米議会 中国での生体臓器収奪に関する公聴会開催
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 【明慧日本2024年3月26日】中国に関する議会行政府委員会(Congressional-Executive Commission on China 略称: CECC)は2024年3月20日「生体臓器収奪の犯罪を阻止するために、さらに何をなすべきか?」をテーマにした公聴会を下院議員会館で開催した。公聴会では4人の証人が証言し、中国共産党(以下、中共)による生体臓器収奪の犯罪を阻止するため、議員に対して具体的な提言を行った。

图1:二零二四年三月二十日,美国国会及行政当局中国委员会(简称CECC)在众议院举行听证会,聚焦制止中共活摘器官罪行。
3月20日、CECCは下院で公聴会を開き、中共による生体臓器収奪の犯罪を阻止することに焦点を当てた

 CECC委員長・スミス氏「生体臓器収奪は絶対に許されない残虐な行為です」

 CECC委員長であるクリス・スミス下院議員(共和党)は「これは重要な公聴会であり、最も長く続いている問題のひとつです。現代に起きているこの恐ろしい人権侵害は悲しいことに、広く注目され非難されるには至っていません」「(生体臓器収奪は)考え難く容認できない犯罪行為です」と述べた。

图2:美国新泽西州联邦众议员、CECC主席克里斯・史密斯(Chris Smith)主持听证会。
公聴会の司会を務めた、ニュージャージー州選出のクリス・スミス米下院議員(CECC委員長)

 スミス氏は、中国での生体臓器収奪に関して、ジェフリー・ニース卿が率いる「民衆法廷」が2019年に「全会一致かつ疑う余地のない」結論を出したとし、「良心の囚人からの強制的な臓器摘出が、中国で相当な期間にわたって行われており、多数の被害者が出ています。その被害者とは、不当に拘束されている人々、法輪功学習者(以下、学習者)、ウイグル人です」と指摘した。また「生体臓器収奪は中国では産業となっており、これは比類なき邪悪な残虐行為です」と述べた。

 スミス議員は「臓器提供のために殺害された人の数が驚くほど多く、中には脳死判定が下される前に殺害されるケースもあります。結論として、英国ロンドンに拠点を置く民衆法廷の評価報告書に基づき、中国政府による国家ぐるみでの臓器摘出行為は『人道に対する罪』に該当します」と指摘した。

 スミス議員はまた、米下院が昨年3月、413対2の賛成多数で「2023年強制臓器摘出停止法案」を可決したことにも触れた。この画期的な党派を超えた法案は、米国務長官に対して、中国や世界各国での違法な臓器売買に関与する個人のパスポートやビザを拒否する権限を与え、国務省に生体臓器収奪について各国の状況について報告することを義務づけ、臓器収奪を幇助する個人や団体に対しての制裁を可能とするものである。

 スミス議員は、上院が直ちに行動を起こし、この法案を可決するよう強く求めた。

 スミス議員は「沈黙は許されません。沈黙は選択肢ではありません。今行動しなければもっと多くの人が命を落とします」と語った。

 スミス議員は「私たちは、約1年前に下院で412対2という圧倒的な多数で可決された『2023年強制臓器摘出停止法案』を、上院で成立させるために、再びここに集まっています。この画期的な超党派法案は、中共による世界的な違法臓器売買に関与した個人へのパスポートとビザの発給を拒否する権限を国務長官に与えるものです」と語った。

 上院議員・マークリー氏「上院での法案成立を迅速に進めます」

图3:CECC联合主席、俄勒冈州联邦参议员杰夫·默克利(Jeff Merkley,中)在听证会上发言。
公聴会で発言するCECC共同委員長でオレゴン州選出のジェフ・マークリー上院議員(中央)

 CECCのジェフ・マークリー共同委員長は公聴会で、中共の人権侵害と臓器移植システムは同委員会の長年の懸念であったと述べ「中国政府は、その臓器移植事業に関する大規模な独立した国際的調査の実施を拒否している」と指摘した。

 国会議員・スティール氏「中共の生体臓器摘出を止めなければいけない」

图4:美国加州联邦众议员米歇尔·斯蒂尔(Michelle Steel)在听证会上发言。
公聴会で発言するミシェル・スティール下院議員(カリフォルニア州選出)

 スティール下院議員は「米国はあらゆる手段を使って、生体臓器収奪の証拠を見つけ、未然に防がなければならず、ウイグル人や法輪功学習者を含む多くの囚人が、中共の手によって苦しめられています」「生体臓器収奪は、非人道的かつ倫理的に問題がある行為であり、当委員会だけでなく、世界中で阻止しなければなりません。これは罪のない人々の臓器です。私たちは絶対に止めなければなりません」と述べた。

 国会議員・ナン氏「臓器売買は現在、この人口大国で起こっています」

图5:美国爱荷华州联邦众议员扎克·纳恩(Zach Nunn)在听证会上发言。
公聴会で発言するザック・ナン下院議員(アイオワ州選出)

 ザック・ナン下院議員は「2006年、独立機関による報告書によると、何万人もの法輪功学習者が、中国の強制労働収容所や拘禁施設で生きたまま強制的に臓器を摘出され、死に至ったということです。このような大量殺戮の狂気じみた行為は止めなければなりません。特に科学研究を装って行われる場合はなおさらです」と指摘し「これはSF映画でもホラー小説でもなく、人口大国(中国)で起きていることなのです」と述べた。

 ナン氏は、米国の税金が中国の病院での生体臓器収奪に使われることを懸念しており、米国政府に対し、中国での臓器売買に関与している者へのビザ発給を拒否するよう提案した。

 テキサス州が臓器売買防止法案を可決し住民の臓器売買への関与を阻止

图6:德州众议员、德州众议院保险委员会主席、医学博士汤姆‧奥利弗森(Tom Oliveson)在听证会上作证。
テキサス州選出の下院議員でテキサス州下院保険委員会議長を務める医学博士のトム・オリバーソン氏が公聴会で証言した

 トム・オリバーソン下院議員は、中共による生体臓器収奪について、米国南部地区の法輪大法学会で初めて知ったという。同氏が在住し、議員を務めるヒューストン地区には中共に迫害された学習者がおり、中共の迫害を受けているいくつかのグループと長年接触する中で、生体臓器収奪の恐ろしさを認識した。

 テキサス州上院は最近、テキサス州の住民が知らずに臓器収奪の加担者になることを防ぐための第1040号法案を可決した。この法案は、中国または生体臓器収奪を行っていることが知られている他の国で行われる人体臓器移植を医療保険機関が補償することを禁止するものである。

 オリバーソン氏によると、第1040号法案の可決後、テキサスは他州のモデルとなり、その後アリゾナ、ユタ、ミズーリ、アイダホ、イリノイでも同様の法案に関する公聴会が開かれ、いくつかの州では法案を可決中である、と述べた。

 オーストラリア国立大学の博士課程の学生が「犯罪者情報記録の設立」を提案

图7:澳洲国立大学(堪培拉)博士生通过视讯连线在听证会上作证。
オーストラリア国立大学(キャンベラ)の博士課程のマシュー・ロバートソン氏が、ビデオ通話を通じて公聴会で証言した

 オーストラリア国立大学(キャンベラ)の博士課程に在籍し、学術誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・トランスプランテーション(American Journal of Transplantation)」の論文『臓器調達による処刑:中国における死亡したドナーに関するルール違反』の共著者であるマシュー・ロバートソン氏は、公聴会でビデオ中継を通じて証言し、米国議員たちに提案を行った。

图8:美国爱荷华州联邦众议员扎克·纳恩(Zach Nunn)担心美国纳税人的钱可能会用于资助中国医院活摘器官。
米国アイオワ州選出の下院議員ザック・ナン氏は、米国納税者の税金が中国の病院における臓器売買に利用される可能性を懸念している

 国会議員ザック・ナン氏は、米国納税者の税金が中国国内の数千の病院に流入し、生体臓器摘出に使用される可能性を懸念している。

 ロバートソン氏は議会に対し、アメリカ国立科学財団と国立衛生研究所に対し、過去20年間の資金提供の監査を行うよう要求し、移植産業に従事する中国の医療機関に資金を提供したかどうかを明らかにするよう求めている。

 ロバートソン氏は、中国の医療データベースから数千人の外科医と数百の病院のリストがあり、犯罪者のプロファイルを作るのに使えると述べた。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/3/21/474438.html)
 
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