【明慧日本2025年5月15日】(明慧記者・沈容)あの時に転倒しなければ、彼女は恐らく今もアルコールと株に心が揺れ動いていたでしょう。医師の「法輪功を習ってみて下さい!」の一言は、今の医学では手の施しようのない骨の病気を治せただけではなく、彼女と家族の運命をも変えました。
今年62歳の主婦である郭苹鋆さんは38歳の時、買い出しの際にうっかりビニール袋を踏んで滑って転んでしまいました。軽い怪我だと思っていたら、帰宅後は痛みがますますひどくなりました。当時のことを振り返って、彼女はこう話しました。「整骨してもらおうと、夫は私を国術館に連れて行ったり、鍼灸で診てもらったり、さらにはマッサージや他の色んな方法も試しましたが、どれも効果がありませんでした」
仕方なく、苹鋆さんは新竹の病院を訪れ、レントゲン検査を受けたところ、股関節が異常に突出していることが分かりました。医師は台北の振興病院に行き、整骨科の権威である敖曼冠医師による手術を受けるよう勧めました。手術を受けたものの、期待したほどの効果はありませんでした。「敖医師は関節のリハビリには水泳がいいと言って、水泳を習うことを勧めました。私は素直に従い、1年間泳ぎ続けました。しかし、再度、診察を受けると、私の骨は衰えの一途を辿っていると言われました」
1年間のリハビリをした結果を聞き、苹鋆さんは気落ちしてしまい、何をすれば良いか分からなくなりました。そんな時、敖医師はこう助言しました。「法輪功を習ってみてください!」
「医師は法輪功がとても良い功法だと言い、私にやってみるように勧め、資料もくれました。私は早速地元の輔導員と連絡を取り、新竹の煉功点を見つけました」
人間万事塞翁が馬
不運とも思われていた転倒事故をきっかけに、彼女は転々と医師を探す中で、大法と深い縁を結ぶことになりました。
初めての煉功中に、彼女はエネルギーの流れを感じました。「最初は体に電流が流れているような感じがしました。第二式の功法で両腕を頭上に持ち上げてから冷や汗をかき始め、結局は夕食を全部吐き出しました。しかし、吐いた後は却って楽になり、全身がスッキリしました」
不思議な体験をしたものの、当時のことを振り返り、彼女はこう打ち明けました。「当時の私は修煉とは何かがあまりよく分からず、煉功はとても難しいと思って、次第に怠けてしまいました。結局、続けなかったので、身体は良くなりませんでした。その後、料理を作るのも、鍋を持つのも、洗い物をするのも大変になり、歩くことが不自由になって、足がひどく痛むようになりました」
足の痛みで悩んでいた苹鋆さんに、さらなる厳しい試練が襲いました。夫が突然他界し、彼女と幼い子供だけが取り残されることになり、その上、彼女の足の怪我も悪化し、歩くことすら困難になってしまいました。
彼女はこう振り返りました。「あの時、本当に焦りました。子どもはまだ小さいのに、足の手術を受けても効果はなく痛いし、どうしたらいいか全く分かりませんでした」。相次ぐ苦難に彼女は心身共に疲れ果てて、絶望的な状況に陥りました。そこで、彼女は再び法輪大法を思い出し、「もう私を救えるのは法輪功しかない!」と思いました。
今回、彼女は試してみようという気持ちではなく、心を静めて学法と煉功を行い、歯を食いしばって続けました。徐々に彼女の体は回復し、両足も次第に正常に戻りました。苹鋆さんは嬉しそうにこう言いました。「私は本当に良くなりました! パレードに参加したり、腰鼓を叩いたり、山登りで6〜7時間歩いてもまったく問題がなく、足は全然痛くありませんでした!」
酒浸りから一滴も飲まない人生へ
健康回復をきっかけに、苹鋆さんはこれまでの人生を見つめ直しました。そこで、彼女は自分を徹底的に変えなければならないのは、根深く自分に染みついた断ち切れない執着、特に「酒癖」と「株取引」への執着だと気づきました。
「家族の中で一番お酒が好きなのは私です。以前、実家で働いていたとき、父も弟も、そして私も大の酒好きでした。どれほど好きかというと、お酒がないと食事もできませんでした。まずお酒を買ってきて、一口飲んではじめてご飯が喉を通ったのです」
お酒は、彼女の人生において欠かすことのできない癒しであり、楽しみでもありました。しかし、かつて夢に出るほど恋しいその味が、修煉してから口に合わなくなるとは、思ってもみませんでした。「お正月に、みんなで火鍋を囲んでいたとき、私はウイスキーを少しだけ注ぎました。ところが、一口飲んでみると美味しくないし、まさかと思ってもう一口飲んでみると、もっと飲みにくかったのです。その時、師父の『修煉者はお酒を飲んではいけない』というお言葉を思い出し、『ああ、これ以上お酒を飲んではいけないんだ』と悟って、その場でお酒を全部捨てました。それ以来、私は二度とお酒を飲んでいません」
株取引を手放し、災難を回避した
「酒とギャンブルは、人を破滅させる最も手っ取り早い方法だ」と言われています。酒は理性を狂わせ、ギャンブルは心身を傷つけます。酒だけでなく、苹鋆さんは過去に刻々と変化する株式投機の世界にも深くのめり込んでいたのです。「以前は株をものすごくやっていました。毎日売買して、毎日儲けていました。相場は1,000~2,000元から1万元まで上がりました。もっと稼ごうと思って、持っていたお金を全部注ぎ込みました。仕事も手につかないほど、毎日株価の動きに釘付けでした」
修煉を始めてから、苹鋆さんはもう株をしてはいけないと悟り、持っていた株を放置することにしました。株取引への執着は手放したものの、かつて一緒に株の世界で戦っていた家族は時折、「これなら確実に儲かる」という投資話を持ちかけてくるそうです。それに関して、彼女はこう話しました。「あるとき、家族は『すごく当たる先生がいて、毎回勝つのよ』と言い、『数百万出して一緒にやらないか?』と誘ってきました。私は『法輪功を修煉しているから、もうそういうことはしない』と断りました」
苹鋆さんにはっきりと断られた後、親族たちは大金を投じ、結果的に大損して全てを失ってしまいました。「父でさえ、1,000万元(約4,800万円)近くの蓄えを使ってしまい、すべてを失ったのです。家族全体が暗い雰囲気に包まれていました」
株の暴落が一家を目覚めさせました。苹鋆さんも大法を信じていたことで、この難を免れることができたと考えました。苹鋆さんの娘は感謝の気持ちを込めてこう話しました。「お母さんは以前、お酒にも株取引にも夢中でした。修煉を始めていなければ、今も溺れていて、家族は借金まみれの苦境に陥っていたかもしれません。大法がお母さんを変え、私たち一家を救って下さったのです!」
修煉によって、苹鋆さんは絶望の淵から立ち直り、家族にも希望と道しるべをもたらしました。親族の多くは、「一体どんな力が、逆境にいた人間をここまで変えられたのか?」と不思議に思い始めました。
郭苹鋆さんと娘の怡君さん |
苹鋆さんの変化と影響のもと、娘と親族は次々と修煉の道に入ってきて、若い子姍さんもその1人でした。
混迷の中で人生の方向を見つける
大学3年生のとき、クラスメートが将来に向けて忙しく動き始めた頃、子姍さんも自分の将来について考え始めました。「私の人生はどうなるだろう? これからの道をどんな姿勢で歩んでいくべきだろう?」。一度社会に出れば、さまざまな誘惑や試練が待っていることを知っている子姍さんは、自分にこう言い聞かせました。「私は必ず道徳を守り、大法の教えに従って生きていき、社会の波に流されて方向を見失ってはならない」
幼い頃、彼女は大人と一緒に法を学び、煉功もしていましたが、修煉が人生にとって何を意味しているか分かりませんでした。度々の思考の中で、彼女はふと、「真・善・忍はすでに自分の心の中で根を張り、芽吹いていたのだ」と気づきました。
そこから、彼女は真剣に修煉に取り組むようになり、ある日の煉功中に、強いエネルギーが身体を貫くのを感じました。「まるで一本の太い柱が体を通っていくようで、その瞬間、体がとても清らかで透明になったように感じました」
その後まもなく、子姍さんの心身に明らかな変化が現れました。彼女は小さい頃から頑固なニキビに悩まされていました。皮膚の状態を改善するために、家族は彼女を中医学や西洋医学に連れて行き、民間療法も試しましたが、ほとんど効果はなかったといいます。「大学時代、高価なスキンケア用品に数十万を費やしました。でも、使うのをやめるとすぐに肌は元に戻ってしまいました。あの頃は本当に自信がなくて、常に周囲に顔を見られていると感じていました」
驚いたことに、学法と煉功を続けていくうちに、長年彼女を悩ませていたニキビが少しずつ引いていき、肌が透き通るようになり、顔色も明るくなりました。そして今では、スキンケア用品に頼る必要もまったくなくなりました。
修煉後の人生は単純で自在
子姍さん(右2人目)、苹鋆さん(左手前)と親族が一緒に法を学んでいる |
多くの若者と同じく、かつての子さんはしばしば情に囚われ、喜怒哀楽の中で些細なことに拘っていました。しかし修煉を始めてから、彼女はこうした争いや損得にこだわる人心が、自分にも他人にも目に見えない障碍を与えていることに気づきました。
「師父は、何をするにも自己中心的ではなく、利他的な視点からすべきだと教えられています。今の私は物事に遭遇すれば、より理性的に向き合うことができ、つまらないことに頭を悩ますこともなくなりました」
心性の向上に伴い、彼女の心も単純で明晰になりました。それは修煉によって自然に生まれ心の安定感と自信です。「以前は、誰かからか物をもらうと、何をお返しすべきかとずっと気にしていて、表向きだけでも、いい人に見られるようにしようとしていました。でも今は、自分をよく見せようとするのではなく、自然に優しい心を持って、真心で人と接するようにしています」
「今では人生がとてもシンプルに感じられます。物質的な面も、人間関係も、以前より悩むことが少なくなりました。大法が私の心の中で最も基本的な価値の基準になっています」
人生において浮き沈みが常です。法輪大法との出会いによって、苹鋆さん一家は風雨の中でもしっかりと歩み、健康を取り戻し、心の拠り所を見つけることができたのです。