【明慧日本2021年8月21日】米国バージニア州東部のミドルセックス郡議会は8月3日、中国共産党(以下、中共)による法輪功への迫害及び法輪功学習者に対する臓器狩りを強く非難する決議案を採択した。2021年8月現在、バージニア州の18の郡(市や町)政府が類似の決議案を採択している。
郡議会の担当者は、問題の深刻さを喚起し、情報を提供してくれた法輪功学習者に感謝の意を示した上で、米国政府も一般市民の声に耳を傾け、世界中の正義の力を結集し、中共によるこの大量虐殺の犯罪行為を阻止することを期待すると述べた。
2021年8月3日夜、米国バージニア州のミドルセックス郡議会は、中共による法輪功学習者からの臓器狩りを非難する決議を採択した。写真は、会議で発言している法輪功学習者たち |
この決議は米国政府に対し、「中国の臓器移植産業を徹底的に調査し、同意を得ていない法輪功学習者からの臓器摘出を阻止するためのあらゆる合理的な手段を講じる」ことを求めるもの。
決議案によると郡議会は、郡内および周辺地域の住民や医療関係者に「臓器移植のための中国への渡航リスクについて説明し、地元住民が(中共の)国家公認の良心の囚人からの臓器狩り行為に不用意に加担しないようにする」としている。
郡議会議長「臓器狩りの真実を伝えに来てくれた法輪功学習者に感謝」
米国バージニア州ミドルセックス郡議会議長のウェイン・H・ジェシー氏 |
バージニア州ミドルセックス郡議会のウェイン・H・ジェシー議長は、中共による法輪功学習者や他の良心の囚人からの強制的な臓器摘出について、これまでは全く知らなかったと述べ、真実を伝えにきてくれた法輪功学習者に感謝の意を表した。
彼は「恐ろしいことです。今の時代にこのようなことが起こるとは想像できませんが、共産主義国家の中国で起こっているため、不安もあり、悲しくも感じます」と語った。
ジェシー氏は法輪功学習者の努力に敬意を示したと共に、「法輪功学習者がこのような話をしてくれるのは非常にうれしいことです。この決議を通過させることで、地元の人々が何が起きているのかを理解することができます。同時に、私たちも真実を広め、法輪功学習者の訴求を手伝うことができます。これは目標達成に向かう正確な一歩です。ぜひ頑張ってください」と語った。
郡議会副議長「一般市民に真実を知ってもらうことが非常に重要」
米国バージニア州ミドルセックス郡議会副議長のジョン・B・クーンツ氏 |
郡議会の副議長であるジョン・B・クーンツ氏は決議案が可決された後、メディアの取材に応じ、「実は3~5年前に臓器狩りの疑惑を耳にしたことがあって、個人的にはあまりにも遠い話で、自分には関係ないような気がしていたが、先月、法輪功学習者が私たちの議会の会議室に来てプレゼンテーションを行い、実体験を語ってくれたときに初めて、臓器狩りが現実的に起きている事実であることを実感した。そして、民選ではない中共は、アメリカなどの国々の人々が臓器移植を求めれば、その願いを満たすために代価を厭わず、殺人や拷問などを含むあらゆる手段を講じることになるのだと認識した」と語った。
彼は「これはテロリズムに匹敵する行為で人道に対する罪であり、間違いなくジェノサイドの犯罪である」と語り、「バージニア州には(決議案を可決した)多くの郡がある。郡レベル、州レベル、さらに連邦政府まで、皆が『我々は黙っているわけにはいかない』というメッセージを発信してほしい」とも述べた。
「このような決議が、法輪功及び他の団体が中共から受けている迫害の状況がいかに深刻であるかにおいて、アメリカ国民の関心を引くきっかけになることを期待している」。「そして、一般市民にこのことを知ってもらうことが非常に重要である。彼らは臓器狩りが実際に行われていることを確信しない限り、行動を起こさないだろう。スーパーで売られている中国製の安価な商品は、実際には迫害されている集団に強制的に製造させたものであり、中共はまさに臓器狩りなどの命に危害を加える手法で経済的利益を得ていることを人々に理解してもらう必要がある。さらに、これらの真実がアメリカ国民の心に触れ、中国から安い製品を買う度に、迫害されている人々と何らかの関係を作っていることも知ってほしい。より多くの郡や町が同様の決議を行うことができれば、米国連邦政府は『我々はこのようなことを受け入れることができず、(阻止するための)行動を起こしたい」というメッセージを受け取ることになるだろう」と語った。
同氏は、中共の臓器狩りを制止するためには、アメリカが中共に対して貿易および経済制裁を加える必要があると提案した。
彼は、数年前に臓器狩りの事実を知ったときに、すぐに行動を起こさなかったことを非常に後悔しており、法輪功学習者からもらった「真・善・忍」と書かれた小さなしおりを見る度に、法輪功学習者と一緒にいることを感じていて、「法輪功学習者が広めている『真・善・忍』の原則は何と美しいメッセージであろう」と連帯感を覚えているという。「この三文字を見た時、私たちは皆が法輪功になれる、法輪功であると感じた。修煉には参加していないかもしれないが、この人たちの隣に立っていると、彼ら(中共)は私たち全員を連れ去ることはできない。これが団結のメッセージだと思う。団結すれば、一緒になって迫害を止めることができる」
以下は、ミドルセックス郡で可決された決議案の全文を訳したものである。
(中共)の国家公認の良心の囚人からの臓器狩りに関する最近の報告を踏まえ、臓器移植のための中国への渡航リスクについて、ミドルセックス郡の住民や医療関係者に対し指導を行うこと。
中国では、移植手術用の臓器を得る目的の下、主に法輪功学習者をはじめとする良心の囚人や、他の宗教団体および少人数集団のメンバーが大量に殺害されているという、広範かつ信憑性の高い報告があること。
弁護士で旧ユーゴスラビア国際刑事法廷で検察官を務めたジェフリー・ナイス卿(Geoffrey Nice QC)が主宰する、イギリスのロンドンに本部を置く独立した法廷である「中国・民衆法廷」は、長期にわたる事情聴取を経て、2019年6月18日に判決を下し、全会一致で以下のことを認定した。中国では臓器移植のための囚人殺害が続いており、被害者の中には投獄された法輪功学習者が含まれていること。
「フリーダム・ハウス」は2017年の報告書『中国霊魂争奪戦』の中で、「入手した証拠は、臓器移植のために、法輪功の囚人から強制的に臓器を摘出する取引が大規模に行われており、継続している可能性もあることを示唆している」と指摘していること。
2016年6月に発表された、人権派弁護士のデービッド・マタス氏、カナダの元アジア太平洋担当長官デビッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による調査報告書では、中国では、(中共による)「国家主導の臓器移植システム、国際的な政策・財政支援、軍および民間医療システムの関与などによる産業規模での臓器移植が行われていることが推定できる」としていること。
法輪功は、「真・善・忍」を核心的価値とした気功瞑想を取り入れた精神修養法で、1990年代に中国で流行し、当時の法輪功学習者数は7,000万人を超えていると言われていること。
1999年7月、中共は法輪功の消滅を目的とした厳しい全国的な迫害を開始した。おびただしい数の法輪功学習者が中共の労働再教育施設、拘置所、刑務所に不当に収容され、大半は拷問や精神的な苦痛を強いられていたこと。
2016年6月、米国下院は、法輪功学習者や他の良心の囚人に対する組織的かつ国家公認の臓器狩りの行為を非難する343号決議を全会一致で可決したこと。
この問題はメディアではほとんど報道されていないが、グリーン郡の数十人の住民がミドルセックス郡議会に懸念を表明したこと。
ミドルセックス郡の住民は、臓器移植のための中国への渡航を決める前に、中国の臓器供給源について十分な情報を得るべきであり、ミドルセックス郡議会はこの方面に関する認識を高める手助けをすべきであること。
よって、ミドルセックス郡議会は、(中共による)法輪功への迫害、および中共政権によるすべての良心の囚人に対して今でも行われている国家主導の臓器狩りの行為を、最も強い言葉で非難することを決議する。
さらに、米国政府に対し、中国の臓器移植産業を徹底的に調査し、法輪功学習者の同意を得ていない強制的な臓器摘出の行為を阻止するためのあらゆる合理的な手段を講じることを強く要請することを決議する。
さらに、ミドルセックス郡内および周辺地域の住民や医療関係者に臓器移植のための中国への渡航リスクについて説明し、地元住民が(中共の)国家公認の良心の囚人からの臓器狩り行為に不用意に加担しないように努めることを決議する。
さらに、この決議の副本をバージニア州知事、バージニア州議会、バージニア州の各国会議員、2人の米国上院議員、およびバージニア州保健局に提供することを決議する。
この決議案は、2021年8月3日にミドルセックス郡議会によって採択された。