真・善・忍美術展」が、真相を伝えるのに効果的で、多くの来場者を感心させたという明慧の記事をたくさん読みました。
そこで昨年7月初め、このプロジェクトを再開したいという思いが生じ、衆生が「真・善・忍美術展」を通じて真相を知り、救い済度されることを願っています。さらに、パリは芸術の都としても知られています。世界一の観光都市であり、歴史的な美術館や文化センターが無数にあることも、「真・善・忍美術展」のために按排されたのではないかと考えました。このプロジェクトに必要なギャラリーは、通行人の目につきやすい場所にあり、道路に面した窓があると良いと考えました。
この日の発正念をした後、パリの店舗賃貸の広告をチェックしてみました。他店よりかなり安い貸店舗が目に留まり、広さも丁度良く、立地も申し分なかったので驚きました。これこそ、私が探していたものだと気づきました。
翌日、店舗に足を運んで、店の人に私の計画を話し、大法が迫害されている事実を伝えました。オーナーがいなかったので家に着いて、オーナー宛てに手紙を書きました。手紙の中で、私はとても丁寧に誠実な口調で自分のプロジェクトを紹介し、最初の提示価格より30%安い値段で借りたいことを伝えました。試してみよう、と思ったのです。受け入れても受け入れられなくても、他の物件よりずっと安いので、借りるつもりでした。手紙を送った後、翌日には前向きな返事が返ってきました。ほどなくしてわかったのは、他にも3人から最初の希望額で店を借りたいとの申し出があったのですが、オーナーは値段を下げてでも私が借りられるように決めてくれました。
また、手続きを担当してくれた弁護士も自ら報酬を減らし、不動産業者も同じように手数料を引き下げました。不動産業者は、最初の3カ月分の家賃と1年分の家賃に相当する敷金の取り消しまで交渉してくれました。私の手紙で思いが伝わったのか、お店の関係者の態度も変わりました。当初は誰もが多額の料金を要求していましたが、今では最も少ない額に抑えられました。
私は、これらの衆生に真相が伝わり、彼らが正しい判断を下し、プロジェクトが順調に展開されたことを、師父の慈悲のおかげだととても感謝しております。それから数カ月、さまざまな試練がありました。最大の試練は、取引資金を預かっていた銀行が何の猶予もなく突然私の口座を閉鎖し、この口座に預けていた資金が一瞬にして消えてしまったことでした。それは、富への執着を捨てさせるためだったのだと気づきました。私は、この執着心を消すために、発正念しました。その日のうちに、私を顧客として受け入れてくれる別の銀行が見つかりました。数日後、元の銀行が私の全資金を新しい口座に振り込んでくれました。ようやく手続きが終わり、私は契約する日を待ち望んでいました。
しかし、残念ながら、オーナーは気が変わり、全く別の手順で契約書を作成するよう求めてきました。そのため、これまでやってきたことがすべて無駄になり、新しい行政手続きですべてをやり直さなければならなくなりました。しかも、その手続きは以前よりはるかに面倒で、費用も3倍かかり、時間もかかりました。
弁護士は激怒し、二度とそのオーナーを信用するなと言いました。不動産屋もオーナーの気持ちが変わった理由がわからず、オーナーに判断を変えてもらう術もありませんでした。私はなぜ、こんなことになったのか、 一通り整理してみましたが、自分にどの執着心があり、このような逆転現象が起きたのかわかりませんでした。
長期的に土台がしっかりしたギャラリーを作るのには、原材料となる石や木材、土や鉄筋といったものが必要だと考えました。ギャラリーはすべての衆生に真相を届けるため、一定数の真・善・忍を含んでいなければならないと思いました。おそらく、現段階では、私にはその「原材料」が十分揃えられていないため、オーナーからすべてをやり直すよう言われたのかもしれません。すべてはより良く心性を高めるためだったのでしょう。
そこで私は弁護士に手紙を書き、オーナーの指示に従って新しい方式で書類を作り直すように頼みました。その弁護士は私の善意を理解し、新しい手続きをする際の手数料を減らしてくれました。その後、さらに一連の試練が待っていました。私は大法弟子の心構えで試練に直面し、お金や損失、利益への執着をもっと取り除いていきました。そして、昨年12月中旬、ようやく契約し、鍵を手に入れました。普通の人なら1カ月で終わるような案件を、丸々半年もかかりました。
私は、修煉者が行ったすべては、自分の心性を向上させる機会であり、こうして初めて「少しの違いもあってはいけないのです」[1]という状態に達することができ、このプロジェクトを成し遂げたことがわかりました。
私はギャラリーを「天門」と名付けました。なぜなら、『洪吟』には「天門」についての詩がたくさん載っていたからです。このギャラリーは、すべての衆生が真相を理解し、それによって師父に救い済度される場所だと思っています。
ギャラリーを立ち上げるにあたって、師父はいろな段取りをしてくださいました。私は家を何軒か持っていて、家賃収入で生活しており、比較的豊かな暮らしをしていたので、このプロジェクトに投資することができました。ギャラリーを運営し始めると、貸出棟数はそのままにも関わらず、月々の収入が増え、ギャラリーを維持するための月々の経費と相殺できることがわかりました。師父がギャラリーを維持するための資金を与えてくださったのだとわかりました。まさに師父のおっしゃるように「物質的利益において本当に何かを失わせるのではありません」[1]
そのほか、多額の出費もなくなりました。ギャラリーが出来上がる前に、長女がフランスを離れて海外の大学へ進学することになり、その学費を負担すると同時に、次女も大学に入りました。また、オーストラリアに留学している姪も経済的にサポートしています。 毎年、3人の子どもの学費に3万ユーロほど使っています。昨年9月、ギャラリーのプロジェクトの途中で、留学中の娘が奨学金を得て、インターンも始めたので、すべての費用は自分で負担できるようになりました。 次女が大学に進学する際、月給の出る学科を選んだため、経済的にも独立しました。オーストラリアにいる姪もアルバイトを見つけたので、昨年の仕送りが大学卒業まで使えるようになりました。
こうして、私はギャラリーを始めると同時に、2人の子供と姪が経済的な独立を果たすことができ、家計的負担から解放されたのです。そして、3人の子どもたちは大学でもいい評価を受けています。師父はギャラリーを維持するために必要な資金を提供してくださっただけでなく、私の子供たちまで段取りしてくださいました。
師父の按排はそれにとどまりませんでした。ギャラリーができてから、私が貸していた一番大きな一軒家に、次々と中国人のお客さんがやってくるようになりました。当時、中国の同修が家を探していたので、この家の一部屋を貸し出しました。それから、この中国人同修は、中国人観光客を相手に、法輪功迫害の実態を伝えることができ、ほとんどの観光客が3退をしました。観光客の1人は、まだ三退をしていませんが、すでに真相を聞きました。
法を学んでいるときに、「私の法身は何でも知っています。あなたが何を考えているかも全部知っています。そして、わたしの法身は何でもできます」[1]を読んだとき、本当に感動しました。私が衆生に真相を聞かせる機会を作りたいという思いだけで、ギャラリー設置の半年間、絶えず人心をなくし、師父に絶えず見守られていました。
ギャラリーで真相を伝える
今年の2月末、私たちのギャラリーはオープンしました。6月11日、フランスからすべての同修を招き、公式なオープニングセレモニーを開催しました。天階書店の同修もギャラリーの一か所で大法の本を並べ、ウィンドウに大法の本、特に多言語訳の『轉法輪』を展示しました。また、映画『馬三家からの手紙』の上映会も開催しました。伝統文化の展示ということで、絵画を見に来たお客さんに神韻も紹介していました。
ギャラリーを通じて、私は向上の機会もたくさんもらいました。ここに来るお客様と一期一会の気持ちで、大切に接していました。私たちのギャラリーはパリ市中心に位置し、ノートルダム寺院から徒歩10分の観光名所にあり、ここを訪れる多くの人は世界各地からの観光客です。
ギャラリーに入った人たちは皆、迫害の実態を知り、ギャラリーのゲストブックに自分の気持ちを書き込んだりもしました。縁のある人たちをここに導いたのは、師父の法身に違いありません。
最も印象的だったのは、あるオランダから来たお客さんでした。彼はギャラリーの前を通りかかり、母親の母国語で書かれた本(彼と彼の母親は同じ母語ではない)を見かけ、すぐに母親にこの本を買ってあげようと思い立ったそうです。ギャラリーに入って話を聞いてから、この青年はさらに決意を固め、母親へのプレゼントとして『轉法輪』と『法輪功』を購入しました。この美しいパリでは、あちこちにお母さんへのプレゼントにできるものが飾られていますが、この少年はただ窓越しにこの本を見て、お母さんに買ってあげようと思ったのは、まさに師父の法身が彼をここに連れてきたのではないでしょうか。
また、あるヨーロッパ人の女性は、入ってすぐ、「わあ、法輪功がここにある、なぜ迫害されているのですか!」と声を上げました。ネットで読んだことはあるが、その理由はわからなかったといいます。それで私は彼女に説明をしました。彼女は修煉をしたかっただけなので、煉功場の情報だけを聞き、ギャラリーの絵画を一切見ずに喜んで帰っていきました。
ギャラリーでの衆生との出会いのすべてを語るわけにはいきません。私が言いたいのは、師父がすべてを按配され、私たちは師父が按配された人たちに真相を伝え、大法弟子としての威徳を積むだけです。師父は、私たちをより高い境地へと押し上げてくださいました。
このような素晴らしい修煉の機会を与えてくださった師父に心から感謝いたします。ギャラリーのドアを開けるたびに、私の心は力強い正念で満たされ、心から大法に同化し、大法弟子という称号にふさわしい弟子となり、以前立てた誓いを果たすことを心の底から誓います。
師父に感謝します。同修の皆さんに感謝します。
注:
[1] 李洪志師父の著作:『轉法輪』
(2022年9月ヨーロッパ法会での発表)