文/章明
【明慧日本2025年1月22日】中国共産党(以下、中共)の究極的な野望は、世界を支配することである。そうするためには、米国を打ち負かさなければならない。これこそが、たとえ経済が崩壊し、韜光養晦(とうこうようかい)しなければならない時期でさえも、中共は常に米国を最大の敵とみなしてきた理由である。
中国のネット上では「小さい事は日本に、大きな事であれば米国に(ちょっかいを出す)」という諺が流行っている。これは、中共が小さな問題に直面すると国民の反日感情を煽り、大きな問題に直面すれば反米感情を煽って国民の関心を逸(そ)らすことの比喩である。中共による100年にわたる反米、嫌米、米国への憎しみプロパガンダの結果、中国の人々の米国に対する憎しみ意識はすっかり根付いており、米国の悪いことは良いことであり、米国の災害が多ければ多いほど中共にとって好都合だという、条件反射的な無意識の反応が形成されている。2001年、米国で9.11同時多発テロが発生した時、中国のネット上では歓喜の声が上がった。これはまさに、中共による中国国民に対する洗脳の効果的な現実と証拠である。憎悪は中共の根っ子であり、あくどいのはそれへの養分、そして激しい闘争はその日常である。
早くも1999年、中共は「超限戦」(最近では「ハイブリッド戦」と呼ばれている)という概念を打ち出し「あらゆる境界と限度を超えた戦争」、「あらゆる政治的、歴史的、文化的、道徳的束縛を超越した戦争」を行おうとしていた。超限戦とは「あらゆる武器と技術を任意に重ね合わせることができ、戦争と非戦争、軍事と非軍事という2つの世界の間にあるすべての境界線が打破されなければならない」ことを意味する。麻薬フェンタニルは、中共が米国を打ち負かすために使用した非武力的、非軍事的、一切の道徳理念を超越した武器の1つである。
フェンタニルというと、一般の中国人には馴染みがないが、北米では命を脅かす一般的な薬物となっている。
もともと鎮痛剤や麻酔薬として使用されていたフェンタニルは、モルヒネの50~100倍、ヘロインの約50倍の効力があり、依存性を引き起こすことがある。ヘロインを30ミリグラム摂取すると死に至るが、フェンタニルではわずか3ミリグラムの摂取で命を落とすことになる。米国立薬物乱用研究所の2016年のデータによると、その年に2万人のアメリカ人がフェンタニルによって死亡した。2019年には3.6万人、2021年には6.4万人近くに達し、2023年にその数字は7.7万人に上り、2016年と比較するとほぼ4倍増加している。連邦司法省によれば「小さな町から都市、さらには田舎まで、免れたところはなかった」という。
「ニュースウィーク」の報道によると、アメリカの麻薬取締局は2021年に15,000ポンド(約6.8トン)のフェンタニルを押収したと発表した。この量は「すべてのアメリカ人を殺す」のに十分な量であり「フェンタニルは前例のない速さでアメリカ人の命を奪っている」という。
アメリカに流入し続ける猛毒フェンタニルはどこから来ているのだろうか?
ヘリテージ財団が発表した「米国のフェンタニル危機は中国とメキシコの責任を追及する」と題する研究報告によると、米国のフェンタニル危機は「中共に直接起因している」。「実際、大多数のアメリカ人は知らないが、中共はアメリカ史上最も致命的な薬物の脅威に積極的に資金を提供し、支援し、推進している」
中共の化学メーカーは、フェンタニルのほぼすべての前駆体(加工される前の未完成品)を製造しており、それをアメリカの隣国メキシコの製薬グループに売り渡している。後者は簡単に加工するだけでフェンタニルを合成することができ、それをアメリカ全土に流通させている。
世界のフェンタニル・サプライチェーンに関するロイターの調査によると、オンラインで中国の販売業者からフェンタニルの前駆体を購入するのは非常に簡単であることが分かった。中国の売り手はこれらの前駆体化学物質を低価格の商品に隠して輸出し、簡単に通関させている。これは、殺人武器の部品を安価な日用品のラベルが貼られた箱に隠して輸出するようなものだ。
歴史的に見ても、中共は麻薬を使って極限戦を行った前科がある。抗日戦争中、中共は国民党を弱体化させるため、南泥湾で「特産品」(アヘン)を栽培して国民党支配地域に販売し、国と民を害し、暴利を得ていた。1938年、蒋介石は日記の中で次のように記した。「過去100年間の極秘活動のおかげで、共産党は最も規律正しく、最も精緻な方法と組織を持つ党となり、他のどの党派も及ばない。その手段は最も毒々しく、情も道徳もないため、彼らが政権を取れば、国家と民族はどれぐらい持つのだろうか」
現在、中共は、抗日戦争中に国民党支配地域にアヘンを売ったという罪悪の歴史を隠蔽するため、中国国内でのフェンタニルの流通を禁止している。そのため、中国国内に住む多くの中国人や心優しいアメリカ国民は、未だに中共の真の歴史とその邪悪な本質を知らず、中共の邪悪な目的を理解していない。
麻薬などの手段を使ってアメリカに極限戦を仕掛ける一方で、中共はいわゆる「中共モデル」と共産党のイデオロギーを輸出し、共産主義の毒素で全世界を浸食することに力を入れている。アメリカの大学に浸透している「孔子学院」、遠く離れた国々をきつく縛り付ける「一帯一路」政策、近隣諸国を取り込む「大周辺計画」、アメリカのメディアと個人メディアに浸透し、アメリカ人の個人情報を恣意的に収集することやウイルスの改造など、これらの活動は中共がその最終目的を達成するためのもう1つの手法である。中共はアメリカとの最終決戦に備えている。中共に対するいかなる寛容や妥協、幻想を抱くことは自滅行為であり、自殺行為、中共に通じる行為にほかならない。
アメリカ人の善良さが邪悪に利用されることを許さず、アメリカが中共の不道徳の原則や限界を持たないことを徹底的に守ってはじめて、アメリカは神の恩恵によって救われる。そして、中国は中共が崩壊して、はじめて華人が心を寄せる神州の大地に生まれ変わるのだ。