仏軍事研究所 報告書で海外での法輪功迫害明らかに
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 【明慧日本2021年10月9日】(フランス=明慧記者)フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)は9月20日、『中国(中共)の影響力作戦』についての報告書を発表した。IRSEMは仏国防省傘下の研究機関。

 この報告書は大量の文章、ビデオとソーシャルメディアの情報を引用して、中国共産党(以下、中共)が党、政治、軍隊、および国営企業と民間企業を利用して、華僑(海外在住の中国人)、メディア、外交、経済、政治、教育、シンクタンクなど、あらゆる分野に対して行った統一戦線工作の内幕を明るみにした。海外において中共は、一方では誘惑と服従を、他方では浸透と強制を用いて、世界規模で中共モデルを押し付け、その支配を確保し、目的達成のためにはあらゆる手段を選ばない。

 全文は646ページに及び、中共政権による法輪功への迫害に関する記述は79箇所。また、報告書の冒頭では、同研究所がターゲットにしているのは中共政権であって、中国や中国国民ではないことを明確にしている。

'图:二零二一年九月二十日,法国国防部军事学院战略研究所(IRSEM)发表了一份“中共影响力行动”报告。图为该报告网站发表截图。'

フランス国防省軍事学校戦略研究所(IRSEM)が9月20日に発表した『中国(中共)の影響力作戦』(画像はIRSEMのサイトのスクリーンショット)

 報告書では、中共がどのようにして各国のメディアや中国語メディアを買収し、中国人団体に虚偽の情報を流し、法輪功学習者を悪者に仕立て上げ、人々に法輪功を憎ませ、各国の大使館傘下の「学友会」や個人の留学生、及びインターネット世論誘導集団などを利用して、現地の学習者に圧力をかけ、妨害活動を行っているかについて述べた。

 この報告書は、内容が充実しており、幅広いテーマが扱われ、フランスの公式報告書では前例のないほど、中共政権を徹底的に分析している。

 ここで、報告書の一部を引用して、中共が人に知られたくない行為を垣間見てみよう。

 法輪功を弾圧するため、中共は「610弁公室」を設立

 報告書によると、精神修養や健康を目的とした法輪功は、共産党の高層幹部を含む数千万人の学習者がいる。当時の国家主席である江沢民は、共産党がコントロールできない社会集団の存在を容認できず、脅威とみなしました。「610弁公室は、法輪功を撲滅するため、全世界にスパイを配置した」

 法輪功を誹謗中傷するため、メディアに単発の有料記事を掲載

 報告書によると、中共はメディアに単発の有料記事を掲載し、法輪功を誹謗中傷している。より名声のある第三者に(中共が)事前に書いたメッセージを掲載させるのだ。

 例えば、2020年4月、ある仲介業者がコマーシャル・クロニスタ、ポピュラー・デイリー社とオンライン・プラットフォーム・インフォバエ社を含む、複数のアルゼンチンの新聞社の編集長に2万ペソ(約10万円)を渡した。そして下手なスペイン語で書かれた反法輪功の記事を掲載した。記事の内容は中共が普段から法輪功を誹謗中傷している、悪意ある文章をそのまま使用している。この話が明るみに出たのは、仲介業者からアプローチを受けたアルゼンチンの編集者が、法輪功を修煉している同僚に連絡を取ったことで分かった。その後、法輪大法情報センターと大紀元時報が文章のコピーを入手した。この業者は中国人のために働いていることを認めた。

 身分を偽り法輪功を攻撃

 報告書によると、「攻撃者」は、法輪功学習者を陥れるために、学習者に成りすまし、閣僚や国会議員に法輪功を侮辱するメールを送った。 これはカナダに限らず広く行われている。

 カナダの法輪大法(法輪功)学会のメンバーは、「多くの国のあらゆるレベルの政府関係者に、組織的に繰り返し偽造したメールを送っており、これらのメールの中には、中国のIPアドレスのものもある」と説明した。

 「中国学生学者連合会」(CSSA)の役割

 多くの中国人留学生は「中国学生学者連合会」(CSSA)の圧力に耐えている。例えば、オタワ大学の学生が、当大学CSSAからの脅迫メールを受け取った。メールには、「他の学生の証言や連合会が行った調査によると、あなたは今でも法輪功の学習者である。 気をつけなさい」と書かれていた。カルガリー大学では、CSSAの一部のメンバーもメールを受け取った。中共の公安局のスパイに成りすました人が、「法輪功友の会」が主催する映画上映会に参加しないように、「さもなければ、あなたの名前と写真を中央政府に伝える」とのメールを送ってきたという。

 CSSAの言動は、しばしば中共当局の代弁者であることが明らかになっている。トロント大学のCSSAは、2004年に法輪大法(法輪功)デーの制定を認めないように市に圧力をかけた。オタワ大学のCSSAは、2005年に新唐人テレビが地元の放送免許を取得するのを妨害した。 彼らの手紙で使われている用語は、中国の外交官が抗議の手紙で使ったものと同じだった。

 4年前、キャンベラにあるオーストラリア国立大学のCSSA会長が、キャンパス内の薬局で大紀元時報の配布を許可しているのは誰だと問い詰め、薬局のスタッフを脅して新聞を捨てさせたことがあった。 多くの事例が証明しているが、海外のキャンパスでは、一部の中国人学生がすべての権力を持っていると感じ、経済的な重みを自覚しているため、大学でも彼らに依存しており、中共から支援・奨励されている事が分かっているのだ。

 世界最大の国境を超えた弾圧行動

 報告書によると、中国(中共)の第一の目的は、異なる政治思想を持ち中国を脱出した者や、自由な環境で育ち中共政権に憤りを感じ、脅威となっている者など、一部の華僑(中国人)を黙らせることである。その主な標的となっているのは少数民族や新興団体、チベット人、ウイグル人、内モンゴルのモンゴル人、法輪功学習者、ほかに台湾の反体制派、民主化運動家(特に2019年に加わった香港人)、人権擁護者、人権ジャーナリスト、「汚職」で指名手配された元官僚などである。人権団体が描写したように、「北京政権は彼らに対して、世界中で最も手の込んだ、広範囲で全面的に国境を越えた弾圧行動を行っている」と表現した。

 具体的な行動では、彼らはこれらの団体と個人を国籍を問わず監視し、党と国家は「血統」によって定められている。中共は彼らに対して人数を把握し、思想を浸透させ、長期にわたり圧力をかけ、脅迫、あらゆる方法で威嚇し、脅し、嫌がらせをし、直接強制し、または地元政府に逮捕と引き渡しを強要している。このようなことがインド、タイ、セルビア、マレーシア、エジプト、カザフスタン、UAE、トルコ、ネパールなどの国で起きている。

 中国語メディアをコントロールし、検閲の手段を用いる

 報告書によると、北京は世界各地の中国語メディアをコントロールし、北米を含めてこれは昔からよく知られている事実である。事実上、カナダの中国語メディアのほとんどが中共のコントロールを受けている。カナダに住む中国人に歓迎され、中共の影響を受けていない大紀元時報と新唐人テレビがあるが、中国(中共)当局はこの2社を制限している。2005年に中共の胡錦濤元国家主席がオタワを訪問した際、「大紀元時報」と「新唐人テレビ」は取材許可を得ることができなかった。

 孔子学院を利用した欧米への侵入が見破られる

 孔子学院は大学の資金源になっている。シドニー大学のサルヴァトーレ・バボーンズ准教授は、孔子学院の問題点はプロパガンダではなく、大学の管理者に与える影響があると説明した。北京が資金、教師、彼らの報酬、教育設備を提供し、時には財政難の大学に無償で校舎を建設し、収入を増やすための語学教育センターを無償で提供するなど、大学がこのような申し出を断ることは非常に難しい。その結果、大学は北京に依存するようになり、服従関係を持つまでになっている。

 そして北京は、大学のいくつかの選択に影響を与え、または、研究プロジェクトの内容にも影響を与え(例えば、チベット、台湾、あるいは中国(中共)の戦略に影響のある研究などを制限する)、表現の自由の制限や教師の個人的な信仰に対する制限(特に法輪功に関する修煉の禁止)、講演者の選択および最終的に大学が中国(中共)と中国(中共)の利益などの問題について語る時、自ら自己審査するようになった。

 教学に干渉し、フランス・リヨンの孔子学院が閉鎖

 報告書によると、フランスには18の孔子学院がある。リヨン孔子学院が閉鎖された例として、リヨンの孔子学院は2009年、孫文大学(広州)の提案でリヨンの第三大学に設立された。リヨン第三大学のグレゴリー・リー教授は、「2012年に新しい中国側の主任が就任してから双方の関係が悪化し始めました。新しい主任は私たちの教育内容に反対しており、リヨン孔子学院の教育内容をこの学校へ導入すること、そしてこの教育による卒業証書の付与を強く要求しました。中国(中共)政府によるこのような構造的な干渉は、私たちの科学の自由やフランスの高等教育の精神や規則を損なう可能性があり、私たちにとって適切ではありません」と説明した。リー教授はこの決断に高い代償を払った。「北京の国家漢語国際推広領導小組弁公室は、彼に知らせることなく毎年の寄付金を取り消した。 交渉に失敗したため、リー教授は2013年9月にリヨンの孔子学院を閉鎖した」

 ベルギーのブリュッセル自由大学が孔子学院を閉鎖

 ベルギーのブリュッセル自由大学の孔子学院は、スパイ行為があったとして閉鎖された。

 カナダのベテランジャーナリストで外交コラムニスト、中国研究の専門家でもあるジョナサン・マンソープ氏は、「孔子学院は表向きでは文化交流のプログラムを装っているが、中共による大規模な国際的プロパガンダとスパイ活動に他ならない」と見ている。孔子学院は政治局常務委員の李長春が公に認めているように、中国の対外宣伝組織の重要な役割を担っている。ほとんどの場合、「孔子学院は中国(中共)大使館と領事館のスパイ・ステーションであり、そこを通じて中国人留学生をコントロールし、いわゆる敵の情報を集め、反体制派をけん制している」

 最も有名な例として、ブリュッセル自由大学(VUB)の孔子学院の主任である宋新寧氏が、2019年にベルギーの情報機関から8年間のスパイ行為で告発されたケースが挙げられている。正確には、孔子学院で中国語を教えている間、教師という身分を隠れ蓑(みの)にして、実際に中国の情報機関のために人を「取り込む」活動をしていた。 そのため、彼はシェンゲン圏(訳注:『シェンゲン協定』が適用されるヨーロッパの26の国の領域)から8年間追放され、出入り禁止となった。 その結果、ブリュッセル自由大学は孔子学院の閉鎖を決めた。

 法輪功の情報収集をした中国大使館の二等書記官がビザを拒否される

 2006年、カナダ政府は、在オタワ中国大使館教育部の二等書記官である王鵬飛のビザ更新申請を却下し、出国を求めた。 その理由は、大使館の教育部での彼の仕事が、カナダにいる法輪功学習者の個人情報を収集し、彼らに困難な状況に陥れることに直接関わっていたからである。 特に、カナダの主要大学にある20数個の中国人学友会を利用して活動を行っており、その方法は時に露骨である。共産党の公式留学雑誌『神州学人』は2004年に次のように書いている。「ケベック大学モントリオール校の中国人学友会会長の『卓越した』プロパガンダ活動と、法輪功に対する活動で見せた勇敢さに感謝する」

 大使館が学生を扇動することに関与した証拠

 報告書によると、2010年、中共政府の奨学金でカナダの大学に留学している中国人学生約50人が、中共の胡錦濤元国家主席のオタワ訪問に備えて中国大使館に集まった。教育部一等書記官の劉少華が挨拶し、主席を歓迎するために、大使館はオンタリオ州だけでなく、ケベック州から3,000人をオタワに呼び、すべての費用(ホテル、食事、交通費、衣服まで)を負担することを明らかにした。 また、その場にいた人の中には、参加者ひとりにつき、1日50カナダドル(約5,000円)が支払われたと話した。

 教育部第一書記の劉少華は、この問題を「祖国の名誉を守る」ための「戦い」と表現し、「法輪功、チベットの独立、ウイグル分離独立派と民主活動家らが、すでに国会議事堂の場所を乗っ取った」としている。

 劉は奨学金をもらっていない学生でも、すべての費用は大使館が負担してくれることを学生たちに伝えた。そして、 劉は「この事を外に漏らさないように」と求めた。2005年の胡錦濤が来訪の際、反対者が主要な場所に立っていたため、中国の政府関係者を激怒させた。劉は「今回はきちんと歓迎しなければならない」と話した。 もし学生が「なんのためにここに来ているのか? 」と聞かれたら、劉の説明によると、「私たちは胡錦濤主席を歓迎するため、 カナダと中国の友情に万歳!」と言わなければならないと答えた。

 同日、トロント中国領事館教育課の張宝軍(音訳)は、同じメッセージをメールで送り、学生たちに「計画に沿って力を合わせて行おう」と注意喚起した。そして、奨学金を受けている人の中で、「もし特別な事情で参加できない人がいる場合」は、必ず「説明をしなければならない」と伝えた。

 中国人と華僑の境界を混同させる

 報告書によると、中共の狙いは、中国国民と華僑の境界線を曖昧にすることで、多様な中国社会を融合させ、彼らの中国に対する認識も含めて「一つの国に属している」という認識を構築・育成することにある。特に、北京政権が指定する「中国人」の多くは、天安門事件後に体制から逃れた者、香港・マカオ・台湾の出身者、あるいは何世代も前に移民した者である。中国や中国語、文化、伝統とは無縁の者もいる。中共の目的は、いくつかの国で強制的に「中国コミュニティ」を作り、中国人の間に親共産主義の意識を育てることにある。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/9/29/432004.html)
 
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