数カ国が相次いで立法 中共による生体臓器摘出を制止(一)
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 【明慧日本2023年8月29日】(明慧記者・李静菲、景如玉)2006年初め、瀋陽病院のスタッフであるアニーさん(仮名)は、中国共産党(以下、中共)による法輪功学習者(以下、学習者)の生体臓器摘出の黒幕を初めて暴露した。彼女の元夫は2000人の生きた学習者から角膜を摘出した。当時、ピートという別の情報提供者も、中共が密かに瀋陽市蘇家屯で強制収容所を設置して学習者を拘束し、彼らの臓器を摘出して販売し利益を得ていることをエポックタイムズ紙に暴露した。

 当初、生きたままの人間から腎臓、肝臓、角膜を摘出する犯罪があると聞き、多くの人は「信じられない!」と言い、これほど残酷なことがあり得るのかと疑問を呈していた。

 その後、さらに多くの経験者からの告発を受けて、各方面の関係者は中共による生体臓器狩りについて独立調査を行い、2000件以上の電話録音および証言により、事態が浮き彫りになった。これは、当時の中共の独裁者・江沢民の命令を受けて行われたもので、中共政府と軍が一元的(いちげん-てき:様々な事物の根源が一つにみえるさま)に管理し、刑務所、裁判所、病院からなるワンストップの密室虐殺であり、すでに犯罪の産業チェーンを形成していた。

 2006年7月、カナダの著名な人権弁護士・デービッド・マタスと故デービッド・キルガー元アジア太平洋局長は調査報告書を発表し「無実の法輪功学習者が臓器狩りのために殺害された」と結論づけ、この罪行を「地球上で前例のない犯罪」と表現した。その後、彼らは証拠を追加して報告書を完全なものにしつつ『血まみれの臓器狩り』という書籍も出版した。

 2016年6月13日、米議会下院は343号決議案を満場一致で可決した。同決議案は中共に対し、学習者やその他の良心の囚人に対する「生体臓器狩り」の犯罪を直ちに停止し、信頼できる透明性の高い独立した調査を行うことを求めた。

 2019年6月17日、イギリスのジェフリー・ニース卿を議長とする「中国の良心の囚人に対する生体臓器狩りに関する独立人民法廷」は、数カ月にわたる調査の後、ロンドンで以下の判決を宣告した。「中国(中共)は長期間にわたり良心の囚人から強制的に臓器を摘出したことに疑いの余地がなく、その被害者は多数であること、法輪功学習者が最も重要な臓器供給源であることについて、法廷のメンバーは全員一致で確信した」。中共政府は人道に対する罪および酷刑罪を犯した。

 『独立人民法廷』は2020年3月1日、300ページに及ぶ証人の証言や陳述書を添えた160ページの判決報告書全文を初めて公表した。国際的に著名な裁判長であるニース判事は、判決が公表されてから今日に至るまで、その詳細について反論や疑問を呈する人はいないと述べた。

 中共による学習者からの臓器摘出という大規模な犯罪はますます国際社会の注目を集めている。世界中の多くの国が相次いで法案を制定し、自国民が違法な臓器移植のために中国へ渡航することを阻止し、虐殺の共犯者にならないようにしている。臓器摘出や密売に関与した者に制裁を科したり、パスポートの剥奪、財産の凍結、最高20年の禁固刑と最高100万米ドルの罰金を課す法案を可決した国もある。

 スペインが率先して立法した、違法な臓器移植とプロモーションが訴追の対象に

 2008年11月21日、中国の天津を旅行していたスペイン人のオスカー・ガレイ氏は、違法な肝臓移植を受けた。その違法な肝移植は20日間に及び、ガレイ氏は手術費用として13万ドル(約1904万円)を支払った。2010年、ガレイ氏は自らの中国での経験を公表したため、スペイン国民は彼が中国で違法に移植された肝臓を得たことを知った。その結果、彼はスペインのメディアと政府の注目を集めることになった。

 『スペイン臓器移植法』は2010年に改正され、国民が違法な臓器移植手術を受けることを禁止すると同時に、違法な臓器移植手術を受けた者は起訴に直面することになった。

 『スペイン臓器移植法』の新規定は、三つの方面から違法な臓器移植取引に対して以下の具体的な規定を下した。

 一、すべての違法な移植と臓器窃盗に関与、提供、促進、組織した者は、3年~12年の禁固刑に処される。

 二、移植臓器を取得し、かつその臓器の出所が違法と知っていた個人は、起訴され刑に処される。

 三、違法な臓器移植と取引に関与したいかなる組織、例えば協会、会社、病院なども処罰される。

 米下院、中共による生体臓器摘出を罰する法案を可決

 2023年3月27日、米連邦下院は臓器狩りの犯罪を処罰する『2023年強制臓器摘出停止法』を413対2票の賛成多数で可決した。

 これは、中共による良心の囚人への生体臓器狩りという残虐行為に歯止めをかけるために、米国が(象徴ではなく)立法を用いた初めてのケースであり、圧倒的な賛成多数で可決された。

'图1:美国国会大厦'米国連邦議会議事堂

'图2:二零二三年三月二十七日,美国联邦众议院以413票对2票通过了《2023年停止活摘器官法案》(亦称:H.R.1154号法案)。(美国国会网络截图)'

2023年3月27日、米下院は『2023年強制臓器摘出停止法』(別名:H.R. 1154法案)を413対2票の賛成多数で可決した。(米国議会ウェブサイトのスクリーンショット)

 同法案は、生体臓器売買に関与した者(個人および団体)に制裁を科し、国務省に臓器売買に関与した犯罪者のパスポートを剥奪する権限を与えている。

 具体的には、(米国)大統領は、(1)生体臓器摘出、または(2)生体臓器摘出を目的とした人身売買に協力した人物のリストを議会に報告しなければならない。リスト上の各人に対して、大統領は資産凍結と米国への入国禁止の制裁を実施しなければならない。

 さらに(米国)国務省は、(1)営利目的で故意に人体臓器を移植した罪で連邦裁判所により有罪判決を受けた者、および(2)その犯罪の遂行に際して旅券を使用し、または国際国境を通過した者の個人旅券を発給拒否または失効させなければならない。

 同法案の詳細によると、生体臓器摘出に関与した者に対する懲罰として、民事罰として最高25万ドル(約3660万円)、刑事罰として最高100万ドル(1億4643万円)と20年の懲役が定められている。

 法案の発起人であるニュージャージー州の共和党下院議員クリス・スミス氏はメディアに対し、生体臓器狩りは残虐行為であり、人道に対する罪であり、戦争犯罪でもあると示した。「なぜなら、これは中国の罪のない人々に対する戦争であるため、(中共の指導者である)習近平氏には直接的な責任があるはずで、このような行為に進んで関与した者たちも責任を問われるべきである」と語った。

 「中共の指導の下、毎年6万人~10万人の平均年齢28歳の若い被害者が冷酷に殺されている。生体臓器摘出は人道に対する罪であり、想像を絶するほど残酷だ。私たちは行動を起こさなければならない。私は同僚たちにも、私たちは断固とした行動を取らなければならない」と語った。

 トム・コットン米共和党上院議員とクリス・クーンズ民主党上院議員など十数人の上院議員も、この法案の上院バージョンを提出した。

 欧州評議会が『人体臓器売買禁止条約』を採択

 2013年12月12日、欧州議会は緊急議案を採択し「中共に対し、良心の囚人、宗教信仰および少数民族団体に対する生体臓器摘出を直ちに停止すること」を要求するとともに、法輪功学習者を含むすべての良心の囚人を「直ちに釈放すること」を求めた。同決議案はまた「EUに対し、中国における臓器移植とこの不道徳な行為に関連する迫害について、完全かつ透明性のある調査を実施すること」を求めた。欧州議会の決議は、中共政権が人道に対する罪を犯したことをはっきりと非難した。 

 その後、欧州評議会は2014年7月9日に『人体臓器売買禁止条約』を採択し、国境を越えた違法な臓器取引を抑制し、加盟国にそのような共謀行為を禁止するよう求めた。

 チェコ共和国、ポルトガル、モルドバ、アルバニア、ノルウェー、スイス、マルタ、ラトビア、コスタリカ、クロアチア、スロベニア、モンテネグロ、ベルギー、フランスが相次いで『人臓器売買禁止条約』に署名し、批准して発効させた。

 また、ベルギー連邦議会の公衆衛生委員会は2019年4月2日、商業的臓器売買と臓器ツーリズムを犯罪とする法案を全会一致で可決した。

 (続く)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/8/23/464497.html)
 
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