文/中国の大法弟子
【明慧日本2023年10月27日】私の職場は建築設計に携わっており、設立から現在に至るまで3人の社長が変わり、自分は元老とも言えます。3 番目の社長は民主的な選挙によって選出されました。当時の職場は40人以上で、事業機関であり損益は自らの責任になります。デザイン資格は工業デザイングレードBですが、長い間経済効果があまり良くなく、会社は不況に陥っていました。
新社長が就任したとき、帳簿には40万元ほどしかなく、さまざまな複雑な要因と困難により、社長は何もできず、給与を支払うために一時的に借金することしかできなくなりました。社長が設計者のパソコンをチェックしたところ、プロジェクトは行われており、設計単価も支払われていたが、設計料は徴収されていなかったのです。当時、「まず少数の人が裕福になるようにしよう」という風潮に触発されて、人々はお金に目を向けていました。手段を持つ者たちは皆、最初に金持ちになりたいと考えており、集団という概念が全くなく、会社のためではなく、自分のために利益を求めています。
私は技術担当に携わっており、新社長が就任する3年前に大法の修煉を始めました。新社長の就任後、私が最初に遭遇したのは、市政府がすべての設計機関に対し、長年にわたる技術ファイルを市の担当課に移して保存するよう求めていました。私は多大な精力を費やし、この大規模なプロジェクトを真剣に完了させ、10年以上にわたって会社のすべての基本図面を市の担当課に移管しました。担当課に好評されました。上半期のボーナスが支給されたとき、私のボーナスは製図作業員の半分しかなく、仕事量の多さ、中級の肩書を持つプロの私には製図作業員に及ばなかったこと、同僚は私を気の毒に思いました。
師父は、『轉法輪』の中で「往々にしてトラブルが発生する時、それが人の心の奥深いところを刺すような激しいものでないと効果が上がらず、向上につながりません」と説かれました。
これは、私にとって偶然ではありません。私は冷静に考えました。これは心性を向上させる良い機会ではないでしょうか? こんなに良いことはどこで見つけられますか? そのため、私は修煉者の心構えで冷静に対処し、文句を言わず、私のために不平不満を言ってくれる人には笑顔で対応しました。そのあとも積極的に仕事に向き合っており、仕事で緊急のことがあれば休日でも夜間でもすぐに駆けつけ、個人の損得は一切気にしません。私のやったことは上司に認められました。
建築設計に携わる者であれば、会社の認定印がその組織の生命線であることは周知のことであり、認定印が押されていない図面は紙くず同然なのです。かつては、この印鑑セットを誰も制御できなかったことが主な理由で、会社は設計費用を受け取ることができませんでした。これも人間の道徳的腐敗の避けられない産物でもありました。組織が発展したいのであれば、まず設計の方向性を民間への設計に転換し、次に捺印をしっかりと管理する必要があります。私の品格を上司に認めてもらったので、ついにこの印鑑のすべての管理を私だけが任せられました。一般に設計機関では、相互牽制のために、発行印、防火自主監査印、技術サービス印、設計変更印の管理担当者が3名います。設計市場の暗黙のルールは、個人の設計図に1平方メートルあたり20~40円の印を押すことだけですが、その利益がどれほど大きいのか想像がつきます。
社長には法輪功学習者の友人がおり、法輪功を修煉する人は、他人のために思いやるのが当たり前だと社長に話たことがありました。そのため、社長は私に一式の印鑑を手渡すときも、仕事上で注意すべきことは何も言わず、法輪功弟子である私を全面的に信頼してくれました。
社長からこのような重要な仕事を一任されたので、「真・善・忍」を修煉する人への信頼に応えていきたいと思いました。修煉者としてこの仕事をうまく遂行するには、まず「真・善・忍」を指針とし、一切の感情を排除し、役職に関係なく全員を平等に扱い、会社の利益を守ります。
作業はいたって簡単ですが、家作りは百年の計とも言われ、そのため、どの部分も非常に重要です。それにも関わらず、私は非常に忙しかったのです。会社の技術資料のみではなく、社長からは、全会社のコンピューターの消耗品の購入と配布も私に任されていました。通常の業務以外にも、これまで手違いで社外に遺留した分の料金基準を満たしておらず、後から手続き変更になったケースなど、それらを全部訂正することにしました。今まで足りなかった費用を補い、再処理の対応をしました。私の仕事の原則は、公共利益のためのふりをして、実際は利己的なことをするという、社会的ブラックホールをブロックすることでした。これにより、上司のプレッシャーが事実上軽減され、心配することなく、社外でプロジェクトについて快適に商談できるようになりました。
もちろん、人の考えを一度に変えることは不可能です。社内の設計事務所の所長数人は、私から何らかの便宜を得て、自分たちへの福利を図ろうとしています。私は真・善・忍を基準にしているため、彼らは何することもできないのです。
わずか1年余りの間に、会社は新たな姿に生まれ変わりました。経済的利益は急速に増大し、年末の忘年会には総院の偉い役人が訪ね、祝意を表しました。酒の席では院長が、特別に総院の指導陣に私を紹介し、乾杯してくれました。
あるとき、1人の所長が甲方に図面を納品して戻ってくると、大金を持ってきて私のテーブルにおき、「あなたの収入は高くないし、あっちは領収書もいらない」と言うと、彼はすぐに立ち去りました。つまり、そのお金は私にくれたということです。これは私に賄賂を贈ろうとしているのではないか、これをもらったら、今後どのように働けばよいのか。私はすぐにお金を返すために、彼のオフィスまで追いかけて、「このお金は受け取れません」と言いました。彼はすぐに怒り出し、「金が要らないなんて」と文句を言いました。私は微笑んで彼に言いました。「私は真・善・忍を修めています。あなたの好意にお礼を申し上げます」
一度、社長が商談のために専門のデザイナーを連れて戻ってきたとき、同行のエンジニアが私にこう言いました。「社長が夕食の席であなたの仕事ぶりを紹介したとき、『法輪功を修煉する人はお金が要らないのです』と言いました」。それを聞いて嬉しかったです。社長の賞賛は、目に見えない形で中国共産党の嘘を論破していました。ただ、修煉者のすべての行為が大法の偉大さを実証し、大法の尊厳を維持するためであることを彼は知らないのです。
会社では同じ一式の印鑑を使用している調査チームがあり、彼らは独立したいのですが、社長が同意しませんでした。すると、毎日「どんな条件でもいいから、言ってみてください」と私に尋ねに来ました。私の隣のオフィスの副社長は、私にこう言いました。「家を買ってもらい、内装工事もしてもらうように頼めば良いだろう」。修煉者が求めるものは決して常人の利益ではないことを、どうも彼らは知ることができないのでしょう。私利私欲を目的としたこの種の権力乱用は、私の心性を試す試練です。
会社の職員たちは、初に私のやり方に慣れないのですが、今では会社に対する私の献身的な働きを見て、上から下まで全員が私を賞賛しています。
師父はこのように説いています。「あなたの正念は常人を変えることができますが、常人はあなたを動かしているのではありません」[2]
ある時、院長の奥さんが私と遭遇し、「社員3人もこの一式の印鑑を管理することはできない」と言い、副院長の奥さんは「私の主人は、自分が会社にいる限り、あなたを誰にも渡さないと言ったのよ」と話してくれました。
通常、警察と610オフィスが私の職場に嫌がらせをしに来た後、彼らの言葉を借りれば、「彼女の職場の上司は、2時間経っても彼女の良いことを言い続け、彼女は渾身の正義だ」と言いました。仕事で接する人たちは皆、私が法輪功迫害の実態を明らかにする対象になります。
会社の上司が真・善・忍を賛同し、大法弟子を賞賛すると言い続けていたため、会社は大法から前例のない祝福を受けました。わずか数年で設計資格がB級からA級に昇格し、オフィススは賃貸から自社ビル購入となりました。また、大型設計プロジェクトやランドマークプロジェクトの落札が相次ぎ、従業員数も増加10倍近くに成長し、無事に上場企業となりました。これほどの実力の変化は全国的に見ても珍しいのです。
院長は、私に対する敬意を示すために、私と夫をプライベートな晩餐会に招待してくれました。定年退職を迎えた後も、さらに5年4か月雇用してくれました。
師父は「神が世に在りて 法を実証す」[3] と説かれました。
ここまで私を地獄から救い上げてくださり、体を綺麗に洗い清め、道徳を昇華してくださいました。そして、私は真・善・忍の力で社会に貢献できたことを師父に感謝したいと思います。
弟子は師父のご恩に応え、真の弟子となり、師父を追って本当の家に帰ります。
注:
[1] 李洪志師父の著作:『轉法輪』
[2] 李洪志師父の経文:『二〇〇五年サンフランシスコ法会での説法』
[3] 李洪志師父の著作:『洪吟二』「恐れ無し」