【明慧日本2021年2月3日】(明慧記者・英梓)「それは2001年1月30日の夜、郊外の畑が静まり返っていた頃、突然、コンクリートの通路を革靴で歩く大きな足音がドン、ドン、ドンと近づいた。 刑務官が鍵束を取りだす音がジャラジャラッと鳴り、鉄の扉が開かれガチャンと大きな音がした。これは映画の中の恐怖の一場面ではなく、私たちが日々直面している現実の環境です」
「第三大隊二中隊の洪隊長は『林慎立、出て来なさい!』と叫んだ。私は心を落ち着かせ、洗脳を用いて強制的に人の心を変えようとするのかと思い、腹を決めて立ち上がり外に出ました」
以上は林さんが第三大隊二中隊での体験を回想した。林さんは上海出身で今年66歳である。彼は日本に留学中に飲食業や診療所の事業を経営していた。その後、中国に戻り、大企業で、ある国際貿易センターの上海事務所で重要な役職として働く傍ら、自営業を営んでいた。彼は1996年、法輪功の修煉を始め、「真・善・忍」に基づき健康で、道徳が高尚な人になった。
しかし、中国共産党(以下、中共)が1999年7月から法輪功の弾圧を始めた後、林さんは信仰を放棄しないために、2000年の1月、上海楊浦公安支局に捏造の罪で刑事拘留され、その後1年6カ月の不法労働を強いられ、上海市第一強制労働教養所に拘禁された。その後6カ月間延長となった。
偽りの「焼身自殺」が洗脳の道具として使われる
その迫害から20年が経ち、林さんは当時上海市第一労働教養所に拘禁され、第三大隊二中隊での体験、あの日に発生した出来事を回想した。
「夜空は星一つもなくどんよりと曇っていて、空気の中に邪悪な要素が凝縮され、頭上に暗雲が何層にも重なっているように感じられ、息ができないほど近くまで迫っていました。 私は見張り番の所に連れて行かれました」
洪隊長は「テレビを見たか?」と聞いたので、林さんは彼の目的をすぐ理解した。
数時間前までは、林さんはいつもと同じように3人の受刑者に囲まれて長椅子に座り、中央テレビの「焦点訪談」の番組を強制的に見せられていた。テレビの画面には数人の警官が現われ、消火器を持って燃え上がる劉春玲(焼身自殺者の1人)の体の火を消火していた。そして林さんは曲がった鉄パイプが消火器から発した気流に逆らって、劉春玲の後頭部から跳ね返るのを見たのである。司会者は、法輪功学習者が圓満成就のために天安門広場で「焼身自殺」をしたと言った。「焼身自殺」はどうして圓成就になるのでしょうか、どういうことか? 誰が何のために? と林さんは驚いた。
洪隊長はさらに聞いた。「どう思う? 私はこれを見て怒っている。あなたたち法輪功を修煉する人が、なぜ、こんなことをするのだろうか」
林さんは、「これは中央テレビが法輪功を誹謗中傷し陥れるためのでっち上げです。法煉功を修煉する人は殺生してはならず、自殺は罪であることを、私たちの師父がはっきりとおっしゃておられ、テレビはでたらめな事を言っています。この画像を見せてくれたのですから、私の見方を言わなければなりません、一つの提案をしなければなりません。私たちには自由がなく、あなたたちが手助けしてくれることを希望します。私の抗議の声を上に報告し、彼ら(中央テレビ)は事実ではない事を私たち法輪功学習者に被せようとし、これは私たちにとって不公平なことです。その人たちはなぜこんなことをしたのか? 誰がしたのか? 彼らは法煉功の修煉者であるかどうか、政府がこの事件の経緯と過程を確実に調査し、そして私たちにも分かるようにして欲しいのです」と答えた。
林さんの話を聞いた洪隊長は立ちすくんでいたが、すぐ理解したようで「あなたは隊長(林さんを担当する刑務官)に会い状況を反映した方がいい、今日は、聞いてみただけだ」と言って、慌てて林さんを送り返した。
中共がでっち上げた「焼身自殺」は、却って法輪大法の素晴らしさを際立たせる
不当に拘禁されている間、林さんは殴打、体罰、洗脳、強制労働などの拷問を受けた。2002年2月、林さんは救出されカナダに移住した。自由の身となった林さんは、2001年1月23日の天安門焼身自殺が、国民を煽り法輪功を憎ませるためのでっち上げであったことが分かった。この細心に制作された茶番劇は、後で全国の刑務所と労働教養所で、法輪功学習者(以下、学習者)を洗脳するために使用された。 林さんが収容されていた上海第一労働教養所も例外ではなかった。
林さんはインタビューの中で次のように話した。2001年1月以前、中共がメディアを使って長々と嘘の宣伝をして法輪功を中傷したが人々が信じないので、法輪功迫害を続けるのが難しくなった。 そして、彼らは法輪功に濡れ衣を着せ、民衆の憎しみを煽るために、「焼身自殺」という虚偽の事件を捏造した。
当時、労働教養所で、すべての学習者に「焼身自殺」の中央テレビのビデオを見ることを強制し、学習者を洗脳し、修煉を放棄させようとしたと林さんは話した。
「中共は国家機関を利用して様々な虚偽の事件を捏造し、民間の団体を陥れ、殺人などで人々を騙した。ならば、彼らはどんな虚言でも捏造できると思わないでしょうか?
中共は憎悪を煽るために偽りの「天安門焼身自殺」の事件をでっち上げたが、人々が真実を知った後、林さんと同じように、中共の欺瞞の本質をより深く理解するようになったと林さんは話す。
林さんはまた、中共が制作した焼身自殺は、実際には国家テロの一種であるという。「(天安門焼身自殺は)古代ローマのネロがキリスト教徒を陥れるためにローマ城に放火し、放火の責任をキリスト教徒に擦り付けたと同じである。もし中共が捏造した事実を見なければ、人々の中共に対する認識は理論的なものにとどまるかもしれない」と話す。
「私は心から迫害制止を願っています」と話す林慎立さん(66) |
20年が経ち、中共の法輪功迫害は依然として続いている。林ささんは「私は幸運な方です。カナダの自由な地で法輪功を修煉し、『真・善・忍』を信仰することができる。しかし中国では、何千万の学習者がただ心身の健康のため、『真・善・忍』を基準に基づいて善い人になろうとしているだけで、依然として中共の弾圧に遭っています。私は心からすべての善良な人々と共にこの迫害を制止することを願っています」と話した。