人には誤算があるが、天理に間違いはない(一)
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 【明慧日本2023年2月1日】今、中国での中共ウイルス(新型コロナウイル)の流行の速さ、症状の重さ、そして死者の多さは、多くの人にとって予想外だった。「風邪と大して変わらない」という中国共産党(以下、中共)の宣伝文句や、欧米と他国ではウイルスと共存するエコロジーとは一線を画すものであった。

 中国でのコロナ感染者の急増は世界的な関心を呼んだ。それに伴う重症化と死亡率の上昇、共産党の専門家が自ら説明できないジレンマという奇妙な状況に対して、世界中の専門家や学者が合理的な説明を試みている。中国は今、薬が手に入らない、葬儀業界のひっ迫、医療が追いつかないといった混沌とした状況に巻き込まれている。全国的な流行に際し、中共は空虚なプロパガンダを宣伝し、門戸を開いた。

 すべての出来事には原因があり、中国のカオス状況(ゴチャゴチャした状況)もその源をたどることができる。中国での感染をめぐる混乱を整理してみると、中共の傲慢による誤算と、天の理と疫病に目があるという善悪の法則がますます明らかになっていることがわかる。

 疫病の混乱1:政府はある極端から他の極端へ

 最近、中共が毎日の感染者報告を中止したにもかかわらず、感染者が驚くべき速さで急増していることは周知の通り。2022年12月29日、中国感染病予防管理センーの元チーフサイエンティストである曾光氏は、北京の人口の80%にあたる1800万人が感染しており、実際の感染者はさらに高くなる可能性もあると推算した。

 北京でのクラスターは、12月7日に発表された新型コロナウイルに関する新たな10の条約以降に始まったのではない。自由アジアが取材した北京の政治・法律関係の高官によると、クラスターは第20回全国代表大会の前後からだという。北京の情報筋によると、10月中旬には北京市朝陽区はすでに流行のハイリスク地域が密集しており、多くの大学でのPCR検査で陽性反応が出たという。

 2022年11月13日、経済と衛生キャリアマネジメントの博士号を持つ尹力(Yin Li)氏が北京市委員会書記に就任した。同氏は北京で新たに371人の感染者が報告された15日、北京市疾病予防センターを訪れ、朝陽区で流行の予防と管理を検討する会議を開いた。会議では、流行が重要な段階にさしかかり、感染の勢いをできるだけ早く抑制する必要性があると強調した。当時はまだ、中国がダイナミックなゼロコロナ対策を取っていた。

 2022年1月から11月まで、北京市の一般公共予算収入は5331億元、一般公共予算支出は65331億元に終わり、1200万元余りの赤字であった。このうち、衛生保健分野への支出は659億2000万人民元で、19.8%増加した。教育、科学技術の支出ともに7.8%の増加。しかし、すべて教育、科学技術に使われたのだろうか? 実際は、防疫物資や隔離の移送料、及びいわゆるウイルス学などの教育に使われたのだ。

 首都に模倣して、国中がそれに追随した。14億人の中国国民は3年間苦しい境地に置かれたわけだが、人々は対応策を駆使し、中国共産党も権力を保持するのに苦労している。

 疫病の混乱2:急速な拡大、重症化、高い死亡率

 上海復旦大学付属の華山病院感染科部長で、上海市新型肺炎医療救助専門家グループ長を務める張文広教授は2022年12月29日「今回の流行の波は感染率が非常に高く、正月中に全国で80%に達するだろう」と述べた。つまり、約11億人が中共ウイルスに感染することになる。最近、各地で行われたアンケート調査では、感染率が6割を超えるという結果が出た。中でも四川省の感染率は63.52%と高く、海南省は50%に達したという。浙江省衢州(くしゅう)市は全人口の30〜35%程度の感染率で、1月上旬に第一波のピークを迎える。浙江省舟山市の感染率は30〜40%で、12月末に流行の高台に入り、ピーク期間は約一週間であろうと予想されている。また、重慶市、安徽省、上海市、湖北省、湖南省の各省・市で流行期のピークを迎えている。

 この感染速度はかなり憂慮すべきものである。欧米における秩序ある解禁によって感染は段階的な波を迎えており、第1波と第2波の感染率は30%前後で、感染の毒性も弱くなりつつある。しかし、中国の無作法な解禁にともなって、50%、70%、80%の感染率。しかも、専門家の言ったように、9割の人が無症状ではなく、ほとんどが症状ありで、重症者も多く報告されている。

 2022年12月30日付の澎湃新聞によると、上海の複数の医療レベル3の病院で救急患者数が急増しているとのことだ。12月28日、上海交通大学医学部付属仁済病院の東キャンパスでは、救急外来の受診者数が1日1500人に達し、南キャンパスでも1日1000人台となった。救急外来を受診する新規感染者の割合は80%で、さらに高齢者が40〜50%を占めていた。このことから、5〜6割は高齢者ではないことがわかる。北京に関するBaiduの記事では、北京の主要な病院の感染者の約半分が重症であると述べた。しかし、ネットユーザーは、病院に行った人のほとんどが重症患者であり、重症でなければ、真冬に人工呼吸器を求めて病院に押し寄せることはないという。また、コメントの中に、一般の風邪と全く違い、30歳以上の若者が3週経っても治らず、何かをする度に疲れを感じるという人もいる。他には、2週間も咳が続いているとか、家の中で隔離しても家族全員が感染したとかいう人もいる。

 中国での疫病流行による死亡率は、外部を驚かすものである。2022年12月29日の北京発ロイター通信によると、英国の健康データ会社Airfinity社は29日、中国では1日に約9000人がCOVID-19で死亡する可能性があると発表したが、Airfinity社の推定値は実態より低い可能性がある。あるツイッターユーザーは、現在の北京の1日の平均死者数は8000人で、12月21日には10700人が死亡したこと、死者は高齢者ではなく、20歳から80、90歳まで幅広いことを明らかにした。武漢にある12の火葬場は、まるで2020年の初めに恍惚とさせる光景である。

 中国での流行状況をめぐり、最前線の医師や人々の多くは、オミクロン株ではなく、突然変異を起こした、あるいは以前のデルタ株とオミクロン株の二重感染ではないかと疑っている。しかし、張文広氏は、新たな株は見つかっていないとしている。

 張文宏氏は「臨床の実情からして、オミクロンはすべての人に危険性がないわけではない、肺を攻撃しないとは言い切れない」と説明した。「一部の(例:基礎疾患を持つ、高齢者)特定患者は肺炎の症状が出て、気管挿管が必要な人もいる」

 しかし、この解釈には疑問点が残る。若者も特定患者に当たるのか? 中共ワクチンのADE効果だと説明する人もいるが、ADE効果は不活化CCPワクチンを除くすべての新型ワクチンで出ている。しかし、中共は南アジア、東南アジア、アフリカに10億本の国産ワクチンを輸出しているのに、なぜこれらの国では現在の大陸での流行と同じ流行が起きていないのだろうか?  また、中共の高官や要人も多く、必ずしも国産ワクチンを接種しているわけではないのに、なぜ彼らも多くが重症化して亡くなったのだろうか。

 また、筆者は常識では説明しがたいいくつかの現象にも気づいた。引退した高齢の医師が復帰しており、彼らの中には感染して亡くなったというデータはない。もう一つは、上海では10万人ほどの高齢者が老人ホームに住んでいる。2022年3月から4月にかけて、上海の老人ホームで集団感染が噂され、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「上海の老人ホームで多くの人が死亡した」と報じた。しかし今回の波では老人ホームの大規模感染や死亡が確認されていない。

 医学界や科学界は、本土での流行の奇妙な状況について、まだ包括的、科学的、合理的な説明をしていない。

 (続く

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/1/2/454399.html)
 
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