文/河北の大法弟子
【明慧日本2024年7月8日】2006年3月のある朝、私は同修と一緒に自転車で川沿いの道を走っていました。そんな中、中年の男性が自転車で走ってきて、川沿いの東屋に座り込みました。私たちもその場所に行きました。
その男性は、顔が黒っぽくて満面に殺気が漂い、非常に凶悪な印象でした。彼は焼き饅頭を食べながら川の水をじっと見つめていました。同修が「寒いですね。熱い豆乳を買って飲めば暖かくなりますよ」と話しかけました。男性は「停電している(買えない)」と悪意を込めて答えました。同修は急いで本題に入りました。「お兄さん、党や団、隊に入ったことがありますか? もし入っていたら、退党して命を守りましょう。今はみんなやっています」
すると彼は振り返って「俺の職業を知っているのか?」と詰問しました。同修は「どんな仕事をしていても自分の命を守るべきです」と答えました。彼は「俺は派出所の警官だ」と言いました。なんと、彼は私服警官だったのです。
私は、話を続けました。「派出所の警官なのですね。私の義兄は公安局に勤務しています。義兄は三退しましたよ!」。彼は少し態度を和らげて、義兄の名前を聞いてきました。私は「それは秘密です」と答えました。彼は姓を尋ねましたが、私は「それも言えません。義兄の身の安全のために秘密にしなければなりません。あなたが退党したら、私も秘密にします。お兄さん、平安という仮名にして、退党しましょう」と言いました。男性は脱党に同意し「福」という字が書かれたお守りを受け取りました。私は「『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と多く唱えて、素晴らしい未来を迎えてください」と言いました。彼は立ち上がり、その場を後にしました。
1カ月後、私たちは河辺で緑化作業をしている人々に『共産党についての九つの論評』とお守りを配り、法輪功迫害の真相を伝えていました。その時、あの私服警官が自転車で走ってきて、私のところで止まりました。彼の顔は白く、笑顔に満ちていて、小冊子とお守りを配っている私を見ていました。同修が私に「お姉さん、彼にも1冊の小冊子とお守りを渡して」と言いました。
私が「知人ですか?」と聞くと、同修は「覚えていないの?」と大声で言いました。私は彼の前に行って、小声で「三退しましたか?」と尋ねました。彼は「あなたがくれたカード、まだこのポケットにありますよ」と答えました。私はやっと思い出しました。彼はあのときの私服警官だったのです。
あいにく、30冊以上の小冊子を全部配り終えたところでしたので、私は緑化作業の人たちから1冊を分けてもらい、彼に渡しました。その後、私は追加資料を家に取りに戻りました。彼とはいつも会えるわけではないので、またお守りを渡しました。彼はすべて受け取りました。
彼は笑顔で「セロリやナスを食べますか? 持って行ってください」と言ってくれましたが「結構です」と言って、私は受け取りませんでした。彼の顔には温かさと優しさが溢れており、私はとても嬉しく思いました。
その後も、何度か会うことがあり、私が持っている資料を彼に渡すと、彼はすべて受け取りました。彼が救われたことに私は喜びを感じました。帰り道で、私たちはこの警官が脱党前と後では別人のように変わったことに驚きました。「三退」した後、師父が彼の体を清めてくださったのでしょう。彼の顔は白くなり、凶暴さも消えて、ただ優しさだけが見えるようになったのです。