中共のグローバルな野心
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文/明真(米国在住)

 【明慧日本 2024年12月22日】長年にわたる世論の観察から、多くの米国人が中国共産党(以下、中共)について十分な理解を持っていないことが明らかになった。特に若い世代において、共産主義への理解は著しく不足している。今年の米国大統領選挙ではそれがよく表れており、多くが共産主義の虚言に惑わされ、その害悪や中共が米国に与える致命的な脅威を認識できていない。

 中共は常にグローバルな野心を持ち続けてきた。毛沢東時代から、全人類を解放し、共産主義の赤旗を世界中に立てることを掲げ、共産主義革命を世界に積極的に輸出しようとしてきた。中共は自由世界の指導者である米国を最大の敵と見なし、「米帝国主義を打倒せよ」というスローガンを掲げ、反米感情を煽ってきた。

 文化大革命の10年に及ぶ大混乱により、中国経済は崩壊の淵に追い込まれた。中共は自身の生存のため、いわゆる「改革開放」を推し進めた。鄧小平は内部で「中米は必ず戦争になる」と語ったが、当時の中米の実力差は余りにも大きく、中共は「韜光養晦(とうこうようかい)」(訳註:能力を隠して時を待つ)戦略を採用し、野心を隠して経済発展を目指し、米国と他の西側諸国の資金と技術を利用して、経済と軍事力を強化してきた。

 中共は当時のソ連共産党よりも狡猾だった。「韜光養晦」戦略は欧米を欺き、西側には「中共はソ連のような脅威にはならない」と思い込ませた。欧米の一部の政治家たちは、中国の経済発展が進めば中共も変化し、自由・民主主義・人権が生まれるだろうという一方的な期待を抱いた。さらには、寛容に市場・資金・技術を提供した。

 中共は米国など西側諸国の市場・資金・技術を利用して、経済と軍事技術を大きく発展させた。十分な実力を付けたと考えた中共は、2017年の第19回党大会後、上海(第1回党大会開催地)で最高指導部が集団で「初心を忘れない」と宣誓し、ついに「韜光養晦」の仮面を脱ぎ捨てた。今や世界の多くの人々が、中共が野心に燃え、世界統治を目指していることを認識し始めている。

 中共の「初心」とは、かつて毛沢東が共産主義による世界統治を目指した野心そのものである。中共は「人類運命共同体」という名の下に、中共主導の新たな世界秩序の構築を目指している。

 中共の邪悪な本質は、自由世界との対立を必然のものとしている。世界統治を目指す中共にとって、米国は最大の障壁であり、常に最大の敵として位置付けられてきた。国内では反米教育を徹底し、多年にわたる洗脳教育により、多くの中国人が米国に対して根拠のない敵意を抱くようになっている。

 国際社会において、中共は米国の影響力を弱めることに注力している。西側諸国の分断を図り、欧米の関係を離間させ、一部の国々を懐柔・買収し、「一帯一路」政策を通じて各地に基地を建設するなど、明確な拡張意図を示している。また、人民元の国際化を推進し、米ドルの影響力を弱め、さらには代替することさえ目指している。

 経済・技術・軍事において最強の米国に対し、中共は超限戦(情報戦、サイバー戦、心理戦、麻薬戦など)を展開し、あらゆる手段を用いて米国の混乱・崩壊を図っている。毛沢東は「城は内部から崩すのが最も容易だ」と述べたが、中共はまさにその通り、買収や浸透に加え、人種間の対立や憎悪を煽り、内部分裂を促している。米国政府によれば、中共は致死性の高いフェンタニルなどの麻薬を大量に米国に流入させ、社会問題を巻き起こしている。

 中共は西側全体(米国を含む)が衰退していると見ており、自身の危機も相まって、矛盾や危機の転嫁を急いでいる。そのため、無謀な行動に出る可能性がある。米国を制圧できるか否かは、中共の世界統治の鍵となっている。

 中共のグローバルな野心は、米国だけでなく全人類を脅かしている。なぜなら、共産主義の究極の目的は人類の破壊であり、中共もまたそれを目指しているからだ。中共と共産主義は人類共通の脅威である。中共と共産主義についての詳細は、『共産主義の最終目的』と『共産党についての九つの論評』を参照されたい。

 本稿では、中共の世界統治への野心と戦略的意図の概要を示した。人々が中共への幻想を捨て、その脅威をより深く認識し、中共から距離を置き、共に歩むことなく、ましてや共犯者となって自他を害することがないよう願ってやまない。

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2024/12/22/486535.html
 
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