輪廻転生と因縁の物語
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文/山東省の大法弟子

 【明慧日本2023年6月22日】これは山東省の農村で起きた実話です。

 ある夜、ある家の5歳の男の子が突然母親に、「おじさんが来ました」と言いました。その子の叔父はすでに亡くなっていたため、母親は彼がいたずらで言っていると思い、気に留めませんでした。男の子はまた真剣な顔で「おじさんが本当に来ています。僕は見ましたよ。東の部屋で横になっています」と言いました。(東の部屋は牛舎です) 子供が嘘をついているようには見えないと思った母親は、男の子を連れて東の部屋を見に行ったところ、母牛が子牛を出産したばかりの場面を目にしました。男の子は子牛を指差しながら、「おじさんです」と言いました。それ以来、男の子はその子牛を「おじさん」と呼ぶようになりました。

 1~2年後、子牛は大きな牛に成長し、働けるようになりました。この牛はとても従順で、男の子も牛に特別な愛情を注いでいました。家族も牛を紐でつなぎ止めたり牛舎に閉じ込めたりせず、殴ったりせず、叱ったりもしませんでした。牛に何かをして欲しいときは、男の子に「おじさん」と呼ばせ、牛の耳元に一言囁けば、牛は自ら仕事をしに行きます。このことを知った村の人々は皆、この牛に仕事をしてもらおうと牛を借りに来ていました。あるとき、隣人が「一畝の土地を耕してもらいたい」と言って牛を借りに来ました。母親は男の子に牛に伝えさせると、牛は自ら隣人の畑に行き、耕すのを待っていました。しかし、その隣人は本当のことを言っておらず、一畝より広い畑を耕させようとしていました。一畝の土地を耕し終えたところで、牛は立ち止まって動こうとしなくなりました。隣人はあの手この手と方法を尽くしても牛を動かすことができず、やむなく牛を主人の家に連れて行き、改めて事情を説明し謝りました。男の子がまた牛にひとこと言うと、牛は畑に戻って仕事を終えました。

 ある日、男の子と母親は牛を家に連れて帰る際、ある市場を通りました。いつもおとなしかった牛が普段とは打って変わり、ある陶磁器の露店に足を踏み入れ、そこの陶磁器をぱらぱらと踏み潰しました。店主は激怒して弁償を求めました。男の子は怒って牛にこう責めました。「おじさん、今日はどうしましたか? なぜいつものようにおとなしくしないで、わざと人の物を踏み潰すのですか? たくさんのお金を弁償させられましたよ」。男の子が牛を「おじさん」と呼ぶのを聞いて不思議に思った店主は、理由を尋ねました。男の子と母親はその一部始終を話しました。すると店主は、男の子のおじさんの以前の住処と名前を尋ね、聞いた途端にこう言いました。「お金は弁償しなくてもいいです。私はこの子のおじさんの友人でした。以前、彼に借金をしてまだ返していません。その額はちょうど今日壊された商品の代金です」

 このことはその地方で広く知れ渡っていました。そして、多くの人はこのことを通して、古人が伝えていた六道輪廻が紛れもない真実であり、因果応報も寸分も違わないほどやってくることを認識しました。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2002/12/28/41814.html)
 
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