専門家フォーラム:グローバルな機構を確立 中共による臓器狩りに対抗
■ 印刷版
 

 【明慧日本2021年11月9日】(明慧記者・英梓)欧州議会人権小委員会のピーター・ヴァン・ダレン議員は、10月27日(水)、ブリュッセルのEU本部に隣接する記者クラブで開催された中共による生体臓器狩りに関するシンポジウムに、オンラインを通してつぎのように述べた。「欧州議会は、2013年12月12日に中国共産党(以下、中共)の臓器狩りを非難する決議を採択しました。しかし、それ以来、水面下での取引があったため、(人々は)完全に沈黙しました。 ヨーロッパでは、臓器狩りのような敏感な問題で中共を攻撃したくありませんが、私は抗議すべきだと思います。なぜなら、臓器狩りは基本的人権に対する直接的な攻撃だからです。今日のテーマは非常に重要です」

 同議員は、欧州議会のより多くのメンバーに、生体臓器狩りに反対する声を上げるよう求めた。

'图:周三(二零二一年十月二十七日),欧洲议会议员、人权律师和专家以到场或连线的形式,参加了在布鲁塞尔欧盟总部旁的记者俱乐部举行的中共活摘器官研讨会,并聚焦中共对法轮功学员的迫害。'

生体臓器狩りに関するシンポジウムに参加する議員、人権弁護士、専門家たち

 欧州議員、中共の臓器狩りに対する貿易制裁を要求

 ヴァン・ダレン議員は、「ヨーロッパが沈黙した大きな要因は、中国との緊密な経済関係にあると思います。貿易や金銭の話が多すぎて、人権や少数民族の権利の話が足りません」と述べた。

 今年5月には、中共が大量虐殺疑惑で欧州の政治家に非難されて報復制裁を実施したため、欧州議会は中国との投資案件を棚上げにした。

 ヴァン・ダレン議員は、「これを見て嬉しく思います。中共が人権侵害をやめるまで、EUはこの協議を棚上げし続けるべきだと呼びかけます。これをきっかけに、中共に人権侵害が重大な問題であることを示すべきです。行動は雄弁に勝るのです」

 また、EU加盟国もそれぞれが中国で起きていることに注意を払い、中共の生体臓器狩りに注目すべきであり、ビジネス業界人も医療関係者も中国で起きていることに大きく目を向けるべきだと述べた。

 同氏によると、中共の臓器狩りの問題を欧州議会の議題として再び取り上げるよう努力している最中で、「これは、苦難に満ちた戦いです」と述べた。

 「中国法廷」の法律顧問、中共臓器狩りの詳細を明らかにする

 英国の独立民衆法廷である「中国法廷(CT)」は2019年6月、中共が長年にわたって臓器収奪を行っており、法輪功学習者(以下、学習者)が臓器狩りの主な犠牲者となっているとの裁定を下した。

 「中国法廷」の法律顧問である人権派弁護士のハミド・サビ氏は、27日に行われたシンポジウムにオンラインを通して参加し、「6日以上にわたる公聴会で、我々は数千ページに及ぶ資料と55人の証人を提示しました」と述べた。

 「今回の裁决は衝撃的なもので、中国では長年にわたって臓器狩りが行われてきたことは間違いありません」

 「中国には、死刑判決を受けた場合、7日以内に死刑を執行するという法律があります。そのため、ドナーと患者をマッチングさせる時間は非常に限られています。第二に、死刑囚の多くは薬物乱用などにより不健康で、臓器を提供することができません。2003年から2004年までの間、中国で摘出あるいは移植された臓器の数は、死刑囚の数を大きく上回りました。2000年のある時期では、アメリカをも上回っていました。移植産業を大規模に拡大したことは、新たな臓器の供給源があるということです」

 サビ氏によると、拘禁されている学習者のほとんどは血液検査を受け、3カ月ごとに超音波で臓器を調べる医療検査を受けていたという。ある目撃者の証言によると、医療検査の後に異なる色の印が付けられ、その人たちは短時間のうちに姿を消したという。というのは、これらの人々が生体臓器狩りの犠牲者になったことを示している。

 元欧州議会副議長「北京冬季オリンピックをボイコットし、世界の人々に臓器狩りを注目させる」

 元欧州議会副議長のエドワード・マクミラン・スコット氏は、「欧州議会に勤務していた2006年に、中共による法輪功への迫害を知り、北京を訪問した際に、拘禁された学習者を含む数人の学習者と会いました。この学習者は、体にいくつもの穴が開いている学習者の遺体を目撃したことがあります。臓器が摘出されているのは明らかです。凶悪な犯罪が行われているという直感を私自身が受けました」とオンラインで述べた。

 また、同氏は「国際社会が2022年の北京冬季オリンピックをボイコットすることは、(中共による)これらの少数民族への迫害、特にウイグル人、チベット人、法輪功などの団体に対する大量絶滅の罪について、世界の世論を喚起することができます」と述べた。

 デービッド・マタス氏 「国連が提供するプラットフォームを失ってはならない」

 国連人権理事会の専門家たちは、2021年6月に発表した共同声明で、中共による臓器狩りに大変驚いたと表明した。専門家たちは中国に対し、国際的な人権機構による独立した監督を認めるよう求めた。

 カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏は、「中共の臓器狩りに対して国連が表明した懸念は、断片的で遅れていて、不十分なものでした。臓器を得るために罪のない人を大量虐殺したことへの対応は、間違っていたと言っていいほどです」

 「現在、国連は人権に関心のある政府や専門家に、自分たちの価値観や懸念を表明するプラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、中国の良心の囚人の臓器が移植濫用されることに関しては、これまでの最も良い効果を発揮することができます。政府と専門家はこの機会を活用すべきです。 国連が提供してくれたこの機会を失ってはなりません」と述べた。

 「中共が法輪功への迫害を停止しない限り、臓器狩りはなくならない」

 「臓器の強制摘出に反対する医師団」(DAFOH)の副主任ハロルド・キング氏は、統計や図表を用いて中共の生体臓器狩りの事実を参加者に紹介した。

 「中共政府は、中国の国民を残虐に殺害していることを知られたくないのです。中共が法輪功への迫害をやめない限り、生体臓器狩りはなくならないでしょう」と語った。

 メディア関係者「より多くの人に事実を知ってほしい」

 今回のシンポジウムは、「EU Today」の編集者でブリュッセル在住のジャーナリストであるゲイリー・カートライト氏と、人権擁護者で「自由と権利の擁護のための国際連盟」のメンバーであるアンディ・ヴェルモー氏によって開催された。

 「臓器狩りの話を聞いたときは、信じたくありませんでした。調べるようになってからは、パソコンを閉じて立ち上がり、深呼吸をしなければならない時があると言っても過言ではありません。これは、今までに見たことのない非人道的な政策です。正直なところ、私は罪悪を感じることもあります。このようなことが私たちの目の前で起きているからです」とカートライト氏は語った。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/10/30/433035.html)
 
関連文章