——国父・孫文の逝去百年に寄せて
文/春茅
【明慧日本2025年5月15日】3月12日は植樹の日であると同時に、中華民国の国父・孫文の逝去記念日でもある。今年の3月12日は特別な日であり、国父の逝去からちょうど100年の記念日である。
国父の突然の死の背後にあるもの
100年前の3月12日、国父・孫文は北京でこの世を去り、若くして多難な中華民国を遺し、4億の民が深い悲しみに沈んだ。
1924年11月、孫文は北上し軍閥と共に国の大事を議し、国民会議の開催を準備していた。だが道中で病を患い、北京で治療のかいなく亡くなった。その病は急性で、彼の死には多くの謎が残され、真の死因は今なお明らかになっていない。
ここで私たちは、中華民国の一大秘密に触れることになる。100年来、多くの人々が孫文はソ連のスパイによって毒殺されたのではないかと疑っている。協和病院に保管されていた孫文の肝臓の切片は何度も持ち出され、現在は所在不明である。彼の死後、孔祥熙がその死因を調査させ、のちに『孫中山先生逝世私記』という本を出版した。
生前、孫文は「ソ連と連携し共産党を容認する」という誤った選択をしたこともあったが、一貫して「日中提携」を諦めてはいなかった。最後に北上する際にも、彼はわざわざ日本に立ち寄り、演説を行った。日本とソ連は宿敵であり、互いを仮想敵国としていた。「日中提携」は、ソ連にとって中国での社会主義革命推進にとって最大の障害だった。ソ連の解密文書には、コミンテルンのボロディンがスターリンに宛てた手紙の中で、「孫逸仙(孫文)は抹殺すべし」と明言している。
この手紙から1年後、孫文は日本を経由して北上し、天津に戻った後に急病に倒れ、北京で治療を受けるも亡くなった。
その後、歴史はまるで誰かが脚本を書いたかのように進行していく。北伐、抗日戦争と十数年にわたる戦火と民の苦難。さらに「国共内戦」が起き、共産党軍の猛攻により国民政府軍は敗北し、中華民国は台湾へと撤退した。孫文が築いた新たな中国である中華民国の大部分の国土は中共に奪われ、中共は次第に世界の国々から国家として認められていった。
国父の死後、ソ連が念願とした中国の共産化は、一歩一歩確実に進行していった。大陸が陥落した後、中国人民は鉄のカーテンの内側に閉じ込められ、「大躍進」「文化大革命」「大飢饉」など、四半世紀に及ぶ地獄のような時代に突入した。
ソ連が中華民国を粉砕し、共産主義者が中国を奪取
中共が政権を奪取した後、中華民国の山河は様変わりした。中国人民は中共の嘘に囲まれて生き、党が書き換えた歴史の中で生きてきた。「75年の中共」を「5000年の中国」と同一視し、「中華民国=新中国」であるという事実すら忘れ去られている。
国を変えた内戦について、私たちはただ毛沢東の言う「粟に小銃」という話だけを知っている。しかし、それは恥知らずな嘘である。
ご存知だろうか? 中国の国共内戦は「内戦」ではなく、ソ連が主導した「超限戦(制限を超えた侵略戦争)」だったのだ。侵攻軍には「四野軍」だけでなく、3万人の旧日本関東軍の降兵や満洲国の軍、朝鮮義勇軍、ソ連の兵器技術部隊も含まれていた。それだけではない。コミンテルンが養成した中国・ソ連の地下特務隊が多数存在し、彼らは想像を絶する破壊力と浸透力を持っていた。
さらに、ソ連は中国東北部の林彪(りんぴょう)に膨大な重火器を供与した。数千門の野戦砲、1万丁以上の機関銃、数百台の装甲車・戦車、数百機の航空機、軍需工場や武器庫まであった(詳細は『ソ連軍事百科事典』およびネット上の資料参照)。
これらの兵器を運搬するため、戦前にソ連は満洲鉄道を建設し、120もの橋梁を架けた。五カ国の百万人に及ぶ連合軍の侵略後、ソ連はこの鉄道を使って、日本軍から接収した武器弾薬を東北野戦軍に大量供給した。1946年の7月と8月のたった2か月間で、数十本の列車が運ばれている。
ソ連の目的は、中華文明の末裔である中華民国を粉砕し、徹底的に叩き潰すことだった。この戦争は、単なる侵略戦争ではなく、赤色共産主義者が中国を奪取するための極限戦争だった。ソ連はこの最終戦のために、四半世紀にも及ぶ準備をしていたのだ。
これらの破壊的な武器はすべて東北(関外)に隠され、ソ連がこの戦争で果たした役割は隠蔽された。1949年、天安門での建国式典では、ボロボロの戦車や装甲車、飛行機に「粟に小銃」の美辞麗句をつけたプロパガンダ放送が流され、国民の感情を欺いた。その後、中国人は次々と嘘の中で生き、賊を父として受け入れ、それを当たり前と思わされてきた。
今日の中国にはまだ希望がある
中華民国(中国)は台湾に撤退し、そこでは自由と民主主義が発展した。しかし、大陸を奪還しようという信念は次第に失われていった。一方、大陸に住む中華民族は中共によって人質のように縛られ、思想・身体・生活のすべてが党に管理されている。そのような人々はかつて「人民」と呼ばれていたが、今では「雑草」「人間鉱石」とさえ呼ばれる。より正確には、「亡国の民」(マルクス・レーニン)の子孫に支配される中国人民と言える。
2023年の大晦日、中華民国の首都・南京で、真夜中の鐘が鳴り響いたとき、群衆は歓声を上げ、潮のように国父の巨大な像のもとに押し寄せ、献花し敬意を表した。これは、天の意思の現れではないだろうか? 中国の統一は、中共が滅ぶかどうかにかかっている。中共が消滅して初めて、中国は真に統一された国家となる。
希望はどこにあるのか? 近年、紅色政権下で地震、洪水、疫病といった百の災難が中国を襲っている。2025年には「七星連珠(太陽系の七惑星が一直線に並ぶ現象)」が起きた。これは中国、そして人類にとって何を意味するのだろうか?
今日、26年間も弾圧を受けてきた法輪功(真・善・忍)は、なおも打ち破られることなく、逆に世界中に広まり、伝統的な中国文化や音楽・舞踊を世界の舞台に載せている。これは、神を憎むマルクス・レーニン・毛沢東の共産主義者たちにとって大きな敗北であり、同時に神佛が最後の審判の前に人類に与えた貴重な機会でもある。
今日、ウイルスが命を奪い、中国の人口は激減し、地方政府は次々と破産している。私たちは今まさに、中共の崩壊と滅亡の過程を目の当たりにしている。これは、共産主義の腐蝕から自身と国家を回復し、中共の支配から脱し、「共産党の道連れ」とならずに自らを救うための、歴史的な分岐点なのだ。
どうかこの最後の機会を大切にしてほしい。あなた自身のかけがえのない命を大切にしてほしい。