【明慧日本2025年3月26日】 臓器の生体摘出は、拘束されている法輪功学習者(以下、学習者)やウイグル人をはじめ、一般の中国人にも広がりつつある。中国共産党(以下、中共)は警察内部のシステムを通じて、個々の中国市民の家族や直系親族などのネットワークで情報を把握できる。このネットワークを分析することで、その人物に何の背景もない普通の人か、それとも親族に官僚など特別な背景を持つ人がいるかを見分けることができる。もし後者であれば、その人物は臓器の生体摘出の対象にはならないだろう。なぜなら、官僚の親族に手を出すことは面倒を引き起こすことになる。(官僚による)「隠蔽工作」の保護の下で、彼らの親族も安全なのである。一方で、何の背景もない一般の人であれば、もしその人の血液型がちょうどドナーが必要なものと一致するならば、どんな状況でも臓器摘出が行われる可能性がある。
事例1:2024年12月24日、「X」(旧Twitter)に1本の動画が登場した。夜の闇の中、一人の学生のような女性が公衆トイレに入っていく。その後、マスクを着け、黒い服を着た女性が後ろからついていく。トイレの外では、1人の男性が暗闇からトイレの入口に近づき、手には既に青い大きなゴミ箱を持っている。男性はトイレの入口でそのゴミ箱を中の女性に渡し、女性はそのゴミ箱を押して、再びトイレ内に戻る。その後、男性は入口で見張りを始める。しばらくして、女性はおそらくその女子学生をゴミ箱に入れて再度運び出した後、二人はその女子学生を既に待機していた白いセダンに乗せ、車はその場を離れる。現場にはゴミ箱だけが残った。
中国本土で、この女子学生のような少女の行方を追い、犯人を処罰し、声を上げて訴えることができるのは誰か? 自分の子供が他の都市の学校に進学した場合、誰がどのようにして、その安全を守れるのか?
事例2: 子どもが公衆トイレからどう消えていったのかを見てください!
【Xより】pic.twitter.com/ZvKt3wB1eB — Qinhao Xu (@5213freedom) December 24, 2024
新浪財経の報道によると、2024年7月19日、湖北省十堰の万達広場で、親子でショッピングモールに来たが、知らぬ間に離れ離れになり、子供が行方不明になった。親は保安員に助けを求めたが、短時間では手立てがなかった。その親は貴金属店のショーケースのガラスを壊して、ショッピングモールの自動警備システムを作動させると、扉が閉まり、その結果、子供はトイレで発見されたが、すでに服を替えられ、頭は丸刈りになっていた。
【Xより】pic.twitter.com/9jZALNA1QZ — 玲儿 (@ling6599857) July 21, 2024
この親は、子供の危険を取り除くために、貴金属店のショーケースのガラスを壊し、ショッピングモールの自動警備システムを作動させることを厭わなかった。無私で恐れを知らぬ愛によって、子供は危機一髪のところで命を救われた!
以前に起きたその他の事例:
雛松涛さん(男性、28歳)は、中国海洋大学の修士課程であった。2000年、法輪功の修煉を行っていたため、何度も拘束され、拷問を受け、最終的には迫害によって命を落とした。一年余り経った後、同じ学習者で、彼の妻である張雲鶴さん(青島大学会計学科卒)も連行され、それ以降行方不明となった。
張さんの父親は、元々軍隊の高級軍官で、青島大学の副教授に転任した人物であった。しかし、この事件は「法輪功」に関連するものとされ、法輪功は中共により絶滅させるべき集団と定められたため、張さんの父親はすべての人脈を駆使して、何年も娘を捜し、何度も上訴したが、どこに行っても壁にぶつかった。最終的に彼は絶望し、「生きている意味がない。もう道はない」と言い残して、2019年にうつ病により亡くなった。
黄雄さん(25歳)は、誠実で優しい江西省出身の男性で、2003年、法輪功を修煉していたために連行され、その後行方不明となった。
遠く海外に住む兄である黄万青さんは、あらゆる手段を使って弟を探し続けたが、中共の公安当局は一切応じず、彼を連行したことも認めず、最終的には黄雄さんが長期間音信不通となったため、彼の戸籍を抹消し、黄雄という存在を社会から「消去」した。2006年、長い間、黄雄さんの音沙汰がなかったために絶望し、臨終の直前まで愛する孫を心配していた祖母が亡くなった。
1999年7月、中共は法輪功への迫害を開始した。多くの学習者が拘束され、その後、家族や職場に報復が及ばないように名前を名乗ることを拒否した。その結果、数え切れないほどの学習者が行方不明となった。彼らはどこへ行ったのだろう? 彼らはまだ生きているのだろうか? 彼らが一体どうなったのか、家族はずっと心配し、思い悩み続けている。
しかし、学習者の状況について、中共は省、市、県、町、村に至るまで、すべての段階で「問題を起こさないように」という理由で、学習者に関する情報を一切隠蔽し、もみ消し、恐喝し、封じ込めてきた。
2006年、沈陽の蘇家屯血栓病院で働いていた元職員のアニーさんが初めて、中共による臓器の生体摘出の悪行を暴露した。彼女の元夫は、学習者の角膜を摘出する手術に関与していた。
中国本土を逃れた医師・鄭治氏は、17年間隠れて生活を送り、心の葛藤を経た後、2016年にようやく声を上げることにした。彼はカメラの前で、臓器の生体摘出の現場を目撃したことを語り、20年近くが経過した今でも、その思い出を振り返ると恐怖で涙が止まらないと語った。
2018年、ロンドンで設立された独立裁判所は、中共による良心の囚人に対する臓器摘出事件を調査し始めた。この法廷は通常「中国民衆法廷」(China Tribunal)と呼ばれており、かつて国際刑事裁判所前でユーゴスラビア大統領スロボダン・ミロシェビッチに対する起訴を主導した英国の大弁護士ジェフリー・ニース卿が主導していた。(※注)
「中国民衆法廷」は、16カ月をかけて集めた証拠を精査し、50人以上の証人、専門家、調査員を呼び寄せ、以下の証言を求めた裁判である。
2019年2月3日、かつて『ニューヨーク・タイムズ』の記者であり、その後退職した狄雨霏さんは、「中国民衆法廷」に対して書面証言(PDF)を提出した。この証言の中で、2016年4月初め、彼女が「中共肺移植第一人者」とされる陳静瑜との対話を紹介し、また陳静瑜と別の胸部外科医との会話も触れていた。証言によれば、外国の報道で中共による臓器の生体摘出が明らかになることに対して、中共は警戒し始め、医師たちは敏感な言葉を避けるようになったことが示されており、これは医学界が生体摘出に関して広く知っていることを示唆していた。
あなたの治療をしている医師は誰なのか? 人は病気にかからないわけではない。病気になった場合、多くの人は医師のもとに行き、治療を受ける。しかし、現在の中国で、真夜中に悪夢を見ない医師がどれほどいるのだろうか?
2022年4月5日、『アメリカ移植学雑誌』に掲載された、イスラエルの教授であり、イスラエル移植学会の元会長である雅各布・ラヴィ博士と、オーストラリア国立大学博士課程の学生マシュー・ロバートソンさんによる共同研究は、過去数十年にわたり、中国の軍隊や地方病院で行われた器官摘出手術について、摘出前に「提供者」が死亡していないことを示していた。つまり、摘出された臓器がその「提供者」の死因であることを示していた。
中国人として、あなたが「自発的に臓器を提供する」という意思を署名して認証する際、その善意から、後に裏切られ、まるで動物のように殺されることを考えもしないだろう。また、あなたが身体検査や血液検査を受ける際、害意がないからこそ、それらのデータが後に自分の命に危険をもたらすことを想像もしないだろう。
これがいわゆる中国の人権状況である。なぜなら、すべての人の顔認識データがすでに公共部門で共有されているからだ。特定の血液型を持つ顔認識データは、特定のルートを通じて手に入れることができ、大規模なデータ監視のもとで、リアルタイムで監視されているため、この対象者が一時的に監視されていない隙間を見つければ、誰の助けもなく、突然誘拐され、消える可能性がある。
もし、中国に長期間滞在することがなければ、外の世界の人々はその「肉体」から「生存」に至るまでの絶滅的な圧力を実感することは難しいだろう。真実を知ろうとしないならば、自分の生存環境がどれほど危険かを正確に認識することはできない。しかし、津波が来る前には、何もない穏やかな日常が続いているように見えたとしても、恐ろしい津波が現れた時、命を守る時間は数秒しかないのである。2020年以降、中国の人口問題を見ても、人々が出かけることや薬をもらうことに集中している間、どれだけの人たちが周囲で失踪しているのか、気づいていないのだろうか? しかし、都市封鎖や春節が過ぎ去り、人々が普段通りに戻った時、見渡す限りの空虚な街並みが目に入るとき、真実を認識する勇気を持つ人がどれだけいるのだろうか?
中国人の命運がまだ中共の悪魔の手の中にある限り、何が起こるか予測はできない。あなたが思いつかないだけで、彼らにできないことはない。無頼、無恥、残虐、邪悪──これらの言葉では、中国人を支配する悪しき力を表現するには不十分である。悪には悪報があり、天が人々を裁く。しかし、中共の崩壊前に、どれだけの中国人が命をかけてその代償を払うことになるのだろうか?
荀子は『天論篇』の中でこのように言った。「天行有常、不為尭存、不為桀亡。応之以治則吉、応之以乱則凶」(天の行いには常があり、尭(ぎょう。明君)のために存せず、桀(けつ。暴君)のために滅びることはない。天に従って治めれば吉となり、これを戦いにより乱せば凶となる)。法輪功の基本理念である真・善・忍は、多くの人が聞いたことがあっても、従おうとはしない天道である。天道は誰かが実践したからこそ存在するのではなく、誰かが踏みにじったから消えるものでもない。消えるのは最終的には人である。たとえ乱世の中に身を置いても、白衣の悪魔や人を食うような邪悪な中共の警察・検察・裁判所に直面しても、天道に従って生きることで、我々は幸運を得て、絶望的な状況からも生き延びることができるのである。